両隣り、できれば上下にご挨拶するのが引っ越しのマナー。
さて、短期滞在ではあるものの、入居して当番ノートを書かせていただけることになったのだから、しっかりご挨拶せねばならない。
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スズキコトハです。都内で勤め人をしています。誕生日は12月の射手座で、結婚・出産・キャリアアップという言葉に敏感なお年頃。血液型はB型です。
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出来心でカタカナで名前を検索してみると、詐欺師の方がスズキコトハ名義の口座を使って悪さをしているという情報が出てきた。断じて私ではないので安心していただきたい。
……特にこれといった特徴がない上に、しょっぱなからあまりいいイメージでない情報が紛れ込んでいる。
圧倒的無個性。
「やりますやります!! やりたいでーす!!」と転がり込んできたにもかかわらず、読んで得になるようなものは一切書けないことに気がついてしまった。
旅行もしないし映画も見ないし料理もしないし、創作活動なんてもってのほか。ナメクジとクモが出る1kアパートで、おしゃれとは程遠い雑多な生活をしているし。
なんなら実際引越した時の挨拶は、両隣に毎日居留守を使われて未遂に終わっている。
おっと、おしゃれで思い出した。サムネイルにできるような画像がない。
別の媒体からの「著者プロフィールに載せる写真を送ってほしい」という連絡を、写真が苦手という理由だけで無視し続ける不義理を働いてしまったこともある。
特段、趣味も主張もない。
だらだらと過ぎゆく現在の事や、未来の事を書くのは、明日の予想すらままならない私にとって、どうにも難しい。
困り果てて「アパートメントについて」というページを読んだらこんなことが書いてあった。
>世界とどのように関わっていきたいかを表現する場であるということです。
んん〜あまりにも無自覚かつ抽象的。
余計に深みにはまり、読まなきゃよかった……と後悔したのは管理人・そして他の居住者の方には秘密にしておきたい。
(シャカイノナカノジブン……)と呟きながら自身の行動を追うこと数日。移動中にやたらと看板や広告を読んでいることに気がついた。
小さい頃の「乗り物酔いしないように遠くの景色を見る」が習慣化して、日常にまで浸透したのだろう。
よし「外の世界との媒介となったものが言葉である!」と強引に言い張ることにしよう!
そういう経緯で、どこかで見聞きしたフレーズをタイトルに据えて、私が体験した事や考える事をつらつらと書いていくことにしたのだ。
幼児期にお姫様を目指していた時の話、就活中の事件、職場で謝罪マシンと化していること……etcを予定している。小難しい事は書かないし書けないので、どうか軽〜い気持ちで読んでほしい。
さあ、これからの連載、お口に合うかどうかもわかりませんし、大したものでもございません。
勢いで書ききる回もあるでしょう。
とにもかくにも、少しのあいだ間借りさせていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。