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Mais ou Menos #63 —裏でも表でもないわたしたちの往復書簡ー

Mais ou Menos

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ぴちゃん

明けましたね!2020年がスタートとなり、もうすでに半月がすぎようとしているのを思うと、すこしゾッとするね。

去年は私にとって、自分の病気や、これまでの生き方、考え方の癖と向き合う必要がある年でした。自分の心と体の状態をきちんと観察して、「無理しない」ことを学んだ一年になりました。今、これまでの人生で一番気持ちが楽なの。

自分の性格の良いところも悪いところも受け入れているし、過去のつらい経験も、そういうもんやと納得して、前進できていると思います。少し変な言い方だけれど、ようやく自分の過去、今、未来に対して、私にできる範囲で物事とむき合えばいいと思うようになりました。あきらめというとネガティブな印象だけれど、ある意味ではあきらめ、ある意味では、ありのままを見つめるような、そんな感じ。

私がこういうマインドになれたのも、病気になったこと、そして休職して、少し歩みのスピードをゆっくりにしたこと、なによりぴやフランシス(恩師)やかおり(親友)など、自分のことを絶えず愛して、サポートしてくれた人々のおかげだと思います。去年は、ああ、これでいいんだ、私は弱くて、泣き虫で、矛盾してて、複雑でいいんだって心の底とから思えたのがなによりの収穫です。

2020年は、生まれて初めておみくじで大吉をひいたし、厄年を抜けたので、今までとは違うパースペクティブで物事と向きあいつつ、前進していける気がします。己の良いところをありのまま、悪いところは反省しつつ、こういうところもあるよね、てへへ、みたいな感じで、自分にも他者にも優しく生きたいです。

自分でつくったものを、自信をもって人々に見てもらいたいし、私に書けるものをいろんな人に読んでもらいたい。下手にかざらず、日々、つつましやかに暮らしていきたいです。今年もきっと良い年にしようね。

アパートメントの新たな門出に合わせ、私たちも2020年にぐいぐい足をふみ入れていこう。

Maysa

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まちゃんへ

お手紙ありがとう!!2020年が始まった感じはまだ全然しいひんけど、新しい年が(自分にとっての)始まった気はします。

今までの生き方が、自分の意識しないところで無理していたことがわかったり、それによ
って今までなら我慢できていたことが我慢できなくなって、今自分の考え方を見つめ直している期間です。

この前、精神科の先生に言ってもらった「待つ」という言葉が結構頭の中に残っています。しんどい気持ちや不安な気持ちも、待つことでいずれなくなっていく。何でも常に先に先にやってしまう私にとって、今やっていること、休んでいることや考えすぎないようにすること、待つことも全て今までやっていたことと反対のことです。

確かに、今まで普通に意識せずやってきたことが、自分を苦しめてきたのなら、それの逆をやる、もしくは今までやっていなかったことをやらなくなると楽になるかもしれない。

悩み始めると、頭の中がすごくうるさい感覚があります。なかなか止めることができなくて、意識して行動を変えるなどやっています。すぐに解決策を探してしまうので、すぐにどうにかしなくては!とあせるのではなく「待つ」ことが今の自分には必要なことなんやと思うけど、じゃあどうやって「待てばいいの?」と考えてしまうので、今頭の中は実際混乱しています。

やれることだけやってみようと思います。正直「休む」というのも、どうやったら休めている状態なのかもわからへん。でも、休んでるんやということを受け入れたい。「この状態でいいんや」と自分にいっぱい言ってあげようと思います。

いつも気にかけてくれてありがとう。今年まちゃんのサポートできるように、体調整えていきますね。

まちゃんも体を第一にやってね。

P
2020.1.9

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

PQ

PQ

ゲームと映画が好きです。
国籍も性別もない。

Reviewed by
小沼 理

2020年と聞くと、ただ年が明けた以上に大きなものを感じて、少し構えてしまう。でも、それは過去を内省し、未来につなげていくためのほんの一地点だ。何かが変わっても、自分たちの生活を営み続ける二人の言葉が、そのことを知らせてくれます。

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