表題:とてもリラックス出来そうにないベッドだけど、すご〜く気持ちいいんだ
いつも申し訳無いと言いながら文章を載せているのですが、実のところ今月も気づいたら時間が経っており、またも最近の日記のような事を書きます。娘と公園に行くという事を書きつつ自分の事を書くという、今までに何度もアパートメントに散々書いた内容で、今までと違うのはせめて見た目だけでもちょっと違うようにしようと思いなぜか幾つかの章に分けた事です。本当に早くしっかりしたいです。ではよろしくお願いします!
日曜日、近場に出歩く
<第1章> 日曜日とはつまり、もうすぐ老年にさしかかりそうな中年の妻が同じく老年にさしかかる中年の夫に、ハンサムな男性が黄身と白身を素手で見事に分け(空中に卵を放り投げ、素手で卵を割りその瞬間既に黄身と白身を分けるパフォーマンスだ)、その分けた卵黄、卵白をそれぞれ別の紙袋に入れて売ってくれるという人気店に行きたいと言い、夫婦でその店に行き見事な手さばきで分けられた卵黄が入った紙袋、卵白が入った紙袋を購入し(1個の卵から分けられた卵黄と卵白だが、それらは卵黄卵白の合計2袋で¥1,000する)、家に帰り、卵黄が入った湿った紙袋と、あと卵白が入った湿ってベトベトになった紙袋から、1つのどんぶりもしくはボウルに卵黄と卵白を入れ、箸でよくかき混ぜ、2つの茶碗によそったご飯にかけて卵かけ御飯にして、何か卵かけ御飯にぴったりですという謳い文句の醤油をかけ、妻が「やっぱりあの店で分けてもらった卵はおいしいねえ」と言い、夫は「うまい、うまい」といって食べる。という事に似ている。
本日は日曜日、僕にとっては特別に不毛な日だ。仕事は休みなのに。大半の人も同じように感じているかもしれないが。
例えるなら、もうすぐ老年にさしかかりそうな中年の妻が同じく老年にさしかかる中年の夫に、ハンサムな男性が黄身と白身を素手で見事に分け(空中に卵を放り投げ、素手で卵を割りそのまま一瞬で黄身と白身を素手で分けるパフォーマンスだ)、その素手で分けた卵黄、卵白をそれぞれ別の紙袋に入れて売ってくれるという人気店に行きたいと言い、夫婦でその店に行き見事な手さばき、素手で分けられた卵黄が入った紙袋、卵白が入った紙袋を購入し(1個の卵から分けられた卵黄と卵白だが、それらは卵黄卵白の合計2袋で¥1,000する)、家に帰り、卵黄が入った湿った紙袋と、あと卵白が入った湿ってベトベトになった紙袋から、1つのどんぶりもしくはボウルに卵黄と卵白を入れ、箸でよくかき混ぜ、2つの茶碗によそったご飯にかけて卵かけ御飯にして、何か卵かけ御飯にぴったりですという謳い文句の醤油をかけ(普通の醤油よりちょっと高い)、妻が「やっぱりあの店で分けてもらった卵はおいしいねえ」と言い、夫は「うまい、うまい」といって食べる。という事とほとんど同じ気分。
つまり日曜日とは、老人になりかけのおじやんおばやん、つまり中年夫婦が黄身と白身を分けてくれるお兄さんのとてもはやっている黄身と白身を分ける専門の店に行って分けられた紙袋入りの卵黄、卵白を購入しそれを同じボールに入れ、ベトついた黄身が入っていた紙袋とすごくベトついた白身が入っていた紙袋をゴミ箱に捨て、卵黄卵白を混ぜ卵かけ御飯にして、うまいね、うまいうまいと言いながら食べている、というのとほとんど同じ悲しくて不毛な日なんだよ。しかし僕はそれが大好きだ。
3才になった娘と近所の公園に行く事になっていた。なぜ日曜日に近所の公園に行くのか。粗末な退屈な人間だからだ、他に行きたいところがない。娘も公園に行きたいと言っていた。まともな親であれば、娘が近所の公園に行きたいと言ってもそんな意見は耳に入れず、所有している車で、その車を法定速度をゆうに超える速度で運転し、もっと広大な自然広がるところ、山とか海とかなんか美味しいものがあったりとか、動物がいるところとか…もっとすごい公園とか、そんなところに連れて行くと思う。それか友達のホームパーティーに行くか友達をホームパーティーに呼ぶとか。僕は車を持っておらず、ホームパーティーはした事が無かった。季節は夏で快晴、とてつもなく暑かった。
