長期滞在者
1. 別れと出会い。終わるという始まり。 一昨晩、24日夜に書き換え直した。 整理できなくなった。 記すのは落ち着いてからにする。 出会いより別れは衝撃的かつ直接的に感じやすいのが一貫している。 晒されるというか、カバーもフィルターも抜けてしまったというか。 対して、出会いは区切り目は設けない限り線を引けない。 引かないと見えにくい。 相当、シームレスであるように思える。 人の習慣に、記…
長期滞在者
今月の頭、社内で数少ない同い齢のTから「今月で会社を辞めることに決めたよ!休職の際は、色々アドバイスありがとう」と連絡が来た。 チームが違ったのに加え、もともとリモートワークが可能な会社であったために私が気付いたのはしばらく経ってからであったが、Tは年明けから出社する日数が減っていた。休みがちになっていたことを知った夜に連絡してみると、「社内にいるとドッと疲れが出てきてしまうが、それ以外の生活では…
長期滞在者
カメラは重力に従う。それが物理だ。ほっておけば落ちるものを、人は手放すまいと緊張したり、ストラップをかけたり、法則に逆らった努力をする。以前とあるギャラリーで若い男の子が珍しいレンズをつけたカメラを持っていたので「ちょっと覗かせてもらってもいいですか?」とお願いしたら「ちゃんとストラップ手に通してから持ってくださいね」と念を押された。以前誰かにカメラを落とされたのかもしれない。その慎重さに感心した…
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毎週教えに行っている学生たちと、Instagramのストーリーを使って「作品」ではなく、自分をプレゼンテーションする短い動画素材を作る実験をしています。 もともと、SNSの趣味的な投稿というのは、自分にとっては仕事の一部であって、プライベートで投稿(プライベートっぽく見せる投稿はある)したことがない事情もあって、インスタのタイムラインに保存されるタイル状のサムネイルこそ僕にとっては、情報発信の重要…
長期滞在者
先駆性!根源性!現在性! 最近の口癖である。 今年に入って多々再認識することがあり(7回以上は)、先週にもその体験が、、、 ひとり池袋駅から家へ帰る時、雨降る空を見ながら、「卑弥呼さんも聖徳太子さんも空海さんも、地球側から天空に顔を向けて思い耽ることをしていたのかな… 時間と空間を超えて似ていることをしている… 間接的にコミュニケーションできてありがたい… いま…
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布はフランス語でToile.女性名詞で、トワール、と読む. 自分の部屋を居心地好くするためには労力も時間も惜しまない性分だからか、持ち物が多い.とにかく引っ越しが多いのだけれど、どこの家に移っても、荷ほどきすれば、そこは私色の空間だ.フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、台湾、日本…各地から運び込まれたベッドリネンやクッション、カーテン、タッセル、テーブルクロス、ラグ、大小の花瓶、額縁、絵画やリト…
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8月。私はずっと、日本の夏は喪の季節だと思っていた。日本の歴史的にもそうだし、私の大好きだった祖父母も夏に死んだから。 夏には、蝉の鳴き声や空の色を眺めながら死について考える時間が必ずあった。それが今年はなかなか外に出ないせいか、季節感もないまま時間が過ぎている。何かが欠けている。 けれど欠けていることに違和感を持つのもおかしなことなのかもしれない。常に何かが欠けたまま、世界は動いているから。 た…
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3年ほど前から、タイヤが小さいながらも、なかなかにスピードが出る自転車に乗っている。 同居人の親友から譲り受けたものだが、サイズ感も手入れのしやすさも、凝り過ぎることなく自転車ライフを手頃に楽しみたい私にはぴったりであった。 また、偶然にも、チェーンロックの4桁の番号が私の誕生日と同じ番号であった。元々の持ち主が、とあるテクノユニットの片方のメンバーの誕生日をチェーンの解除番号にしていたようだが、…
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仕事帰りに夜の武庫川サイクルロードを走行中、僕の漕ぐ自転車の前を、何やら半透明の、灰色をした、大きさは20cm前後の、平たい何かが横切った。目の前数メートル、地上30~40cmくらいだろうか。武庫川の自転車道は夜は街灯も少ないのだが、少し上を並行して走る自動車用道路からライトが漏れてくる。向こうから車が通過するたびに明滅する路上で、暗いとはいっても、それが半透明で灰色、平たい、ということはわりとは…
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何年かぶりに夏休みを取りました。毎年のように今年こそは休もうかな、と思っていながらいつもは結局のこところギャラリーを開けてしまいます。 かつて、ギャラリーは、夏の間は長めのお休みを取るのが当たり前でした。 6月の終わりから、9月の中頃という、一昔前の大学生もびっくりという休業はそんなに珍しいことではありませんでした。作品の蒐集をする富裕層がバケーションの時期に開けていても作品は売れないから休む。嘘…
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半年、待っていた。 あまりにも家に篭りすぎていて、すっかり季節感をなくしていた8月。結婚披露宴やイベントの司会で、20年以上お世話になっている事務所からの仕事が半年ぶりに決まった。 3月に入ってから、この事務所からの仕事は全て延期か中止になった。8月の仕事も依頼があったものの、新型コロナウイルスの感染者の増加で、どうなることやらと気が気ではなかったが、無事に行われることになった。 久しぶりにスーツ…
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今月は今井くんが自室の部屋を大掃除。膨大な量の本や資料を電子化するという。裁断機やスキャナーが居間に並んで、ちょっとした工房のような雰囲気に。れいちゃんも裁断を手伝っている様子。私も服を大量に寄付したし、家にいる時間が長くなると環境を整えたくなるのは自然な流れなのだろうな。 家にいる時間が長くなってきたせいか、家に求めるものも増えてきている気がする。 もともと野菜やハーブを育てたいと思っていたけれ…