先日完成したばかりの、とあるショートフィルムを見た。
撮影にあたって衣装デザインを担当した作品である。
茫漠とした風に巻かれて消えそうな存在と、痕跡と。
私たちはなぜ生きるか。
誰も知らない、誰かの物語が無数にあるということ。
滅びること。
優しい雨の音をぼんやりと聴くように、それらのことが頭を巡った。
映像作品のための衣装に、デザインの構想から携わったのは久しぶりだった。
映像全体の構想を聞き、衣装について映像作家と一緒に練りながら、当然言葉を交換する。
抽象的な言葉と、具体的な言葉と。
言葉で上手く説明できないと感じれば絵や写真も時折交える。
逆に絵や写真のイメージに引っ張られたくないときは、なるべくそれらを減らして言葉を尽くす。
そのあたりのバランスを取りながらするやり取りを、実物の製作とはまた別にとても心地よく感じることが時々あり、今回の作品が特にそうだった。
お互いが普段使う語彙だったり、綺麗だと感じるものの種類だったり、気分というか調子にも左右されることではあると思うのだけれど。
本当に楽しく作らせてもらい、ありがたかった。
人の表現とその工程に触れる喜びは自分にとって、他の何物にも代え難い。
short film “Ⅱ”
Starring : Hazuki domotokyo.com/model-women/Hazuki
Director : Takahiko Watanabe
Assistant Director : Soh Ideuchi
Composer : Yoko Komatsu yokokomatsu.com
Costume Designer : Misaki Kuroi
DP / Camera Operator : Shigeta Kobayashi
2nd Camera Operator : Tsukaya Suzuki
Hair & Makeup Artist : Asumi Washizuka hm-asumi.tumblr.com
Production Assistant : Masataka Kougo masatakakougo.com