長期滞在者
土曜でもいいし、連休のなか日でもいい。とにかく、きょういちにち休日をめいっぱい味わって、気心の知れた友人たちと、夜ごはんを食べたりなんかしながらゆったりおしゃべりして、そろそろ終電に近いような時刻に帰宅している。明日もお休みだから、ちょっとくらい遅くなっても大丈夫。 休日の街の空気には、ざわざわした人の気配やおいしそうな匂いが混じっている。この空気を吸いこんでいるだけで、自分まで、どことなく有意義…
Mais ou Menos
———— まちゃんへ 最近、考え方を変えようと意識している。 先月は仕事もまだ慣れていないからかもしれんけど、気持ちが落ち込むことが多かった。自分なりに自分を見つめ直して、今までの自分の考え方のクセについて分析した。 まず、自分の性格の特徴としては、 1. 内向的なため、一人の時間が必要。 2. HSP (Highly Sensitive Perso…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
この連載のはじまりで、私が東京で最初に暮らしたアパートでの不思議な出会いに少し触れた。東京の外れの女子大に通う5人の女の子と、ひとりの初老の外国人の共同生活の話。最初このお話は「あっさりと語るべきだ」と思った。あまりに強烈な愛情と衝撃が渦巻いた、この時期を経て私は完全に違う生き物になってしまったと言わざるを得ないような時期の出来事だったから、その場にいなかった人も耳を傾けてくれるように「できるだけ…
Do farmers in the dark
まえがき〜 今回はすでに色んな人がとても多くの場所で書いたりしている、意識というテーマについて、より退屈でつまらなくした話を載せます。ではよろしくお願いします! ↑最近アジフライがとても食べたいです do farmers in the dark 第2話 意識を持った猿のおもちゃの電源を切った日 妻にミニバンを運転してもらい、僕は後部座席で意識を持った猿のおもちゃと戯れている。猿のおも…
長期滞在者
私はすぐに疲れる。大声を出す人間、人のことを平気で悪く言う人間、刺激的な音や色や情報、そういったものに触れるとげっそりしてしまう。 だからこの家の住人の親切心と自立具合、静かに営まれる生活に私はとても助けられていると思う。 誰かが私と同じように日々を生きている。その息遣いを感じるだけで、私はほっとする。 6月1日(金) そろそろ日付が変わる頃。家にいるのは今井君と昴君と私だけ。 今井君はかれこれ2…
お直しカフェ
こんばんは。はじめましての人が大半だろうに、でも身近な人や、遠く離れた友人にも読んでほしいなと思って、それでどちらかというと近況報告のような心持ちでこの連載を再びはじめます。毎月7日の更新。07でお直しの日だよと、恥ずかしげもなく意気込んでいます。 暮らしお直しの真っ最中です 昨年の当番ノートの終わりに宣言したとおり、年末に会社をやめて、家にいる時間や、福島で過ごす時間、遠くに出かける時間が増えま…
長期滞在者
さて、そろそろ夏である。 夏であるからにはもうすぐ休みを取り海に行くであろう。 おそらくそれは南仏あたりであったら素晴らしいであろう。 そして海パン一丁で海辺に寝そべったり、 そこに大きなタオルを羽織ったくらいの格好で海岸を徘徊したりするであろう。 今ちょうどそのための旅行計画などを立てているところなのだが、 特にそういったビーチ関連の状況を想定するたびに 前回取り上げた問題が心に引っかかるように…
日本のヤバい女の子
【7月のヤバい女の子/「あげまん」とヤバい女の子】 ● 炭焼長者の妻 ――――― 《炭焼長者(再婚型)》 東の長者と西の長者は仲が良かった。 長者の妻が揃って妊娠していたある日、二人は待ち合わせして馴染みの釣り場へ出かけていった。 流木を枕にして休憩しているうちに東の長者は眠り込んでしまう。西の長者が一人で起きて潮の様子を見ていると、どこからかボソボソと話し合う声が聞こえてきた。 見ると、自分たち…
長期滞在者
4月、わたしは小さな選択をした。ずっとやりたいと思ったことに、挑戦しないという選択だ。 挑戦をしないというのは、諦めのようでもあるし、成長を拒むような行為に思えるだろう。だけど、自分ときちんと向き合ったときに、今が挑戦のタイミングではないことは、自分自身がなによりも理解していた。今のわたしに必要なのは、新しい挑戦でなくて、今の自分の置かれている状況で、いかに健やかに生きていくかということだ。 わた…
ギャラリー・カラバコ
ある時ポストにこの部屋の地図と鍵が入っていた。 メッセージはなし。 ただ、「ギャラリー・カラバコ」 と。 宛名間違いだろうか? と封筒をじっと見てみたけれど、そこには確かにわたしの名前がある。 差出人の名前はなし。 ただのいたずらかもしれないけれど面白そう。 絵を見るのは嫌いじゃないし。 そう思って地図を辿ってみた。 とあるアパートの一角にそのギャラリーはあった。 鍵を開けると、ギャラリーらしい真…
長期滞在者
街に声を響かせるということは初めての経験だった。 2018年6月16日。 UNHCR駐日事務所、国連UNHCR協会主催「世界難民の日」 ソーシャル・アクション in 渋谷 #難民とともに。 6月20日の世界難民の日を前に、渋谷駅ハチ公前広場に、難民支援の現場でこれから使われる予定の最新型テントを設置。 テントの中に入って、避難生活を疑似体験することで難民について知る機会を設け、 オンライン署名や寄…
長期滞在者
ガードレールに挟まれた狭い歩道を通ってゆるい坂を登る。 左側に立つ電燈を過ぎると、自分の乗る自転車の影が右側のガードレール上に突然出現し、俊敏な黒い犬のように前方に駆け出して溶ける。 坂を登りきるまでに3つある電燈が、3匹の黒犬を走らせる。 毎夜通る坂道、毎夜見るガードレールだが、わかってはいても黒い犬の出現にはぞくぞくする。 昔読んだ漫画に出てきた、攻撃用に訓練された犬は世界最強だ、なんていうセ…