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do farmers in the dark(21)

Do farmers in the dark

空調のいいビル内。3人は赤い。植物を逆さまに飾るのがここの風習。モニターに写っている喫煙猿が懐かしい。あなたが恋しい。

今月はまたも近況と、展示のお知らせしたいだけの内容になってしまいました。すみません。ではよろしくお願いします!

猿が人と脳を埋めている。人は割と自発的に埋まりに行っているのか、頭から砂をかけられても全然平気な様子
変なモップ、変なモップがたくさんある。変なモップはこっちに来ないでくれ
グライダー
男女

近況

最近は本当に情けない生活。ささいな間違いをたくさんしてしまっている。常に何かにパニくりながらぼんやりしている。

実のところ何ヶ月も前から家族の目を盗んでは、ポータブルゲーム機でほとんど○ボタンを押しっぱなしにしても問題ないようなゲームソフトを遊んでいる。家族の死角、または家族の死角的な時間にてゲームをしている。割とレトロで中二的(オタッキィー)なグラフィックのRPGなんだけど、驚いた事に私は何百時間もこのゲームをしており、ほとんどの時間○ボタンを押しっぱなしにしている。

最近分かったがインターネットに繋がっておらず○ボタンをずっと押す類のゲームは、できればやらない方がいい。

そしてよくお手伝いをし、勉強もし、腹筋もできる、気遣いもできる自慢の私の娘に最近

「父ちゃんは影の人で、砂から出来てて、便器の形してるんだょゥ〜」

とからかわれた。娘はすごい爆笑してた。ちくしょう!いつか立派な人間になって、娘を見返してやるんだ!私は砂で出来た便器型の人間じゃない!でもその前に娘とたくさん遊でたくさん肩車しなくては。たしかに私は影みたいな砂の便器の影のような態度で過ごしてきたし、そういう便器のような態度で娘に接していたんだと思う。

そして私は

「何だよ!父ちゃんは便器じゃない!父ちゃんを絶対に便器って言うなっ!」

と言い返した。

あくる日娘は、私がプラスチックで出来ていると言っていた。

私はプラスティックって言うなと思ったけど自分が何で出来ているか説明できなかった。炭素か?炭素が一体どんなものなのか分からない。

そして次の日には父ちゃんはとにかく壁だけを見ていてと言っていた。

とにかく便器じゃない立派な人間になりたい。私の魂が正常で娘を安心させたり、寂しくさせたりせずに、ささいな願いを叶えられたら娘はきっと優しいだろう。

でもちょっと被害妄想だろうか。娘は良い意味で便器、良い意味でプラスティックと言ってたのかも。たしかにどちらも良いものには違いないから。

絵についてはひどい状態。なんだかすごく時間がかかるし、全然うまく描けない。絵の具を綺麗に塗りたいのだけど、そんな事は無理だ。

朝4時くらいに目覚める。すると左半身が痺れている。そして脈がすごく小さく遅いので、私は死ぬんじゃないかという恐怖で冷や汗が出る。呼吸が、呼吸がしづらいよ!息を吸い過ぎている気がする。心が弱すぎるんだ。

実際は健康そのもの。早足で歩けるし、重いものも持てるんだから。

早朝とか深夜とか就寝中のあるタイミングでは、病気をしてる人も病気してない人も歳とってる人も若者も一律に結構みんな死にそうで、うっかりそういう時間に目を醒ましてしまうとあんまり脈拍は無いんだろうな、だからいたって健康的という事を信じて、自分の恐怖心によって気絶してしまう危機を脱した。一度自分の恐怖心によって気絶した事があったが、その時はそれが馬鹿みたいで面白くて、私の話を聞いてくれる人全員に自分が自分の恐怖心によって気絶した事を話しまくっていた。

そして最近までファッションで丸坊主にしてたんだけど、テレビで頭皮が日焼けすると白髪が増えたりハゲると聞いたのでやめた。年齢かもしれないけど実際なんか白髪増えていたしハゲている気がする。

あと娘が、一緒におもちゃのマイクで歌ってるところを動画で撮ってあげると言ったので撮ってもらったら、動いている自分は想像以上に…キモかった。割と日に焼けている丸坊主の細身の丸メガネをかけた男性が、クネクネしながら口元に歪んだ笑みを浮かべ、恥ずかしそうにはにかみながら歌っていた。キモいとは思っていたんだけど、なんというか想像を絶する異常なキモさだった。

今まで勘違いしていた。何もそこまでとは思って無かったんだ。

動いている自分を視覚に捉えてくれた人達はほんと良く堪えてくれたと思う。こみ上げる笑いを。毎日になるとそれは怒りになると思う。みんなキモさを微笑みで返してくれて本当にありがとう。周りの人はすごい人ばかりだ。

そんなこんなで現在展示をしております。天気が悪そうだけど、もし良かったらよろしくお願いします!

展示詳細↓

木澤洋一作品展/空調のいいビル内。3人は赤い。植物を逆さまに飾るのがここの風習。モニターに写っている喫煙猿が懐かしい。あなたが恋しい。

<開催期間>

2020年9月8日(火)〜2020年9月13日(日)

11:00〜19:00まで ※最終日17:00まで

<場所>

キチジョウジギャラリー

〒181-0001

東京都三鷹市井の頭3-32-16 セブンスターマンション105

JR中央線/吉祥寺駅徒歩9分 京王井の頭線/井の頭公園駅徒歩1分

<展示概要>

家にある絵を、なるべく沢山展示します。キャンバスにアクリル絵の具で描いた作品が20点ほど、ボールペンで描いたドローイング作品を70〜100点ほど予定しています。

木澤 洋一

木澤 洋一

ふと思いついた事や気持ちいい事や、昼間に倒れてしまいたいような気持ちを絵にしています。

Reviewed by
細野 由季恵

木澤さんの作品タイトルは、長い。B'zのタイトルよりも長い。

『空調のいいビル内。3人は赤い。植物を逆さまに飾るのがここの風習。モニターに写っている喫煙猿が懐かしい。あなたが恋しい。』

『猿が人と脳を埋めている。人は割と自発的に埋まりに行っているのか、頭から砂をかけられても全然平気な様子』

『グライダー』、『男女』、『庭』。

(なんで突然短くなったんでしょう……)

それにあなたは、誰なのか。自発的に埋まりに行っている人は誰なのか。

木澤さんの作品に出てくる人物は、ちっとも感情が見えてこない。何をしてるのかもわからない。

ある人は痛そうなのに、楽しそうにも見える。ある場は怖そうだけど、楽しそうだ。

木澤さんがどんな人で、どんな気持ちで描いているのか。想像するのが好きだ。

“あくる日娘は、私がプラスチックで出来ていると言っていた。”

硬いようで柔らかく、暖かくも冷たくもない。

なるほど、木澤さんはプラスチックで出来ているのかもしれない。

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