当番ノート 第55期
雷がすごかったね、お気に入りのスニーカを洗ったんだ、久しぶりに歌をたくさん歌ったんだ、あのねあのね、と息ができなくなるくらいに言葉を次々と発してたらしい少女の自分。その様子をおばあちゃんが笑い皺を作りながら言っていたことを思い出しながら絵の方向がどんどんわからなくなった。 たった7日間、ずいぶんと思ったことがあって、ここで手紙のように伝えたかったんだと思う。もっとわかりやすくまとめなきゃと慌てる。…
当番ノート 第55期
駅中にあるフレッシュフルーツを使ったミックスジュースは特別で、それを自分が飲みたい時に飲めるようになった時、大人になったんだなって思った。 髪色を明るくしてから、街で色んな人に声をかけられるようになったけれど、髪色変えたくらいで生まれた関係はやっぱり大したことなかった。 夜中の空いている電車でやること。目をつぶり、体の力をできるだけぬいて、浮き輪に乗り水の上で浮いてるこ…
当番ノート 第55期
千葉の実家を出たのは、横浜にある大学院に通い始める時だった。家事もほぼせず、家族に甘えて暮らしてきた私にしては、自分でも意外なほど、その出発はあっさりとしたものだった。 本来なら「一人でやっていけるのだろうか」「寂しさにうちのめされないかな」などと考えそうなのになぁ? そうだ、私はすでに「実家を出た」経験をしたんだった。 新宿の輝く街を見下ろしながら、大学病院で入院を半年間、さらに一ヶ月間の入院を…
当番ノート 第55期
>>通過儀礼6日目 友人Kが結婚した。大学時代のサークルで知り合った、ちょっとした悪友である。いや、私が勝手にそう思っているだけで、本人はただの同期だと思っているかもしれないが。「私たち友達よね」とかいちいち確認しないので、お互いにとっての関係性はきっと一生不明だろう。 先日、めでたく結婚式も行われたとのこと。コロナもあってか特に出席するような感じではなかったし、あまりしっかりお祝いす…
長期滞在者
部屋にこもって生活していると、それまでは何気なく見ていた出来事が大きく見える。誰かが居間にいる気配。音や匂い。誰かとご飯を食べることの「特別感」。 外に出れば咲いている花や温かさに敏感になる。 近頃、日記を書くことは写真を撮ることに近いように思う。残しておきたい、忘れたくないという気持ちが私のなかで連綿と続く。 家のなかにいても春の訪れを感じることを覚えておきたい。 2月1日(月) 深夜、お弁当の…
Do farmers in the dark
毎回すいません。今月もすごくどうでもいい事を書いています。とにかくユーモアのセンスが無いんだ。常軌を逸したつまらない人間。一年中誰にも気の利いた事言ってない。あいづちしか打ってないよ。「ホー」や「ホンホン」や「アッ」「そうスネ」「スイマセ」しか言ってない。どうか許して欲しい。でも歩いたり、ご飯を食べたり、寝たり、タバコを吸ったりで自分自身はそれなりに楽しく生活できています。クソぅ!ではよろしくお願…
当番ノート 第55期
軽いバイトには落ち、既卒ニート・フリーター向けの就職エージェントには「服薬・通院中の方は受け付けていません」と門前払いにされた私の精神的な打撃は大きく、できることなら今回のテーマは「生きることの苦しさ」とか「障害は社会の側にある話」とかにしたい。 でもそれは自分の心を抉って出た血で字を書くようなものなので、あえて関係ないことを話題にしようと思う。 ちょっとしたインフルエンサーにまで進化しそうな母の…
当番ノート 第55期
物理的な道でも、心理的な道でも、どこかへ進もうと思うと、やれ段差につまづくやら、思ってもいなかったことで苦しい思いをするやら。道端のねこがかわいかったり、カフェや本屋に目移りしたり、だからケガするのになあ。 時には自分で思ってもいない、とんでもない道に「ほいっ!」と掛け声をかけて飛び移ってみたりする。またケガするかもなあ、と思いながら、今までの傷をちょっとずつ縫ったりひとやすみしたり、もっと、そう…
当番ノート 第55期
銀座って四角い。 大きな四角い箱の中に、様々な四角を上手にはめ込んで出来ている。積み木を箱の中に戻す時みたいに、まず大きいものを詰めてから、できた隙間に小さなパーツをはめていく。銀座は、なんとなくそうやって作られていうような感じがする。一度そう思ってしまうと視界に入るもの全てが四角ばかりになって、歩いている時の体感も小さいころ兄がやってたRPGゲームのキャラクターになったみたいになってくる。 先日…
当番ノート 第55期
mopokaです。ただただ「恥ずかしい」ただただ「晒したい」。 何でも言いたいし、素直に受け止めたい。のに、あぁ恥ずかしい。 スタイは、よだれを垂らした時に、その存在が輝く。素直によだれを垂らしたい。デレっと口元を緩ませたい。 前を向いてない気がする。だから、前を向いてる絵をかいた。 けど、色が暗かった。photoshopで色を明るくしたら、あーこの感じステキだねぇって、明るい気持ちになった。 デ…
当番ノート 第55期
>>通過儀礼5日目 先週末、寝込んでいた。発熱したとかではなくて、右目が腫れた、ものもらいだった。 ものもらいぐらいで寝込むなよ……とは我ながら思うが、結構症状がひどくて、汚い話、黄色い汁が目からずっと垂れていて、まぶたの際で固まり、目が開かない状態が続いていた。 むりやりはがすと、かさぶたをひっぺがした時のように決壊してふたたび汁が垂れ、ぐじゅぐじゅとしたものが睫毛にまとわりつくので…
当番ノート 第55期
言うならば金のない有閑マダムのような生活をしている。だだっぴろいのっぺりとした平野が広がっているような私の日常は一言で言えば暇で、月2回ほどライターの案件の仕事をこなしていると言えど、それ以外は家事・動画鑑賞・散歩や読書などに費やされ、無為に時間を過ごしている気がしてならない。NetflixやYoutubeの巡回中に、膨大な選択肢から自分の観たいものを見つけられない時など、私って今社会的に死んでる…