ユニクロを着ることが多くなった。というより、365日全身ユニクロの気がする。
夏はUネックの半袖 T シャツ、冬はタートル、いよいよ寒くなればラムやカシミヤのニット。春と秋はコットンニットやリネンシャツ。ボトムはデニムを数本はきまわす。ってまさか3行で説明できてしまうとは。
なんでユニクロばっかりになったのかというと、それは気負わなくてすむから。価格も手頃だし、なによりあの、つるん、としたデザイン。装飾がほとんどないミニマルなデザインは、なにも考えずに着ることができる。ただでさえ仕事やら将来のことで頭がいっぱいだから、毎朝(もしくは前の日の晩)なにをどう着ようかとコーディネートに悩むのが、億劫になってしまった。そこへきてユニクロはシンプルで無味無臭だからコーデを考える必要がない。
でも、それと矛盾するように、本屋さんに行けば必ず『VOGUE』や『ELLE』や『ハーパース・バザー』を漁り、これは!と思えば買いさえする。ブランドの最新コレクション、セレブたちが着こなすオートクチュール。それらの繊細な刺繍や大胆なカッティング、縫い付けられた鳥の羽や散りばめられたスパンコール、薄く透けるオーガンジーの重なり、意表を突く色使い……。そんなものを眺めていると心は踊る。 Instagram でも、気づけばやたらファッションアカウントをフォローしている。
結局、洋服を着ること、「装うこと」への興味は尽きていない。
でも、毎日のコーディネートを考える気力はもう、ない。
堂々巡り。
だから、この連載で「装うこと」と向き合ってみたいと思う。「装うこと」は、なにが好きで、今どんな気分なのか、自分に問いかけることなんじゃないのかなと思っている。つまりユニクロが良い悪いではなく、いま私は自分と向き合うことをやめてしまっている。なにが好きで、いまどんな気分なのか。自分を見つめるために、これから「装うこと」を考えてみたい。
よければ、お付き合いいただければです。そして、記事を考えているなかターメリック色のネイルを、衝動買いしてしまった。