長期滞在者
展示スペースの中に入る手前に、もうひとつの小さな展示空間として「リコメンドウォール」というスペースを設けています。小伝馬町の移転後に新たに設けたスペースで、小さな棚と4.8mの壁を使って、毎月一人の作家さんを特集するというコンセプトです。 このスペースの良い点は、コンパクトなスペースゆえに、低予算でありながら、良質な作品を長期間にわたり展示することで、確実に作品のこと、作家さんのことをお伝えするこ…
長期滞在者
「音楽がわからなくなってしまうよ。」 極限まで落ちた。 身体が動かない。起き上がれない。朝も昼も夜も眠りの中にいるような状態。 「本当に自分を見失ってしまったら、音楽がわからなくなってしまうよ。」 それはいつも、最後の最後で、私を救う言葉だ。 飛び出した。ここにいたら自分が全てダメになってしまう。 そうだ、前から気になっていたバンドのライブを観に行こう。 その会場は、自分が通っていた大学の近くだっ…
長期滞在者
門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし ということで、イェーイ!2018年もご用心、ご用心! by 一休 メメントモリでも一応あけおめ〜。 やっぱり定番は座りが良い。 だから海老一染之助、染五郎師匠の 太神楽芸がもう見られないのは残念至極。 (それにしても2018年ってすげーな、なんか。 数字面がSFっぽい。) とか書いている今は実はクリスマス。 西洋のこの日は日本の大晦日のよう…
長期滞在者
だれにとっても、人生の節目になる年はある。わたしにとっては今年がそういう一年だった。仕事では大きな変化はなかったものの、私生活では大きな変化の連続だった。病気になったことや、それに伴って大きく生活習慣を変えたことは、今後の自分たちの生活の基盤になっていくようなできごとだった。 個人的なことにはなるけれど、発病、入院、退院後の生活を記録した「みずはいのちのみなもと」というシリーズをアパートメントで書…
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年の瀬の慌ただしさの中で2017年を振り返ると、その前と後で状況がまったく変わってしまうような大きなことが、本当にめまぐるしくあった一年だった。春には会社との雇用形態を変え、フリーランスとして仕事をはじめた。その直後に父が体調を崩し、あっという間に亡くなって、ほぼ絶縁状態になっていた母や姉達が久しぶりに顔を合わせた。恋人と同棲する家をじっくり探し、一緒に暮らしはじめた、など。 今年は後厄でもあった…
長期滞在者
僕はデジタルカメラのあのEVFというやつが、どうにも苦手である(EVF : 電子ビューファインダー = electronic viewfinder)。一眼レフならばカメラ内部のミラーに屈曲されているとはいえ、眼前の光景とタイムラグゼロのものがファインダーで見える。ミラーを介した反射光であっても、それは現実の光景とひとつながりの光である。ところが一眼レフではないデジタルカメラというのは、カメラ背面の…
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世界は平和じゃない。 さっきまでSkypeで話していた国でクーデターが起こった。 ほんの数分前まで楽しく会話をしていた、大好きな彼女が住む国での異変を伝えるBBCの速報に、私は青ざめた。 「今日の様子は?」 「大丈夫よ。私たちは変わることを願っている。」 「あなたの国が平和であることを祈っているわ。」 クーデターが起こってから。 私と彼女は連日この会話を繰り返した。 2017年11月20日。 「今…
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以前、自分の企画展ではオープニングパーティーをやらなくなった、という話を書いたことがあります。 移転した今年、ルーニィでは9本の展覧会を企画したのですが、オープニングパーティーはついに1度も開くことはなかったのです。美術館のパーティーと違って、私たちのオープニングパーティーは、業界の社交や情報交換の機会である以前に、良いお客様に集まって頂いて、確実に作品を売っていく重要な機会でもあります。もちろん…
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飛行機に乗ると、世界はなんて広いのだろうと思う。国際線なんか特に、ときに1万kmを超える膨大な距離を移動するあいだ、夜から朝へ、あるいは夜の領域を追いかけるように、飛行機の外では違う時間が流れている。 あるときには、機内食もとうに食べ終わって歯を磨き、明かりの消された機内で、ブランケットにくるまって、窓のカバーを開けて、外を眺めている。寒々とした夜空が見える。絨毯のように広がる、のっそりとして現実…
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初音ミクではなく、本人バージョンの「砂の惑星」(by米津玄師)が ずっと頭の中でヘビロテ再生中の今日この頃、すっかり寒くなりました。 ヒートテックのパッチが手放せません。寝るときの毛糸のソックスも必需です。 米津玄師といえば、DAOKOとの「打上花火」も菅田将暉との「灰色と青」も なかなか良いです。好きです。 そういう意味では「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が 気になっているところで…
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いかにも何か大事なことが書いてありそうな本。やわらかな質感の桃色の表紙に、ミントグリーンの太い帯が巻かれたその本を書店で見た時、まずそう思った。本の名前は『うしろめたさの人類学』。著者はエチオピアでのフィールドワークを続けながら、文化人類学を研究している松村圭一郎さん。個人的な感情である「うしろめたさ」と人類学が、どう結びつくのか。帯を見てもわかるようなわからないような……だったけれど、本の放つ説…