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2F/当番ノート

カリスマ不足でもできる人材育成

当番ノート 第32期

株式会社WATは2017年5月時点で、会社設立から4期目の途中。
3年前、6人くらいでわちゃわちゃやってた頃から、今ではスタッフは約50人ほど。
(週3のアルバイトもいれて、ですが)
人が増える度に初期の頃を思い出しては色々あったなー、とか感慨深くなります。

さて、会社のフェーズに合わせ、人材も増えたり減ったりしてきました。
3歩進んで2歩下がって来たわけで、水前寺清子に見事に予言されていたと言わざるを得ない訳です。

現在進行中で長らくまとわりついている悩みが人材育成です。
正社員の平均年齢は多分29〜30歳くらいと比較的若いスタッフが多い事もあって、将来世の中で生き抜く力をつけさせたいと常に思っています。
こっちもいっぱいいっぱいなのに人の事まで考えるとなるとこれは大仕事で責任重大です。
こんな時、僕も部活の部長などやれるような誰からも認められる尊敬される人だったら!などと、自分のカリスマ不足を呪うのみなのです。

そんな僕にもわかった事があります。
月並みですが、「立場が人を育てる」ということです。

過去こんな事がありました。
とある店舗にて、人材のやりくりが上手く行かない時期がありました。
そんな事情もあって、急遽入社1年ほどの若手社員の男性スタッフを店長とする事になったのです。
飲食店の経験もまだ1年。
荷が重いだろうと思っていたため、あくまで店長代理と任命をし、その間に中途採用で店長候補を探そうという計画でした。

しかし、彼にとってはきっととてつもないプレッシャーだったでしょう。
WATの店舗運営は他社と比べても店舗責任者にかなりの決裁権と責任を与えています。
半分独立しているような状態です。
今まで引っ張ってくれる上司がいた中で、しかも、まだまだ店長なんて先の話だと思っていたわけですからきっとどうして良いか分からなかったはずです。
お客様やクライアント、アルバイトスタッフ、本部への責任など全てが彼にかかっているのです。

最初は本当にしんどそうでした。
アルバイトともうまくいかない時期もありました。
しかし半年を過ぎた頃から、コストコントロールを完璧にこなし始め、クライアントやスタッフとも良好な関係を築き始めたのです。

結局、店舗は彼に任せる事にしました。
資質もあった事かと思いましたが「店長」という環境が彼を精神的に強くしたと感じました。

つまり、僕なんかがあれこれ言うよりも任せてしまったほうが良かったのです。
重い荷物を持っている間に筋肉が付いてきたのです。

彼を育てたのはあくまで「立場」で、自分自身で乗り越えたのです。

露伴先生も言っていた、

「他人を負かすってのはそんなに難しい事じゃあないんだ・・・」
「もっとも『難しい事』は!」
「いいかい!もっとも『難しい事』は!」
「『自分を乗り越える事』さ!」

というやつなのです。

若者に活躍してもらうためには少しばかり早く社会に出た僕たちは環境を整えてあげる事が大切なのだと感じました。
若い彼らがいつまでWATで働いてくれるかは分かりませんが、5年後10年後、どこのフィールドに行っても活躍してくれる事を願ってやみません。
そんな事を思い、結局カリスマは不足したままなのでした。

kotaro higuchi

kotaro higuchi

株式会社WAT ディレクター/BKD餃子部所属。
東京・神奈川で8つの飲食店やレンタルスペースの運営や企画をしています。

Reviewed by
井口隆之

秀れたプレイヤーが、秀れた指導者になるとは限らない

よく聞く話である

ある程度仕事を覚えた人間が、そこからさらに自らの能力の向上させる為に四苦八苦する事は日常的だが、
他人の教育や指導も、また多くの人を悩ませる

学問なき経験は経験なき学問に勝る、とも
実戦に勝る練習は無し、とも
獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす、とも云う

「習うより慣れろ」
耳にすることの多い言葉ではあるが、この効果の程も、実際に経験したもののみが体感できる

所謂、本来とらわれているニュアンスでの指導や教育や、下積み下準備を決して疎かにしていいわけではないが、
(双方それぞれが責任を負う覚悟で)まず「与えてみる」「任せてみる」というのも、一つの大きな教育であり、指導なのだろう

そう・・・鳥井信治郎氏も言った
「やってみなはれ」、と

我々は「みとくんなはれ」、と答えられる後人でありたい

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