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当番ノート 第64期
◯18〜19歳のころのわたし センター試験に失敗しました。 『スピンアトップ・スピンアトップ』『フェーヤー?フェーヤー・・・・・・チョッ!』が悪かったと、出題された牧野信一の『地球儀』を恨んだ。今までやってきたことは何なんだったのか。実際には、高校入学当初から続き、特にこの1年間は拍車をかけてじりじりと感じ続けていた「勉強して、結果を出していかなければならない」という空気感に押しつぶされていた。気…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 一人暮らしはしんどいです。産まれた地からわざわざ離れて、すぐには帰れないくらいまで遠くへ来てしまった。そこで朝から晩まで働いて、疲れきって一人暮らしのアパートへ戻る。休日は平日のたまった家事をして、その延長で、以前から気になっていた部屋の一角を片付け出したらあっという間に日が暮れています。地元を出ることや、一人暮らしをすることは当たり前であるという認識だったのは、なんでなのでしょ…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 一人暮らしはしんどいです。最初は「わたしは自由だ」と誰にも止められずに、一人で思うように時間を使える生活に喜びをかみしめていましたが、その感覚が通り過ぎてしまってから一向にそれが戻ってくる気配はありません。わたしが望んでいたものは、こんなにも消費的で、軽々しい行為だったのでしょうか?言葉にできない、言葉にしたら身近な誰かでさえも傷つけてしまうであろうドス黒い感情が増幅し続け、それ…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ 借りたトムウェイツを聴きながら2号線のバイパスを走るのもこの2週間だけだろう。その後、わたしは仕事を辞めました。 永遠と思うほどに眠気と身体の怠さが続いていて、毎日指を折って数えて待ち続けた休みはただ寝るだけになっていました。行きたいところも浮かばず、今日あった仕事でのやりとりを脳内で繰り返し再生させてしまうので、力ずくでかき消すように貸してもらった映画を再生します。ベッドに横に…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ もうかれこれずっと眠いです。 起きているけれども、ふわふわ宙に浮いているようです。椅子にじっと座っているのであれば、目はただ開いているだけで、身体は静かに眠っているような、ちぐはぐな感覚がずっとあります。ただそこにいる、目を開いたまま眠っているわたしは、周りの人の声が急に迫ってきて、ふいにびっくりするのです。目を開いたまま、はっとする瞬間が何度もありました。 「あなたには合わない…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ ここのところ、毎日毎日どこかへ行っています。 様々なNPO法人の講演会、福祉分野のトークショー、はたまたまちづくりのお話などを聞きに行ったりしました。海の方へ向かえば、そこから個々に特徴のある島へお邪魔したり、山の方へ向かえばそこから田んぼを手伝わせてもらったりしました。 これは一人旅として、自分の生活圏外へ行って、手放しで楽しんでリラックスするというよりも、将来わたしはどうした…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ。 とうとう友だちと喧嘩をしました。 12月、各駅停車。忘年会ということにして、なかなか目的地にたどり着かない電車を当然のごとく選んで市内へ行き、鉄板焼きを食べに行きました。心を許すまでは分厚めな壁をつくりがちなわたしは、待ち合わせ場所で誰かに会うまで、少し緊張していました。合流してからは、その日は普段は話さないような人とも一緒になってその場所まで向かいました。片手で収まりきらない…
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当番ノート 第64期
18歳のわたしへ。 お元気ですか。 今日は4/2、わたしは香川に行ってきました。高松駅に降りた後、ひんやりとした改札口を抜け、駅の扉の方へ向かいます。開ききっている扉から、太陽の光とともに風がこちらに勢いよく吹いてきました。潮の香りがしました。 いつもGoogleマップで検索する係をしてくれる一人をあてにして、商店街だと思う方へ、こっちの方向やろとそこまで深く考えずに数人で向かう中、小さな川が流れ…
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当番ノート 第64期
◯はじめに 仕事休みの日曜日。休みの日だから早く目が覚めるはずなのに、ここしばらく段々と目が覚めるのが遅くなってきている。今回ばかりは本当に限界かなと、少し前は心から強く思っていたはずなのに、いつの間にか以前よりマシな心地で、こんな状況にやっぱり何も思わなくなってきてしまっている。 時間をつくって会議に行けば、わたしよりも上の立場で、同じかそれ以上の時間を拘束されながらも、私生活もしっかりやってい…