お茶や、砂場セットなどを用意した。今から行く近所の公園は人工的な水が流れており、すごく浅い小川のような、沢みないな感じになっているところがあった。そこでパシャパシャ浅く流れる水を歩いたりとか水鉄砲したりして遊ぶので、着替えとか消火器を模して作られた水鉄砲も持って行った。
僕は準備が遅く、娘はだいぶしびれを切らしていた。準備が終わって、娘に何とか一服させて欲しいとお願いして一服し、うまいうまい、おいしいおいしいと思いながらたばこを吸った。口いっぱいにフルーティーかつ濃厚で甘くて苦い煙を頬張り、その煙をよく味わった後ゆっくり吐く事を20回くらいやって家を出た。
<第2章> 影を探して
公園に着いた。まず公園に着いたら僕は影を探さなくてはいけないと考えていた。とんでもなく日差しが暑いので、いち早く直射日光を避けないといけないと考えていたんだ。
しかし予想外に、公園は影だらけだった。
背の高い木がたくさん生えていて影でないところの方が、少なかった。影ばっかりで涼しかった。なんという事だ。
<第3章> 正確に質問に答えられない
さっそく、人工的なものすごく浅いくるぶしくらいまでの水位の沢で水をパシャパシャやって遊んだ。
座れる岩が何個かあった。僕は娘を見失わないようにたまに移動し、たまに岩に座り、また、たまに移動して別の岩に座ったりした。とにかく影が多くそよ風があり、足にはひんやりした水が流れて公園は意外にも涼しかった。娘は消火器を模した水鉄砲のおもちゃを持って、そのへんの岩に、
「火を消します」
と言って消火器のような水鉄砲で水をかけていた。そのような事を続けていると、同じく沢で子供と遊んでいた知らないお母さんが、「面白い水鉄砲ですね。どこに売っているんですか?」
と話しかけてくれた。僕は
「多分奥さんが100円均一で買ったって言ってたかなあ。なんか面白いですよねえ。多分100均です」
と言った。知らないお母さんは
「本当面白い形だね。面白い形…..」
と言って通り過ぎてくれた。
本当に100円均一で買ったのか分からなかった。僕は質問に答えられるような確かな情報を持っていなかった。誰かに質問される事がよくあるけど、いつも自分は確かな情報を持っておらず、「確か~だったかなあ」とか「うーんちょっと別の人に聞いてもらった方がいいかも」とか「恐らく~だけど違うかも」とかそんな答え方をしていた。
何事に対しても正確な情報を持っていない。僕はそれを少し気にしている。みんながみんな誰かに何かを質問している。ただ単に会話のきっかけとして、そして本当に情報を聞きたくて質問している場合もある。僕も誰かと話す時、何も教えてほしい訳でも無い時に何個も質問してしまう事がある。気をつけないと。
<第4章>砂場、そして主要なお婆さんの1人が現れる
娘は水遊びに満足し、
「父チャン、砂場行こうよ」
と言った。僕は
「いいねえ~!砂場、砂場行こう!」
と言った。
父ちゃんとの水遊びは退屈だったに違いない。僕がした事と言えば、娘が移動したら側に移動し、近くの岩に腰をかけるという事をずっとしており、ある時点で人工の沢のそばに看板が立っている事に気付き、看板には
「裸足だとガラスの破片等が水の中にある場合があるので、サンダルを履いて水に入って下さい。」
と書いてあったのだけど、僕と娘はサンダルを履いておらず、その時既に裸足になって20分ほどは経過していたのと、周囲には裸足の人とサンダルの人が入り乱れていたので、僕たちはこれからサンダルを履いた方がいいのかどうか迷って、
「あの看板には、ガラスとかで怪我したら危ないから、サンダルを履いて下さい。と書いてあるよ。」
と何の目的か分からない、何が言いたいか分からないようなただのお知らせを娘に言った。魂の抜けた人間の話す文章だ。
娘はそうなんだね!と言ってくれたがサンダルは履かない事にしたらしく、僕も娘にサンダルは履かせず、ガラスに気をつけて歩こうねェ、と伝えるという事くらいしかしてなかった。
