当番ノート 第2期
レゲエは聴かないがボブ・マーリーは好き。とか、タンゴは聴かないけどピアソラは好き。の、ような感じで、ジプシー音楽は知らないがタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの音楽はどこかで聴いたという人も少しはいるだろうか。もしあなたがジョニー・デップのファンなら、彼がこのバンドのファンを公言していることや、彼の出ている映画にもこのバンドが出演していることを知っているかもしれない。“Taraf de Haidouks…
当番ノート 第2期
畳の和室の隅に青い電球がチカチカ点滅する 小さなクリスマスツリーがある。 襖の鴨居には色紙を切ったわっかのモールが 画鋲でとめて飾ってある。 小学生の私が妹と2人、テレビを見ている。 その頃、クリスマスの日曜洋画劇場は なぜか決まって「猿の惑星」シリーズ。 ぱさぱさしたスポンジケーキ。 バタークリームでこしらえた 大きなピンク色のばらの花。 銀色の紙の三角帽子をかぶり、 私たちは甘すぎるケーキに胸…
当番ノート 第2期
最後に「さよなら」したのいつですか? ボクは広島、東京、デトロイトなど 引越しを10回以上しているので、 それなりの数の「さよなら」をしてきました。 それでも「さよなら」と言うのが上手になりません。 二度と会えなくても思い残すことがないくらい 言いたい事を全部言えた映画のような別れって記憶ってないです。 なんとなく「また、会えるよね」という感じで お茶を濁してきました。 ついさっきも「さよなら」し…
当番ノート 第2期
寒い夜の深夜。 いつも行くバーの窓から、少ないが味わい深いネオンを眺めつつお酒をちびちびと飲みながら「大人になってよかったこと」を考えた。 ゆらゆらと支え合いながら歩く老夫婦。チェーンに足を引っ掛け転ぶサラリーマン。笑いながら楽しそうに固まって歩く人々。 こんな深夜に街を歩く人は大人だけで、子どもは寝ている(はず)時間。まずそのことがいい。トイ・ストーリーのおもちゃたちのよう。 仕事が終わってひと…
当番ノート 第2期
今回は煙の話はお休みです。煙はすねてビニール袋をひきちぎり、私のベッドカバーに穴を開けました。 その昔、蔵王の麓の縁の下で野良猫が子を産みました。その中から我が家に迎え入れられたうちの一匹が白地に赤茶斑のある猫でした。小柄ですらっと見返り美人、これぞ日本猫というたたずまいに鍵尻尾も愛らしく、玉さん、玉さん、と可愛がられていました。年をとるにつれ、体は痩せ細っていきましたが反比例するかのように食欲は…
当番ノート 第2期
三年前、そよ風のように逝ったナナオサカキという詩人がいる。ちょうど「飯島愛 自殺」でメディアが震撼していた同じ日、目立たずひっそりと肉体を離れた本物のヒッピーで放浪詩人。鹿児島出身、身長170cm、体重60kg、時速6km。享年85歳。飯島愛の死は非常に痛々しく映ったが、ナナオサカキの死は、彼にくじ引きで天国が当たったようなニュースに受け取れた。同じ死というものがこれほど違う印象を与えることに、わ…
当番ノート 第2期
カメラ音痴で集団行動のできない私が、 カルチャーセンターの写真教室に通うことにした。 3人の子どもたちが幼児から少年として成長してゆく日々 ひたすら写真を撮っていたから。 そういう単純な動機から写真をもっと上手に撮りたいと・・ ・・実は全ッ然、思ってなかった。 その頃、私はどうにもならない現状を 何とかしたいと足掻いていたのだ。 しかしどこへ行ってどうすればよいか、あてもなかったのだった。 そして…
当番ノート 第2期
「すごい」 これを禁じ手としてます。 なんとなくバカになってきたような気がしたからです。 NBAの2011年ファイナルが殺人的に面白かった時、 「すごかったぁ!」 東京モーターショーでRX8の最後のモデルに座った時、 「すごいわぁ!」 子供の幼稚園のリレーで1位を取った時に、 「すごかったでしょ!」 このままだと、ジャイアント馬場だろうが、 村上春樹だろうが、マイケル・サンデルだろうが、 ボクはた…
当番ノート 第2期
昔、仕事を辞めてぶらぶらしていた時のこと。 わりと、ぎゅうぎゅうで働いていたものだから、時間があることに慣れていなかったし、ぽかんとできたその日々に焦ったりしていた。 時間は売りたいほどあった。 でも、まあなんとかなるだろうと開き直り、やりたかったことを今のうちにやろう(暇だし)!と決めてメモに書き起こし片っ端から手をつけた。 ちょうどその時DVDかなにかで観ていた映画「死ぬまでにしたい10のこと…
当番ノート 第2期
煙が来てからというもの、眠りの精は悲鳴を上げて逃げ去り、彼らが身にまとっていた闇色のドレスは煙に喰いちぎられ無残な姿をさらしている谷底の部屋へようこそ。煙の朝駆け夜討ちで私は慢性的な寝不足です。 黒猫といえば魔女。黒猫を飼うことになって、それでは私も魔女に成りすましましょうと一人ひそかな盛り上がりを見せていたのですが、ひきとった猫は黒猫と呼ぶには何かがおかしい。以前からこの猫の容姿はみすぼらし…
当番ノート 第2期
ひとの名前に興味がある。その字を聞いたり由来を聞いたり。 名前を聞いてその名前を背負ってきた人生に想いを巡らすのが好きなのだ。 先日、友人に面白い話を聞いた。彼がある日コンビニに行ったところ、レジの店員の名札に釘付けになったという話。その名札には「神」と記されていたそうな。この時代、神様も就職難でバイトしていても可笑しくはない。友人はお賽銭の渡し過ぎで「神」様からお釣りを受け取ったのかも知れぬ。は…
当番ノート 第2期
北欧のおんなのこtinaちゃんのお部屋。 北欧ログハウスの一室を そういうイメージで雑貨部屋に仕立てる。 tinaちゃんはもちろん「お洒落な北欧少女」なのである。 だけど、お部屋の片隅をよ~く見ると イスラームの王様のお人形や日本の昭和モノなんかが こっそり置いてあったりする。 ・・つまり、tinaちゃん、雑貨おたくなのだ(笑 ここにやってくるいろんなひとたちと モノをめぐって展開する話がおもしろ…