前回、煉瓦色が自然と集まってくるという話をしていた。よくよく見返すと、マニキュアや口紅、アイシャドウやマスカラまでも赤茶色というか赤褐色というか、赤と茶色の中間あたりの色が多い。意識的に集めているわけでは無く、気が付けば手が伸びている。
なんでだろう。
それはきっと、この色に安心感があるからかもしれない。
そしてこの安心感は「似合ってくれそう」な信頼感と、「大地」を連想する安定感からきていると思う。
私は黄身肌、イエローベースというやつ。だからか、鮮やかな赤だと肌から浮いてしまうことが多い。顔や手から、爪やまぶた、唇の色だけがぽっかり浮き出ている。これが苦手で落ち着かない。というより見ていられない。どちらかといえば、オレンジや黄色みがかった赤のほうが肌になじんでくれやすい。赤とオレンジで朱色、赤と黄色で茶色。赤茶色系を選べばまず大丈夫、と頭のどこかで思っているんだろう。
それから、リスクをなるべく避けたい性格、というのも影響していると思う。危険そうな橋は渡りたくない。石橋は叩き割りそうなレベルで叩く。現状維持万歳。想定外の出来事が苦手。思ってもないことが起こるとアワアワしてしまうから、とりあえず前例を見たり相談したりして考えうる想定外を想定し、もしもの時の相談先をいくつか確保しておく。かかりつけの先生にも、極度の心配性だと太鼓判を押されてしまっている(なんだか情けなくなってきた……)。だから安定しているほう、しっかりしているほうへと行きたい。それがどこか、動かないもの、固いものを求める気持ちへとつながっているのかもしれない。脳の片隅で「リスク回避したい=安定したい=動かないものがいい→地面→赤茶色」みたいな回路があるのかも……なんて若干のこじつけ感が否めないけれど。
これが理由の全てではないだろうし、きっとこれからも折りに触れて考えていくんだろう。けれどいったんの終止符として、無意識に煉瓦色を求めるのは、十中八九似合ってくれそうな色だから、そして大地を思わせる安定感を与えてくれるから、かな。