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2F/当番ノート

ヨルダンで植物の調査研究と教育活動をしています

当番ノート 第50期

3週目の投稿ということで、簡単に自分自身とヨルダンの紹介をしたいと思います。

青年海外協力隊として2019年7月からヨルダンに派遣されています。海外で年を越すことは初めての経験でしたが、ヨルダンは日本に比べると年末年始のムードが薄く、特筆するイベントは無いまま2020年を迎えました。

ショッピングモールに行くと少しだけクリスマス気分を味わえます。

青年海外協力隊とは国際協力機構(JICA)の事業の一つです。志願者を募り、70日間の訓練の後、開発途上国へ派遣するというものです。私が派遣されているヨルダンは中東の一国で、隣国にはサウジアラビア、イラク、イスラエル、パレスチナ、シリアがあります。北海道より少し大きい土地に東京都より少し多い人口が暮らしている国です。国民の9割がムスリムで、お祈りの時間を伝えるアザーンが毎日響き渡ります。ワディ・ラムや死海など、独特な自然環境を活かした観光産業が盛んです。残念ながら現在は日本からヨルダンへの直行便は無く、ドバイやドーハを経由するルートが一般的です。

ワディ・ラムは「スターウォーズ」や「オデッセイ」のロケ地として知られています。

死海の塩分濃度は海水の8倍近くあり、身体が浮きます。

私が派遣されているのはヨルダンの首都アンマンの郊外にある植物園です。設立当初は植物の保全や調査研究を行う機関という位置づけでしたが、植物園の機能をヨルダンの国民やヨルダンを訪れる人々に理解してもらうことは重要なことであり、現在は一般公開に向けた準備も進めています。

私は植物に関する研究で修士号を取りました。肥料成分が不足した時、供給された時に、植物のからだの中で何が起きているのか、植物体を構成する細胞や分子に着目して解析していました。修士号取得後は商社で肥料原料の輸出入や、農業関連の新規技術の探索に携わる傍ら、自然科学系の博物館や自然保全のNPOでボランティアをしていました。

これらの経験を活かし、配属先の植物園ではヨルダンの植物の調査研究のサポートを行いつつ、一般公開に向けて植物園のリソースを活用した教育プログラムや展示を考えています。

青年海外協力隊の任期は原則2年間で、私は2019年7月から2021年7月までが任期になります。既に公になっていますが、新型コロナウイルスの影響を受け、青年海外協力隊は日本へ一時帰国することになりました。私も3月に帰国して、現在はオンラインでできることを粛々と進めています。

縁あってアパートメントに寄稿させていただけることになりました。1週目と2週目はヨルダンでの日常生活を切り取らせていただきました。引き続き、ヨルダンで生活を送るなかで印象に残った出来事を綴っていこうと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

Rami

Rami

JICA海外協力隊として2019年7月から中東の国ヨルダンで活動中。ヨルダンの野生植物の調査・保全および教育に携わっています。学生時代は植物が栄養欠乏に適応する仕組みについて研究し、その後は総合商社で肥料原料の輸出入に携わっていました。Rami(رامي)は現地での呼び名で、「投げる」「放つ」という意味。

Reviewed by
moto

大企業を辞めて単身ヨルダンに飛び、アンマンの植物園で働くということがどういうことなのか、僕には正直分からないが、それが「冒険」であるということだけは分かる。

ヨルダンには未だ名付けられていない植物があるという。ヨルダンに限らず、植物に限らず、世の中で我々が知っていることなど、ごく僅かでしかない。

新しい植物を見つけ、分類し、名付けること(藤原さんの仕事はそれだけではないはずだが)、つまり、人類の歴史始まって以来誰一人なし得たことのないことをなすということは、色んなものを投げ捨てても良いくらい魅力的なことなのだろう。

人が一生になしうることは少ない。そして、ヨルダンの植物園で働くという選択をすることも中々無いだろう。

あなたにとっての"ヨルダンの植物園"は、何だろうか。

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