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2014.11.9 (日)
まちゃんへ
まちゃんと往復書簡を始めるに当たって、自分はまちゃんの文字を初めて見て、その文字のことをとても好きになったんやったな、ということを思い出した。自分は、こういうとおかしいと思われるかもしれないが、他人の文字を見るのが好きである。字を見ると、その人のことが見えるというか、文字には“その人”が表れるからである。だから、まちゃんの書くノートの手書きの“文字“を見て、ああこの人はすごくたくさんのことを乗り越えてきた人なんだな、と思った。直感で思った。そして、自分も文字とどこかが“似ている”とも思った。このとき思った直感は、あながち間違いではなかったのではないかと今になって思う。人の書く字を見て、この字を書く人はどんな人なんやろう、とか、逆に人を見て、この人はどんな字を書くんやろうとか考えるのが好きです。こういう紙が文字で埋まっていく様子を見るのも好きです。自分は昔に比べ、ずいぶんと自分の考えたことを文字にすることができるようになったのではないかと最近思います。ノートに書くときは溜まったどこにも持っていきようのない感情が多いのだけれど、自分の思考が文字として、現実に、目の前に現れることに対してすごく嬉しい気持ちになる。この文字たちには自分の”念”がこもっていて、それが一文字一文字生み出されていくわけやからね。書くことは苦しいことやねんけど、書かずにはいられないことがありすぎる……。
もちろん、楽しいことも書いていきたいです。私はゲームや映画がとにかく大好きなんやけれど、そういう話はあまり日常で他人とする機会は少ないので、いろいろ思っている熱い熱い思いを聞いてもらいたいです。ちなみに最近はまっているゲームはXboxの『ベヨネッタ』、映画だったらついに、ついに見ることができた『ホーリー・モーターズ』(レオス・カラックス監督)です。この両作品については次回語りたいです。是非聞いてね。
P
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Pちゃん
今日もお疲れ様です。久々にふたりで夕食を食べることができてすごく嬉しかった!ここ最近、台所に立ってもらうことも増えて、お弁当を自分で用意してもらえてるので、本当にたすかっています。
さて、Pちゃんのお便りを読んで、自分たちの出会いのことを改めて思い出してみたの。たしかに、すべての始まりは、ノートに書き続けていた鬱日記の写メだったねえ。わたしの字を見て、きっと何かを感じてくれたのだよね。あのときのわたしは、今思うとビックリするくらい混乱していて、不安定で、どうしようもなかった。ノートにドロドロとした行き場のない感情をぶちまけていた。そのほんの数行、そこからPちゃんが様々なものを汲みとってくれたんだよね。そう思うと、人の出会いって本当に不思議です。
ふたりが一緒になって、もうすぐで5年になる。前よりもずっとずっとず太く、強くなったわたしたちだけれど、今またこうたって文字でのやりとりができることが嬉しいです。わたしたちの日々は、とても普通で、良いこともあれば悪いこともある。どうよ?ときかれたら、ぼちぼちとしか言いようがないのだけれど、それでも生きていられること、共にいられることに感謝する日々です。
『ホーリー・モーターズ』、観ました。ドニ・ラヴァンがやっぱりすごく良いね。どんな話か聞いていたので、それほど???とならずに楽しめました。わたしが思ったことは、自分を演じること亡く生きることができたら本当にいいのに、ということです。わたしは無意識に自分を演じてしまうので、胸にチクリとくるものがありました。Pちゃんの前の自分のまま生きていける日がくることを望んでいます。努力していかないとだねぇ。Pちゃんの感想もぜひ聞かせてね。
Maysa
2014.11.11(火)