お客さんと一緒に踊る
昨日は美女と野獣の舞台だった。
今シーズン初めての上演で、今月に後2箇所違う街で公演がある。
私達の街の劇場Teatrul National de opera si balet Oleg Danovskiでは
毎回温かい拍手で迎えられる。
昨日もスタンディングオーベーション。
客席に明かりがついた時、主役はお客さんだと思った。
毎回同じ場所に座ってるおばあちゃんが昨日も来ていた。
お客さんの雰囲気、それは舞台にダンサーにとっても大きな影響がある。
影響というより 一緒にこの空間を創っている共演者のような気持ちだ。
自分を信じて踊ろうとすることは、共演者、お客さんを信じて踊ることなんだなと思う。
その場を信頼して踊る。そこで起こることを受け入れる。
そうすれば、テクニック的な失敗も失敗ではないんだなと思う。
何かを信じきれなかった時の方が踊りが踊りで無くなってしまうんじゃないかと思う。
美女と野獣での私の衣装
今回の私の役は、演技をする場面が多く、毎回の掛け合いがその時その時で全然違うのでその場にどう存在するかに焦点を当てて踊ってみた。
この人格だったらどういう風に反応するか、それを感じながら演じることはとても楽しかった。
思いもよらない反応を自分がする時があって、私じゃない人格が一人歩きしているようだった。
踊り終わった後、ふと夏休みに地元のバレエ教室の発表会に参加したことを思い出した。
先生、友達、家族、後輩、沢山の人に囲まれた舞台は本当に温かく安心して踊れる場所だった。
踊りを家族に先生に届けれてよかった。
私はこうやって自分を観てくれる人達がいたから今まで踊り続けてこれたんだなと思った。
コンスタンツアの温かいお客さんたち
今シーズンも彼らと一緒に踊ることを楽しみに
毎回の舞台を味わいたい。