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2F/当番ノート

頑張りすぎ、頑なに張りすぎ

第46期

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もう身体中熱いから休ませて。

ねえ聞いてる? なげやりにバックスペース押したり、自信なさげに叩いたりすること多くない?私のこといつからシャットダウンしてないと思う? そう、私も覚えてない。おがげ様で処理速度遅くてさげぽよ。

ねえねえ、1つのメッセージを返すのに100点満点探してて疲れない? あちこちから情報集めて、正しそうなものを並べ、でもどこかしっくりこなくて、エンターキー押すのは億劫で、勇気振り絞って送信したときにはへとへと。

そんな自分を楽にするために、他の人のやりとりを見て、本を読んで、情報を厚めに集めて、「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせる。でも違和感はぬぐえなくて、うっすら継続的に不安。情報が足りないと、情報集めの時間をさらに増やして、消耗してエンター。

ちょっと頑張りすぎ。頑なに張り過ぎ。その場に身体固定したまま、努力しても、限りありみ。このままのやり方でやり過ごすのもう厳しそうじゃない? 大丈夫だから一旦休憩しよう。

「頑張らないとできないから、どうすればいいのか」と聞かれると、私もわからない。けど、ひとまず100点満点でありたい自分やめてみたら?というか100点が取れる1つの正解があると思ってない? もう言われ過ぎてうんざり大魔王かもしれないけど、たった1つの正解があるものはそこまで多くないよ。この情報を自分の外側に張ったり盾にするのではなくて、咀嚼して体内にインストールしてみて。これまでのやり方は諦めよう。評価されない自分の頑張りとお別れしよ。

私を虚ろな目で眺める時間は、おしまいにして自分が楽になる方法を考えよ。悩んで思いつかなかったら、頑張るとか、努力とか嫌いそうなのに目標はいつも達成している人に相談してみよ。やばい月並みなアドバイスしちゃったウケる。

じゃあ、もう身体中熱いから休ませて。パタンと閉じる前にシャットダウンして、お願い。私にもすこしやさしくしてね。お休み。

木村 和博

木村 和博

いきづらさに執着しつつ、おどおどしながら顔を上げはじめました。

1991年生まれ。
劇作家/編集者/ライター
2019年4月より平田オリザ氏が主宰する劇団”青年団”の演出部所属、今のところほとんど幽霊部員。

編集デザインファームinquire所属/NPO法人soar編集部メンバー。

Reviewed by
向坂 くじら

ものいわぬものに仮託されたことば。それはもともと、誰から誰へのことばだったんだろう。肩肘張ったあなたに、「休ませて」「やさしくして」と語りかけてきているのは、誰だろう。

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