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3F/長期滞在者&more

ひとり日記

長期滞在者

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 ひとりでいる時間が増え、本を読んだり、スマホをみたりという時間が増えた。縫い物や編み物をしたり、お掃除を今までより丁寧にしたり、ひとりでいる時間を充実させようとしている。自由だなと思うこともあるから、実のところ、自分が予想していたよりは寂しくは感じていないけれど、なにかが自分の人生からすっぽり失われてしあった感覚があって、それにはまだ慣れない。

 ひとりで生活するということは、自分で物事に責任を持つこと。すべての行いは、自分のもとに返ってくる。だから、家をきれいに整えておくことも精神状態を保つために大切だし、いくら面倒でもきちんとご飯をつくり、食べ、片付けてを繰り返すことも健康を保つのに大切だ。いっときの感情に流されたら、後から後悔するものです。

 生活で一番変わったことは、以前より長風呂になったこと。前は、長いことお風呂に浸かるのが苦痛で、15分も浸かれば十分と思っていたのだけれど、ひとりになってからは、その何倍もの時間を風呂場で過ごすようになった。スマホを防水ケースに入れて、お供として風呂場に持っていく。青空文庫で本を読みながらだったり、音楽を流しながらだったり。過ごし方はいろいろだけれど、じっくりお風呂に浸かるようにしていると、芯まで温まるので気持ちもいい。そのせいか、今までよりも入浴料が好きになった。

 でも、幸福であるという感じることは少なくなった。笑うことも。(まぁ、家に帰ってひとりで笑っていたらそれはそれで怖いけれど……)ただいましても、「おかえり」の声がないのはなんだか寂しい。ずっと二人暮らしだったから、変な感じがする。

 だから今は、また会える日を指折り数えている。スカイプやFacetimeは便利だし、大変お世話になっているけれど、わたしは欲張りだから、それだけでは満たされない。南西の空を毎日見上げては、どうか元気でいてくれと、地震が起きませんようにと祈っている。これほどはやく時間が過ぎたらいいのに、と思うことは久々だ。年末年始に会えることが、わたしの今の一番楽しみです。

(その前には、親知らずの抜歯入院があるので、正直言って不安なのだけれど、大人なので頑張ります。)

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

Reviewed by
owlman

「幸福であると感じることは少なくなった。笑うことも。」

長風呂になったのも、本を読むようになったのも、つまりは寂しい、ということなのだ。

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