当番ノート 第11期
星がきれいだった だからわた この道はタバコを吸ってはダメです って、 そういうふうに言われたら 嫌いなタバコをもくもく吸って歩きたい 持っているゴミをばら撒きながら歩きたい し そういう気分 わたし酔っぱらって 寝過ごしてしまって、 降りたこともない駅で、 普段ならタクシーに乗ってしまうんだけど 2時間も歩けば家に着くだろ…
当番ノート 第11期
たどり着けない振動で回り続けるクリック。 目を覚ますとそこにはたどり着けない。 目を覚ます前。 開闢のネグレクト。 眠りに就くとは、目を覚ます。 バスの中のバス停でバスを待つ。 夢そっくりな現実が夢だった。 瘡蓋から流れるタイムライン。 鞄の中の階段を上り、二階にまつわるいくつかの地獄が、遠くの広場で終わりを告げる。 机の上の砂漠が対角線を求め、熟されたゴミ箱はコピーされる。 振り返れば振り返る程…
当番ノート 第11期
月はかわって11月、霜月。日本諸国にも出雲から神様たちがお戻りになっていることでしょう。 先月10月は神無月でした。八百万の神様たちが会議をするために出雲の国へお出でになってしまうため、そう呼ばれるようになったのは良く知られているところです。 今年2013年は、伊勢神宮でも大祭がありました。 20年に1度、正殿を始め御垣内などの社殿を造り替え、さらに殿内の御装束や神宝を新調して御神体を新宮へと遷す…
風景のある図鑑
「ウェシカ・ピスキス:vesica piscis」 紙の上にコンパスの針を刺し、円を描きます。 コンパスをその大きさのままに、描いた円の円周上に針を刺し、もうひとつの円を描きます。 二つの円が重なる部分にアーモンドのような形ができます。 これが「ウェシカ・ピスキス」と呼ばれます。文字通りの意味は「魚の浮き袋」です。 「鉄:iron」 古代、鉄は空から降ってくるものでした。 鉄隕石は、鉄にわずかなニ…
当番ノート 第11期
初めて一眼レフのカメラにふれたのは高校1年生の頃 引っ越しをしてからずっとしまい込まれていた段ボールの中にあったそれは 付属の革のケースが砂のように劣化していて手に取るのも躊躇うほどだった。 むかし祖父が使っていたものらしいのだがそこまで極端に古いものでもなくカメラそのものはしっかりと動いた。 その精密機械が発する空気みたいなものが持ち歩くのは少し怖い感じがしたけれど なんだかフィルムを巻き上げる…
当番ノート 第11期
『価値』について ホトリニテの宿泊料金は、1泊素泊り3000円です。題に3000万円とありますが、間違いではありません。世の中で公式にもっとも高額とされている宿泊料金はおよそ1泊350万~420万円ぐらいが相場です。その一夜を特別なものにする。そこにどんな大金持ちでも1泊素泊まり3000万円もだして宿泊する人など、ほぼいないでしょう。3000万円あったら、そのもの(宿泊施設)を作りますからね。 こ…
当番ノート 第11期
いつもお墓参りに向かう山道の途中にある、 小さな川と並走するように見えない向こう側へと伸びていく小径に惹かれていた。 そして、ある日のこと、その小径の入り口に深緑色の看板が立てられていることに気がついた。 あの小径の向こう側、何かできたらしい。 「ねえ、今日は帰りにあの小径の先に行ってみようよ。」 小さな車が一台通れるか通れないくらいの幅の狭い道をおそるおそる抜けてゆくと、 そこに古びた洋館があら…
長期滞在者
================================================== 「(「ヤツシ」とは)常態を超えた、もしくは、身分的秩序を逸脱 した状態を示す言葉、あるいは、当人にとっては、異常なもしくは 非日常的な時空に存在する状態を表す言葉である。」 「身分を下降させて、本来の生活状況とは違う生活状況に生きる人 物をヤツシという。けれども、ヤツシにとって大切な点は、単に下 …
当番ノート 第11期
高い空を泳ぐ鰯雲と冷たい匂いの混じり始めた風、色づき始めた木々の枝葉から差し込む光はモザイク模様を地面に描いている。何が男の心に訴えたのか、さして理由があるわけではなかった。しいて挙げるとするなら、そう、午後の柔和な日差しがそうさせたとしか言いようがない。男は、この10年間ほとんど思い出すことのなかった友人をふと思い出し、訪れようとしていた。さてどんな顔をして行ったら良いものか、男は思った。親しか…
当番ノート 第11期
ローソクを引っこ抜くと、 穴がのこる 穴ばかりが目立ってしまってつまらない ケーキ食べるときいつも思うんだよ。 ローソク立ててさ、火をつけて電気を消して お金持ちみたいな色に照らされて ゆらゆらしてるケーキが一番おいしそう いま私の目の前にあるケーキは穴だらけでさ 食べる前から気が滅入ってしまうよ もしこのケーキの上を歩けと言われても ずいぶ…
当番ノート 第11期
これはプシュケーでした。 分野を映し出す。そう激しく覚える。行方どこでどんな変換された懐疑。非常事態の模倣に取り組む人々がいた。五十路からのパルに耳鳴りも、そして、これからの無関係、今あらゆる感情の渦、一人でも多くの人にこの事実、情報を送る。 何とも言えない光景の裏、事情、効果。何とかこのセクタを”鏡”のような心で、私達に帰する暗唱。悲しく、あまりにも辛い。無力を誰もが調査、重視を立とうとした。そ…
長期滞在者
ゆうやけビルジングに映る私のまわりには 柔らかい泡ぶくが生まれては溶けていく 足元から大地の熱気を包んで皮膚をなぞり 指のまたを這い上がって 頬をつたいのぼって 頭をかき回してしがみつく らせんはきらい そう囁いて鼓膜をびるびる震わさして ひとしきり三半規管を縦横無尽に跳ね回って暴れると 小さいうめき声をあげて舞い上がる そうすると瞬く間に泡ぶくは飛行魚に喰われて溶けてしまうのだ それは誰かが誰か…