僕は恐らく娘の遊び相手の中で楽しい人ランキング最下位に位置していた。もしお母ちゃんと公園に行ったならばたくさん遊びを提案してくれるだろうし、お母さん友達が何人かいるので、同年代の子供たちと遊べるので、すごく楽しいと思う。それに比べて僕は彼女にとってとてつもなく退屈だろう。僕はいつもニヤニヤしながら娘を眺めるか、一服させてくれと言うだけなのだから。
案の定砂場に行く前に一服したくなった。人工的な沢の先には沢の水が流れ込む鯉や亀のいる池があり、池の麓に屋根が付いていて灰皿が設置されている良い空間があった。娘に
「砂場行く前に一服させて」
と言った。娘は
「嫌だ。砂場が先なの」
と言った。僕は懇願した。
「とにかく父ちゃんに一服させておくれよ。池は鯉とか居て楽しいから一緒に見ようよ。お願いしますよ~。」
と言った。良いよと言ってくれる事も多いのだけど、ダメだった。当然だと思う。今すぐに砂場をやりたくて仕方無いのにタバコを吸うのを待つという事はとても辛い事だろうから。娘は、
「ダメ!嫌だ!」
と言った。僕は
「まじかよ!くそっ!しょうがないなあ!砂場に行きましょうぜ。砂場終わったら一緒に一服に行って下セイ」
と言った。
砂場はとっても暑いだろうと思っていたけど、意外にも砂場は全て木によって影になっていた。とても涼しかった。すごく快適だった。スコップとか色々入っている砂場セットを砂場に全て出し遊んだ。僕は砂利と砂を分けるザルのようなおもちゃを使い、砂を入れては振って、サラサラの砂を積み上げていき、とても大きなサラサラの砂のみで構成された山を作る事に熱中していた。高い山を作るのに、水で固めたりする必要は無いんだ。ただただザルを振ればいい。やがて砂場を埋め尽くすほどの円周を持った小高い山が出来るだろう。すごく順調で、僕は一定の早いリズムでザルを振りながら、積まれている砂に新しい砂が綺麗に、積まれている砂を少し攫って滑り落ちて山の底辺の円周の面積を広げていきほんのちょっとずつ高さも高くなっていく様子を楽しんでいた。すると娘が、
「イィィィィィー!!」と笑い叫びながら、僕のサラサラの砂のみで構成される山をおもちゃのブルドーザーで手荒に壊した。くそ!やられた!山を作るのはそれでやめた。
次はスコップで砂を叩き平らな道を作る事に専念した。何を作っているのと娘に言われた。高速道路を作っていると言った。娘は高速道路をたくさん作ってと言った。僕は高速道路をたくさん作った。
砂場の右側にベンチがあり、誰かの気配がして少し右側を見た。気づくとそこにはこの街の主要なおばあさんの1人が姿を現していた。
そのおばあさんは帽子を被っていて、スリムな体型で、いつもいいファッションをしていて、ある時は郵便ポスト、ある時は電柱に喋りかけ、またある時は歩いていて、電柱がある程度等間隔に訪れるたびに訪れた電柱1本1本に背中からもたれかかる。という事をしていた。なおかつ同年代のおじいさんと普通に日常会話をしさらにそのおじいさん達の会話を傾聴しながらもゆっくりと会話をリードする事も行なっていた。
その彼女が今僕と娘の前に現れ、ベンチに座ってゆっくりとタバコを吸っていた。僕もベンチでタバコを吸いたいと思った。一瞬目が合った。しかし僕は挨拶もせず砂場で高速道路と名付けた、ただ砂をスコップで平たく叩いたものを大量に作る作業に戻った。娘も高速道路と名付けた叩いた砂を作る事を自分なりにやってくれていた。
しかし目が合ったのに挨拶しないのはいけない事だ。初めましての誰かと目が合ったなら、柔らかな声で「ハロゥ」とか「こんにちはぁ」と言わなければならない。そうしないと、すごく僅かにその人との空気は悪くなる。にもかかわらず僕は引っ込み事案のためそれをいつも言えなかった。相手が言ってくれたらそれを言うか、軽く会釈するかしか出来なかった。
そういえば自分の外見を忘れていた。柔らかな声で「ハロゥ」とか「こんにちはぁ」とキモイおじやんが言っても良いのだろうか?一瞬自分の事を20代の日本に観光に来ている白人女性と勘違いしていた。
そしてふとまた右側のベンチを見ると、既にその主要なお婆さんの1人の姿は無くなっていた。僕は高速道路と名付けた平らな砂の塊を作るのをずっと辞めたいと思っていたので、娘に気づかれぬよう静かにそれを辞め、ただ砂場の縁に座る事をした。そして15分ほど何もせず座った後、満を持して娘に、
