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2F/当番ノート

無意識に、煉瓦色②。

当番ノート 第54期

前回、煉瓦色が自然と集まってくるという話をしていた。よくよく見返すと、マニキュアや口紅、アイシャドウやマスカラまでも赤茶色というか赤褐色というか、赤と茶色の中間あたりの色が多い。意識的に集めているわけでは無く、気が付けば手が伸びている。

なんでだろう。

それはきっと、この色に安心感があるからかもしれない。

そしてこの安心感は「似合ってくれそう」な信頼感と、「大地」を連想する安定感からきていると思う。

私は黄身肌、イエローベースというやつ。だからか、鮮やかな赤だと肌から浮いてしまうことが多い。顔や手から、爪やまぶた、唇の色だけがぽっかり浮き出ている。これが苦手で落ち着かない。というより見ていられない。どちらかといえば、オレンジや黄色みがかった赤のほうが肌になじんでくれやすい。赤とオレンジで朱色、赤と黄色で茶色。赤茶色系を選べばまず大丈夫、と頭のどこかで思っているんだろう。

それから、リスクをなるべく避けたい性格、というのも影響していると思う。危険そうな橋は渡りたくない。石橋は叩き割りそうなレベルで叩く。現状維持万歳。想定外の出来事が苦手。思ってもないことが起こるとアワアワしてしまうから、とりあえず前例を見たり相談したりして考えうる想定外を想定し、もしもの時の相談先をいくつか確保しておく。かかりつけの先生にも、極度の心配性だと太鼓判を押されてしまっている(なんだか情けなくなってきた……)。だから安定しているほう、しっかりしているほうへと行きたい。それがどこか、動かないもの、固いものを求める気持ちへとつながっているのかもしれない。脳の片隅で「リスク回避したい=安定したい=動かないものがいい→地面→赤茶色」みたいな回路があるのかも……なんて若干のこじつけ感が否めないけれど。

これが理由の全てではないだろうし、きっとこれからも折りに触れて考えていくんだろう。けれどいったんの終止符として、無意識に煉瓦色を求めるのは、十中八九似合ってくれそうな色だから、そして大地を思わせる安定感を与えてくれるから、かな。

上峰子

上峰子

心象と印象。
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Reviewed by
雁屋優

人によって、安定を感じる色は違う。たとえば私は、緑や青。それが上さんには煉瓦色なのだ。

そうか、性格が装いにも出るのか。今まで、似合うと言われた色を優先的に身につけるくらいのことしか考えていなかったから、そこにも驚いた。似合ってさえいれば緑も青も煉瓦色も身につけていただろう私。好きに向き合ってきた上さんの強さを感じる。

好きな色って何なんだろう。似合うから好きとしか、考えてこなかった。ここにきて、似合う似合わないだけではない好きを問われている。似合う似合わないは置いておけるとしたら、私は黒が好き。

あなたにとっての煉瓦色は、何色ですか。

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