当番ノート 第36期
常に自分に課題を課す漢、それは私。 かれこれ3年間にわたり、毎日、1日1問の質問をし、答える。そんな課題を自分に課すと言う遊びをしている。 事の発端は「質問」と言う1冊の本との出会いだった。2014年の晩秋だった。 この本、開くと1ページに1つの質問だけが書いてあって、全部で365ページある。つまり365の質問が書いてある。答えはない、質問だけの本。とても潔い本である。 ちょうど年末に差し掛かって…
当番ノート 第36期
1995年の1月、立ち上げから3年間勤めた会社を辞めてフリーランスとしての第一歩を踏み出しました。 自分が舞台業界で暮らし続けていいのかを確かめたいというのが、フリーランスになった動機の根底にありました。 なので周囲の方や取引先の方に、フリーランスになったことを積極的には伝えていませんでした。 それで仕事がこなくなったら商売替えしてもいいやと覚悟を決めていました。 そしてどうなったかというと、会社…
日本のヤバい女の子
【1月のヤバい女の子/矛盾とヤバい女の子】 ●北山の狗の妻 ――――― 《北山の狗 、人を妻とする語(今昔物語 巻三十一/十五話)》 今となっては昔の話だが、京に一人の男がいた。ある時男は北山へ遊びに行った帰りに道に迷い、山の中で小さな庵にたどり着く。 声をかけると中から二十歳ばかりの美しい女が出てきた。突然の来訪者にたいそう驚いている。道が分からなくなって帰れない、今夜泊めてほしいと頼んだが、彼…
長期滞在者
門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし ということで、イェーイ!2018年もご用心、ご用心! by 一休 メメントモリでも一応あけおめ〜。 やっぱり定番は座りが良い。 だから海老一染之助、染五郎師匠の 太神楽芸がもう見られないのは残念至極。 (それにしても2018年ってすげーな、なんか。 数字面がSFっぽい。) とか書いている今は実はクリスマス。 西洋のこの日は日本の大晦日のよう…
当番ノート 第36期
photo by rika minoda 2014/5 in dogairisawa mashiko-cho tochigi pref. パーチクリン!! 何度、そう怒鳴られたことだろう。 中学2年のころ、週に数回、放課後を 学校の図書室の横にあった小さな小部屋で、小一時間を過ごしていた時期がある。 静かに読書をしていたわけでも自習をしていたわけでもなく、その小部…
長期滞在者
だれにとっても、人生の節目になる年はある。わたしにとっては今年がそういう一年だった。仕事では大きな変化はなかったものの、私生活では大きな変化の連続だった。病気になったことや、それに伴って大きく生活習慣を変えたことは、今後の自分たちの生活の基盤になっていくようなできごとだった。 個人的なことにはなるけれど、発病、入院、退院後の生活を記録した「みずはいのちのみなもと」というシリーズをアパートメントで書…
当番ノート 第36期
カナダへ来てからしばらく経って気付いて、愕然としたことがある。ここにはミニシアターが無い。 東京にいた頃、ミニシアターで映画を観るのは月に一回程度の習慣だった。人と一緒に行くこともたまにはあったけれど、一人になって映画を観に行き、余韻をぼうっと持ち帰るのは今思えば自分にとって大事な時間だった。 本当に好きな映画は何度でも観るのでDVDを買う。レンタルして観ることもよくあるし、大きい映画館にも時々は…
当番ノート 第36期
昼下がりのジャーマンベーカリー。メガネをかけた坊主頭が、くわえ煙草で目の前の席に座った。 読書中の私。他にも席はたくさん空いてるっていうのに。 タバコをふかしながら話し始めようとする彼に、一緒に座るならその臭いのを消すように言うと「これは自分で買ったんじゃなくて人からもらったんだ」とぶつぶつ言いながらもみ消した。 「日本人?ここに住んでるの?」と質問をされ、しばらく滞在して近くのスタジオで絵を描い…
長期滞在者
年の瀬の慌ただしさの中で2017年を振り返ると、その前と後で状況がまったく変わってしまうような大きなことが、本当にめまぐるしくあった一年だった。春には会社との雇用形態を変え、フリーランスとして仕事をはじめた。その直後に父が体調を崩し、あっという間に亡くなって、ほぼ絶縁状態になっていた母や姉達が久しぶりに顔を合わせた。恋人と同棲する家をじっくり探し、一緒に暮らしはじめた、など。 今年は後厄でもあった…
当番ノート 第36期
蕎麦っ食いな私。 そんな私が住まいしているのは、長野県上田市。 そう、言わずと知れた蕎麦処・信州。 しかし、そんな蕎麦処・信州に居を移してから、蕎麦を食べる機会が激減した。皮肉な悲劇である。 では、何故そのような悲劇が起きたのか? それは長野県が車社会だからである。車社会とは主たる移動手段が自家用車の社会の事である。 どこに行くにも車で、バスや電車などの公共交通はほぼ利用しない。我が上田市も公共交…
当番ノート 第36期
大学5年生の秋に、サークルの先輩たちと会社を立ち上げました。 メンバーは全員が20代で、先輩方はそれぞれフリーランスの照明家として活躍していました。 それまでもお互いしょっちゅう一緒に仕事をしていて、気心の知れたメンバーでした。 経営とかビジネスとかなにも分かっていませんでしたが、会社を作るにあたって少なくともぼくにはそんなに不安はありませんでした。 それぞれがフリーランスでやっていけてるメンバー…
当番ノート 第36期
photo by rika minoda 2017/4 in tokushima pref.kamiyama-cho 好きとか嫌いとか、相性が合うとか合わないとかそういうことの、その前に、 とにかくキミとは向き合いたくないのよね。 中学1年の後半くらいから、次第に私の方…