こんにちは。アパートメント管理人室です。
アパートメントでは、8月10日までの期間限定で住人さんの作品を販売するマルシェを開催しています!
現在、作品を出品してくれているのは井川朋子さん、木澤洋一さん、ひろのはこさん、Maysa Tomikawaさん、三好愛さん、もうりひとみさん(五十音順)の6名。
今回は、その中から井川朋子さん、木澤洋一さん、ひろのはこさんのインタビューをお届け。制作の背景やイチオシの作品についてお話しいただきました。どれを買おうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■井川朋子さん
2019年10月から11月にかけて、当番ノートで連載をしてくれた井川さん。ご自身のこと、2014年に亡くなった井川さんのパートナーであり、書道家の石井誠さんのことなどを、大切に綴ってくれました。今回のマルシェでは、そんな石井さんの作品をはじめてグッズ化したものを出品してくれています。
Q1 作品を作るようになったきっかけは?
今回は、アパートメントにも書かせていただいた私の亡くなったパートナーであり書道家、石井誠の書作品を、初めてグッズ化することに挑戦しました。
石井誠の書作品の紹介はwebサイトの彼の言葉や記事等に譲ります。
今、彼が2014年11月11日に亡くなってから、長くて濃くて短い6年目。どう彼の作品に向き合うか葛藤の日々でした。大切だけど、彼よりは大切ではなくて、でかくて収集がついてなくて、ときどき投げ出したくなって、でも確実に素晴らしい魂のこもった生きている作品たち。
生の作品を観ていただく事も嬉しいですが、もっと日常の中で、肩肘張らずに傍に有る方法を模索していますが、その一つとしてTシャツを選びました。生と死が私たちとともに常にあるように。
Q2 作品を作るときのテーマや、意識していることを教えてください。
石井誠と私は、彼が生きている間、お互いの生き方や死生観、作品についてを分かち合っていたと思っています。でも、私は私、誠は誠。作品を展示する際にも、誠だったらどうするかということも考えますが、最近は、「私はどうしたいか?」ということを意識しています。
また、最近になって感じることが出来るようになった気持ちがあります。
毎日肌身に突き刺さるように死を感じていた誠との生活と/彼と死別してからの私の「生」の要素の強い生活。
以前の生活では、私も死を身近に感じているつもりでしたが、それはあくまで自分の死ではなく「誠の死」でした。
最近になってやっと作品を見返すなかで、誠の奥の魂からでたアートとしての作品を私は尊敬し、間違いなくスキだという気持ち。そして、死の怖さも作品世界の広さも、見れば見るほど、私はまだまだ生も死も全然わらないわ、という気持ちです。誠も悟って書いていたわけではないけれど。
・・こんな感じに、私自身が等身大で揺らぎ、自分の気持ちを大切にすることを意識しながら、石井誠作品のフィクサーであることを心がけています。
Q3 今回出品している作品のイチ押しを教えてください。何個挙げてくださっても構いません。
ぜんぶ。
でも、誠が亡くなる3日前に書いた「一」を着て、海で1人で一眼レフとスマホを駆使して撮ったセルフポートレイトが一番好きです。(Tシャツちゃうんかい)
試作段階で、老若男女問わず一番人気は「生きよ生きよ、生きてこそ を纏う」でした!本当に綺麗です。
■木澤洋一さん
アパートメントで長期にわたって連載を続けてくれている木澤さん。現在も「Do farmers in the dark」を隔月で連載中です。奇妙だけどどこかおかしみがあるその絵が気になっていた人も多いのでは?
今回は、その貴重な原画を出品してくれています。
Q1 作品を作るようになったきっかけは?
小さな頃、故郷で美しい山、沢、竹や、またはコンクリートで固められた穴だらけの山、コンクリートで固められた沢、排水から小川に流れるオレンジの液体、そしてその小川は沢になり気温により途絶えたり途絶えなかったり、そういうものを見て、感動するような風景の絵が描きたいと思ったのと、その他いくつかのきっかけがあり絵を描くようになりました。
そして現在、美しい山とかも描けないし、コンクリートとかも描くのが難しすぎて描けないし、風景とかも描いた事が無く、ここ何年も不毛な絵を描いています。
Q2 作品を作るときのテーマや、意識していることを教えてください。
なるべくかっこいい絵を描こうとしています。でも集中力が無さ過ぎて、もうどうしようもないです。
Q3 今回出品している作品のイチ押しを教えてください。何個挙げてくださっても構いません。
あまり自分の絵を押せなくてすみません。絵を描いた時期を記載します。
Closing worldというタイトルの絵は、アパートメントで何年も前に最初に連載させて頂いた時の絵です。
僕の精神はいい状態ではない。でも悪い状態では無いんだ、という絵もその頃の絵です。
南極という絵は10年くらい前の絵です。
他の絵は1か月前くらいの絵になります。
■ひろのはこさん
2016年2月から3月にかけて、手描きエッセイを連載してくれたひろのはこさん。自分の生活を、疲れやすく、不安になりやすい自分と相談しながら続けていくエッセイは、読みながら心がほっとする内容でした。今回は、ちぎり絵のポストカードとラッピングペーパーを出品してくれています。
Q1 作品を作るようになったきっかけは?
きっかけとは言えない気もしますが、自分のホームとして(制作に)ここに居てほしくて、作れる時に作ってる感じはあるかもしれないです。
私には、自分の思い通りに制作できない(というかうまく生活できない)時期が結構ありました。私は何も作らなくても生きていけるタイプの人間かもしれない、と思うこともあります。でも、何かを作ることで自分自身が救われたり、誰かとつながれたりしていることは確かで。また作れなくなっても、どうせここに戻ってくるんだろ?と思っている自分もいます。
Q2 作品を作るときのテーマや、意識していることを教えてください。
テーマは、経験や苦しんでいることなどの考察みたいなものが多いです。以前は、目の前にあるものの形が好きで描くことも多かったです。
意識していることというか、前提としてあるのは、ひとりで制作しきることです。人付き合いが得意ではないので、どうしてもそこを基準に考えてしまいます。
Q3 今回出品している作品のイチ押しを教えてください。何個挙げてくださっても構いません。
2点あって、どちらかというと、ラッピングペーパーの方でしょうか。同じテイストで描けと言われても描ける自信があんまりないので、レアな気がします。
住人さんの思いが詰まった作品がたくさんのマルシェ。ぜひ覗いてみてくださいね。
その他の作家さんのインタビューも近日中に公開予定です! こちらもお楽しみに。