「池に行かない?父ちゃん一服したいんだ。池には鯉もいるし灰皿もあるからね。」
と言った。
娘は「いいよ!」
と言ってくれた。とても嬉しかったのでぼくはありがとうと言った。そして娘に砂場道具をまとめてもらい、僕たちは池に向かった。
<第5章> 池のほとり
ついに池のほとりに来た。
灰皿があった。ベンチが二つあった。そこは池にせり出すようになっている空間で、石造りの床があった。大きな屋根があって空間全部が影になっていた。池を見渡す事ができ、水中には鯉や亀、小さな魚が、岩の上には鴨がいた。そしてベンチのそばには硬くて平たいフォルムの黒い虫がお腹を見せて死んでしまっていた。
僕はタバコに火をつけて、うまいうまいと思いながら柔らかでフルーティーな甘くてビターなコクのある煙をお口いっぱいに頬張りゆっくりと吐き出す事をした。
それをしながら娘に、
「池を見て!亀や鯉や鴨さんがいるぞ!凄いな!」と言った。
娘は亀や鯉を見てくれて、鴨についてはまだその姿を発見できていないようだった。
「亀さん、バイバイ!」「亀さん、バイバイ!」「亀さん、バ~イバ~イ」と言っていた。
鯉にはバイバイと言ってなかった。娘は楽しそうに笑っていた。タバコを吸えて、なおかつ娘は笑っている。かなり良い状況に僕は嬉しかった。そしてタバコを吸い終わり、娘とベンチに座って二人でお茶を飲んだ。10分ほどして、僕は立ち上がりもう一本タバコを吸った。とにかくおいしい煙をゆっくりゆっくり頬張り吐いた。娘はベンチで休憩している。鴨の姿をまだ発見してないようだったので、僕は
「凄いぞ!岩の上に鴨さんいるぞ!」と娘に教えた。うまく見つけられて無い様子だったので、何度か鴨の方を指差して「あそこ、あそこ、そうそうそこそこそこ」と言って教えた。娘は無事鴨を発見出来たようで、
「鴨さんだねぇ~」
と言った。鴨を見てくれて嬉しかったけど、なんで鴨をそんなに見て欲しかったのか分からない。
タバコも吸えたし、鯉や亀、鴨も見てもらえたし、後は時間の許す限り池のほとりのベンチで時間の許す限り鯉、亀、鴨さんを見ようと思った。池の周囲には鮮やかな黄緑色をした葉っぱの木がたくさんあり、後は湿った黒い土、コンクリート、青空があった。日陰で涼しくお茶も持っているし、タバコも何本も持っており、実はコーヒーも持っててさっきから飲んでて、お腹も減っておらず、かなり最高な状況だった。
娘は唐突に池のさらに奥にあるすべり台に行こうと言った。僕はいいよ!行こう!と言って、腹を見せている黒い虫を指差し、ゴキブリさんが倒れているね。と言った。
倒れているだけでは無く、死んでいるに違いなかったが、死ぬという単語は使わないようにしていた。とっても怖いからだ。しかし娘は既に死ぬという単語を知っているらしかった。娘は看板が好きで、よく家の近所にある
「月極 駐車場空きあります 電話番号〇〇〇−〇〇〇〇−〇〇〇〇」
という看板を見たいとせがまれ何度も連れて行って見物していたのだけど、ある日いつものように看板を見たいと言われ連れて行くと、看板は無くなっていた。多分駐車場が埋まったのだと思う。曇りの日だったのだけど、その時娘は、「看板死んじゃったねぇ」「残念」と言っていた。つまり既に娘はどこからか死ぬという単語を知っていて使い方も合っているのだけど、僕が自分自身の手を汚した事のない軟弱者だったので死ぬという単語について非常にデリケートになっていたんだ。今後はきちんと死んでいる、お亡くなりになっている、逝去している、などちゃんと伝えないといけないかもしれない。そして死んだ後どうなるかとか、どういう状況で死ぬかとか、なぜ病気や事故に遭っていないのに寿命で死ぬかとかそれについて調べられる限りの何百通りの説からそれを中途半端に検閲し情報統制してそれをくぐり抜けた説をいちいち説明しなくてはならないかもしれない。なぜ中途半端に検閲し情報統制するか。僕は娘より優れた存在で教えたり心配したりする立場だと思っているからだ。