かおりさん
東京はもう桜が散る頃かな。
いわきは、今日現在つぼみの時期。ふくらんでいるし、桜って「限界!」ってとこまでがまんして、ぽんと咲くから、きっともう満開の時期は近い。
むかし聞いた話で、へえ知らなかった!て思ったのがね、桜はすべての樹がおなじDNAなんだよって話。
1本の樹からはじまって、その樹から枝を分けて全国に広がっていったんだって話。
DNAがおなじだから、おなじ場所にいる桜はおなじタイミングで咲く。
ひとに例えると…とか考えたら、少し怖くなった。
私、足並み揃えてとか、必要以上に同列のものがちょっとうまくできないところがあって。
ともあれ、やはり桜はうつくしい。花びらがほうぼうに散るさまは、子どもが指1本でドレミとはじくピアノの音みたい。
花見をしなくちゃ、ピクニックシートを敷いて、ワインを飲んで、キッシュを今年は作るよ。
酔っ払ってちょっとセンチメンタルに、ちょっとぞんざいに桜を愛でたい。
こないださ、ざらばん紙はわらばん紙ってあれ、ほんとに全然知らなかったよ。けっこうびっくりした。
方言おもしろいね、はじめの語源はきっと一緒なのに、伝言ゲームみたいに響きはどんどん変わる。
うちの父親が話していた方言かもしれない言葉が、よく考えるとけっこう面白かったので書いてみるよ。
・ずうくじ (面倒くさがり)
・でれすけ (起きるのがおそかったり、ルーズみたいなこと)
・こうもり (傘)
・まるめる (樹の枝をくくること)
・そんちょ (抜けている)
この言葉たちを見ると、いかに私が父に怒られていたかがわかるね…。
そのとおりね…。たまに夢に出てきてまで怒られるよ。もうすぐ31歳なのに。
夢は、抗えないね。自分で夢ってわかる時があって、コントロール出来るかと思うけれど、夢のなかの私をうまく動かせず、自分を遠くから見ている。
最近はむかしの夢をよく観る。
通ったバーで、みんなで飲みながらマーヴィン・ゲイを聴いているところとか、父にキャンプに連れていってもらったときの場面とか。
ひとつ印象的だったのが、友だちと海でバーベキューをしながら騒いで、みんなで海のちかくの友だちの家に泊めてもらったときの夢。
そこは平屋で、風が吹いたら屋根とか飛んでいきそうなパタパタの家でね。
寝るためだけの家だから、庭もすごくそっけなくて殺風景で、たたみの部屋は障子が破れていて、ショートボードがごろっと置いてあって、はだか電球で、お風呂は木なの。
歩けば床はギーギー鳴るし、ほんとボロいの。広いだけ広くて、家賃は月4万円。
海はすぐそこで、波の音が聴こえたし、玄関はちゃんと締まらないからすきま風は夏でも冷たくて。
でも、みんなでどうでもいい話でげらげら笑って、「宝っ子2リットル」みたいな安いお酒飲んでまた酔って。
好きな人なんかもそのなかにいたりして、チラチラ見たりして、酔った勢いも粉々に散って、うまく話せなくて、ざこ寝して朝。
あーあって思うけど、それだけで良かった頃の夢。
その家もね、無くなっちゃったけど。
もしかしたら、あの頃の思い出は、ほんとに夢だったのかなって思うくらい、清々しいほど、きれいさっぱり無くなった。
その場所は豊間海岸といって有名なサーフスポットでね、防波堤に腰かけて、コーラとか飲みながら、地元のサーファーや海外から来たプロサーファーのすごい高い波乗りとか観たりして。
においとか、花火の跡。暑くてヒリヒリしたこととか、暮れる西陽の太い感じや、くるまをぶつけた駐車場とか。
触ることができそうなくらい、思い出がかたちで。
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アパートメントで、談話室もできたことだし、お題をひとつ作って、全員ひたすら方言で話す会をしようか今度。
なんか楽しそうじゃない。名産品自慢大会とか。ソウルフードを暴露する会とか。それ方言で話すの。
イワオさんが描いてくれた壁紙、ほんとに可愛くて、見るたびにニヤニヤしている。
ロゴもいいよね。むくむくしてて。
さて、月末にそちらに行くよ。
こないだ風邪ひいてキャンセルしちゃったしね。
いろいろ、話そう。
はるえ