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2F/当番ノート

ある手紙 – 香港(2018.7.15)

第39期(2018年6月-7月)

ハロー。

僕は今、香港に来ています。

香港は20歳になる時に来て以来、2回目になる。
近くて遠い、いつも特別で憧れがある。

王家衛の映画の影響が強いんだろうと思う。
僕の場合は「天使の涙」がとても好きで。
この映画のラストシーンは最高だよ。

香港は大きく分けて二つの島、
九龍と香港にに分かれていて、
僕は香港側に滞在しています。

日中はそれはもうとても暑くて、少し歩くだけで熱気と湿気で息苦しくなる。
それでも日が沈むとそれなりに過ごしやすくなってきて、
その頃合いに外に出て食事をとったり、観光しています。

さて、僕がなぜ香港に来ているかというと、
それはここで歳を重ねるためです。

慣れ親しんでいない場所で新たな歳を受け入れることは自分とって重要で、
その瞬間は所属しているものから自分を解放して、
ただの自分、どこにも属さない自分になって、
今の状態を見つめるようにしている。

今の自分はどう歩んでここに辿りついているのか、
これからしたいことはどんなことなのかなど、
日本に戻れば多くは忘れてしまうんだけど、
考える時間がとても好きなんだよね。

数日間ここで過ごしてみて香港という場所は、
その一部になって溶け込んでいける感覚が
とても心地良い。

今日からまだもう少しこの国で、
時間を過ごして戻ります。

お盆休みにはまた帰省するね。
では、また。

※香港の写真を同封します

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haikei

haikei

ある手紙

Reviewed by
藤田莉江

なんとなく、誰かひとりへというよりは、たくさんのひとりへ。

でも、「みんな」ではなく「ひとりひとり」へ、という一部に開かれた手紙な気がした。

さて、今回はどうこの手紙と巡り合ったのか。

わたしはきっと同窓会の役員で、欠席に丸のついたハガキの代わりに届いたエアメールを手にとっている。

せっかくの同窓会に行けなくてごめんね、実家にハガキ送ってくれたんだってね。なんて懐かしい声を想像してしまう。

同窓会の当日には、「今日来れないんだって、でもね。」

と、みんなでこの手紙を囲んで、早速だけどお盆にサプライズ同窓会第二弾をやっちゃう?なんて盛り上がる。

手紙を回し読みしては、写真を奪い合うように見て、それぞれがその「第二弾」に向けて、話したいネタをあっためる。

結局は乾杯と共に、どうでもよくなってしまうようなくだらないことも、タイミングがあったら個人的にコッソリ聞いてみたいことも、口元に笑みを浮かべながら思い浮かべる。

楽しかった同窓会の余韻に浸りながら、「ちょっとずるいよなぁ」とか、何がどうずるいのかもよく考えずに、にやにや独り言ちる。

きっと、わたしだけではなく、何人か同じようにして今布団に潜っているんじゃないかと思うと、「やっぱ絶対にずるいな」と確信して眠るのだ。

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