物忘れがひどく思い込みがひどく人の言うことを聞けず(聴力に問題がないはずだがなぜかうまく聞き取れず、何度も聞き返すか、笑いながら頷いている)、期限を守れず楽ばかりするくせに疲れやすいのに?まるで優れられていない。頑張って優れないといけないと思う。でも頑張れないんだ。素晴らしく温度と湿度が良い秋になりかけの晴れた日にその日だけ時間は1000時間くらいに拡張され延滞している全ての事は返済された上で、ただ美味しいものを食べたり、眠ったり、タバコを吸ったりコーヒーを飲んだりしたい。ちょうど良く白樺があったりして白樺を眺めたりして、そして晴れた日だからと言って洗濯物とかは絶対に干したりしたくない。ベランダに行ったとしても洗濯物は絶対に干さない。皿も洗わない。そしてそのような感じの事を1日の時間が1000時間あるわけでもないのに温度と湿度が良いわけでもないのによくやってるので、現在色んな事を延滞してしまっているし体力も精神力も人格も弱いよ。
<第6章>影は探しておらず、滑り台で滑らず
僕と娘は滑り台のある空間についた。
もう僕は影を探してはおらず、滑り台に着いたが滑らなかった。他の場所と同じく滑り台の周りにもたくさんの木が生えていて影だらけだった。滑り台の滑るところの後半に鳥のうんちがついていた。だから滑らなかった。娘にも鳥のうんちがあると伝えた。娘も滑らない事にしたみたいだった。うんちは乾いているようだったけど、僕たち2人ともうんちを削ったり擦ったりせず滑らなかった。滑り台には階段や、ぶら下がれる棒がついていたので、それで遊んだ。僕は静かにベンチに座って、娘をしばらく見ていた。
その後娘もベンチに座ってくれて、一緒に近くに落ちているどんぐりを集めた。綺麗などんぐりと、腐ったどんぐりがあったので、腐ったどんぐりは放り投げた。
セミの抜け殻があった。僕は娘に虫を好きになって欲しいと思い、セミの抜け殻を拾っては
「セミの抜け殻だよ!ほら!触ってみて!」
と言った。アホ親のする事だ。僕は虫が怖いので、娘には虫が嫌いになって欲しく無いと思い、本当なら虫取り網を持って虫をたくさん捕まえて生きているセミを見せないといけないのに、そんな事は到底出来ず、セミの抜け殻を娘に撫でさせた。娘は優しいので嫌がりながらも触ってくれて、イィィィィと言いながら笑ってくれた。
娘が、これは虫さんの何?聞いたので僕は
「これは虫さんの服だよ。大きくなると服を脱ぐんだ」
と言った。アホ親のアホな説明だった。脱皮について、説明出来なかったんだ。多分脱皮は、服ではなかった。
虫と、血液、自分の循環器が怖い。どうにかしたいけど、多分ちょっとずつ虫を飼ったり触ったりとか、偶然何度か流血を伴う怪我をするとか運動をするとかで慣れるという方法しかないと思う。それだけでも凄く怖いので、絶対にそんな事は出来ず何ともならない。運動も怖い。運動したら運が悪ければ絶命するんではと思っている。安全な時間を過ごせば過ごすほど、心が弱くなっていくんだ。年中安心、安全な事しかしてないので、僕の心はティッシュペイパーのように弱いです。
そして僕は、いつのまに3つも拾っていたセミの抜け殻をどうすればいいか迷い、そのへんの木に3つ並べてひっかけた。
お腹が減ったので、娘にお腹すいたけど帰らない?と聞いた。娘も同意したので、家に帰ることにした。
最初に日曜日は不毛がどうとか書いたけど、日曜日はやっぱり気分が良くて楽しかった。とても良い状況も作れたし。娘ともお話できて最高。日曜日はすごく良い日でした。でもいついかなる時でも、不毛で退屈で悲しくて不安で寂しくなろうと思えばそうなるよね。特に誰かと話がすごく盛り上がって爆笑した時なんか特にそう。そういう時に限って自分が誰なのか、相手が誰なのか分からず、とても恐ろしくなったり。
<第7章>レンズポロリ
そして今日はもう次の土曜日、日曜日は先週の話だけど、自宅のパソコンの前でメガネの片方のレンズを何度かポロリと落としながら、この文書を書いて、そのレンズをまた何度かフレームにカポリとはめ込み、外に出るときはワンデイのコンタクトレンズを装着している。
玉ねぎ集まれ
座っている人と立っている人。結局のところ立っている人の方が、疲れるね