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2F/当番ノート

分けあえるだけのやつがあったらいいか

当番ノート 第50期

「気づけばそうなっていた」ことについて書いてきたわけで。これはつまり衝動を扱ってきたということなんだろうと今になって思う。

衝動といって思い浮かぶのは、ボディペインティングのこと。写真を撮りたいと言ってもらって、これまで3度やることになった。

一度目は2019年10月の千葉の海にて。仕事が終わった後、海へ向かう電車に乗って1時間とちょっとの時間、揺られる。友人がセブンイレブンで買ったバスクチーズケーキをくれた。ベットサイドにはビール缶が置いてあった。こういうところが最高にセクシーな彼女。チーズケーキは次の日にとっておいて、それぞれの寝床で就寝したのが午前1時半ごろ。

数時間後目覚ましで起きて、暗いうちに海岸に行く。普段、脱ぐ仕事をしている彼女は、恥ずかしい恥ずかしいと言いながら砂浜で服を脱ぎ散らかす私を見て「すごいすごい」と褒めてくれる。

画家の彼女が調達してくれた絵の具は、透明のカップに入れられている。身体をなぞる絵筆。10月の夜明け後の風はなかなかに冷たく、息をすることで暖をとった。交代で絵の具を塗りあった。

”荒削りでも未完成でも、動き出す最初の一歩が、最初の情熱を綴ることがどれだけ尊いことか。そのためなら最初に動き出す理由なんて、なんだっていい。”という言葉があった。押し入れの奥に眠っていたノートにそう書いてあった。誰か偉い人の言葉をメモしたのかもしれない、あるいは熱が有り余った若い自分が書きなぐったものかもしれない。

躊躇する手、絵の具を介して触れる友人の身体。

初動の一歩。きっかけになったのは、京都で友人たちと開催した展示の会場の壁にあった写真だった。ベンチに座る人らしき身体、塗りたくられた絵の具の写真を見て、友人と「これをやろう」と大盛り上がりしたんだ。

動機が未来の何かに繋がるかなんて全く考えていなくて、動き出したその理由は「楽しそう」というただそれだけだった。絵の具を身体に塗りたくって写真を撮るなんて、楽しそうなことこの上ない。今だって、仕事に繋がってるわけでもない、特に有名にもならない、何にも繋がってない。

ただ、楽しかったね。それだけの記憶、

あたたかい バク

あたたかい バク

なぜだかどうして生きながらえている

Reviewed by
まどか

 いつの頃からか[ただワクワクするから]と言う原動力で動く事が、少なくなってしまっていた。 幼い頃はきっとそればかりが溢れてる世界だろと幼い姪を見て思う。
 好奇心が人の[時]を豊かにする、コレからもそれを楽しみたい。

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