当番ノート 第31期
舞台上で、どの様な在り方で音を発するのか。 舞台作品への音楽家としての関わりの中では、舞台への楽曲提供以外にも劇場公演に生演奏で参加する事が少なからずあって、当然、作品によって扱いも変わる。演者と並んで舞台に居たり、作品の伴奏者の様に舞台の脇に居たり、舞台には演者のみで演奏者はピットの中に納まっていたり、等々。観客の目に触れる立場という点では、音源を編み演出家に渡す「スタッフ」というよ…
当番ノート 第31期
染色を始めたころ、科学染料ではない植物性の染料は動物性の布(絹やウール)と相性がよいということを知り、では布ではなく、皮は同じ方法で染められるのか、染めたらどうなるだろうとずっと気になっていました。皮は紛れもなく動物性なのですから、草木染めと相性はよいはず。思いつくとやってみたくてウズウズするのですが、染めるための皮がないし。。。ということでしばらくお預けになっていたのですが。。。 ふと皮製のリュ…
当番ノート 第31期
飛行機を降りると、適度に湿気を帯びた南国の空気が迎えてくれた。 到着した僕を待っていたのは、ハイビスカスの花や貝殻で出来たレイを持っている現地の人達。 なんだかベタな展開過ぎて、それはもう笑ってしまうくらいに。 まずはレンタカーを借りに、HERTZのカウンターへ。 慣れない英語を駆使して車を借りたら、ひとまずこれから5日間滞在するホテルへ向かった。 車に乗り込んでエンジンをかけたら、とりあえずラジ…
当番ノート 第31期
自分のペースを保ち続ける。これがなかなかに難しい。食料の分だけ重さが変わっていく荷物を背負い、砂漠や山岳で毎日走っていると、自分のペースといいうのが時折分からなくなる。 もちろん疲労感や呼吸、発汗など体からのサインはあるので、それを基にする。それでも、頭で今日のペースはこれくらいと予測していたら、余力を残しすぎてしっかり走り切れていないということもあった。去年走ったナミブ砂漠の大会でのことだ。ペー…
当番ノート 第31期
なかなか寝つけない夜には、血液が自分の体内をめぐる動きを感じる。静かに、ゆっくり、トッ…トッ…と音がするような。血液についてこんなことを考えているうちは、まだ眠りに落ちることはできないだろうな…なんてぼんやり思いつつ、眠気の糸口を掴まえるために、ひっそりと呼吸をしながら横たわる。 眠ろうとすると、眠れないという事実に失望を抱いてしまい、心臓の鼓動が早くなって頭が覚醒し、かえって眠りからは遠ざかる。…
当番ノート 第31期
前回に引き続き、今回もまた映画と映画館の話。 私の今までの人生の中で一番映画館に通ったのは、中学から高校にかけてだった。特に、中学2年の夏休みには、40日間の休みの間に、20本の映画を見に行った(と記憶している)。2本立てや3本立てもあったので、映画館には10回くらいは行ったと思う。 そして高校に入ると、渋谷や三軒茶屋に留まらず、銀座や有楽町の映画館にも行くようになった。また、早稲田や目黒の名画座…
the power sink
表題:昼下がりにパイプを叩く人のイメージを見るんだ 今回も絵を載せます。最近の自分はというと早く春になって欲しいと思いながら、服を厚着してご飯をたくさん食べてしまっています。ではよろしくお願いします! とても大きな筆の前で2人の絵描き達が何か話している。けれどもこれは幻想の中の絵描きで、確かに小学校の時に絵描きはほとんど裸でだらしない格好をして、だいたい口を開けている動…
当番ノート 第31期
ダンサーは、自らの身体で奏でる。 サキソフォンの即興演奏をするようになったほぼ同時期から、知人の声掛け等を介してダンス、演劇など、グループや作品単位で舞台作品への演奏参加をしていた。様々な舞台人達との関わりを続ける中、割と早い段階で、自分の自主的な活動の軸として組みする相手として、コンテンポラリーダンスシーンに居るダンサー達を強く求めているということが解かって来た。 ダンサー達…
長期滞在者
三週間ほど前に日本からブリュッセルに帰ってきた。 毎度のことながら、戻ってから一週間ほどは、時差ボケ、文化差ボケ、天候差ボケに悩まされた。 実感からすると、大まかに言って、時差は体調に、文化差は思調に、天候差は感調に影響する。 もちろんそれらは大体において三つ巴になってぐるぐるするわけだけど、 この復調するまでの感じは、大体においてミゼラブルというか、 メランコリアというか、基本的にあまり好ましい…
当番ノート 第31期
好きな色は?と聞かれるとたくさんありすぎて困ってしまいます。翡翠の緑色も好きだし、渋い樹脂の灰色も好きだし、バラの深紅色も好きだし、南の島の海のいろいろな青色も好きだし、冬の海の色も好きだし、、、でも、何色であろうと半透明には無条件に惹かれます。磨り硝子、雨の日の曇った窓、トレーシングペーパー、そんなものを通して向こうを見ると、見えるようで見えない不思議さと、ものの輪郭がぼやける感覚になぜかとても…
当番ノート 第31期
大学院生だった頃の僕には、学校帰りに一人でよく行く映画館があった。 郊外のショッピングモールに入っていた映画館で、いわゆるシネコンてやつだ。 大学から車で30分くらいの距離が考え事をするのに丁度良く、わざわざそこまで出かけていたのを覚えている。 これは学部生の頃からの週間みたいなもので、18時に終わる講義を受けていた僕らは、授業後にレイトショーを見に行っていた。皆はどうか分からないが、月に一度のそ…
当番ノート 第31期
ひとはよく迷う。道迷いはもとより、会話においてもだ。 話題が迷走するのである。たちが悪いことに話している当人は迷っていることに気づかないことがしばしばある。 よく分からない結論にいたってようやく我に返り、はたと思う。 僕はなんの話をしていたのだろう。 相手の表情を見るに、こんな話をしたかったわけではなさそうだ。そして理解する。 僕は会話迷子だったのだ。 「泣いて馬謖を斬る」という故事に始まり、董卓…