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2F/当番ノート

蝙蝠

当番ノート 第11期

たどり着けない振動で回り続けるクリック。
目を覚ますとそこにはたどり着けない。
目を覚ます前。
開闢のネグレクト。
眠りに就くとは、目を覚ます。
バスの中のバス停でバスを待つ。
夢そっくりな現実が夢だった。

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瘡蓋から流れるタイムライン。
鞄の中の階段を上り、二階にまつわるいくつかの地獄が、遠くの広場で終わりを告げる。
机の上の砂漠が対角線を求め、熟されたゴミ箱はコピーされる。
振り返れば振り返る程、首は絞められ、もうどこへもたどり着けない。
唯一の匣。
失った。
僅かな空間のみが藻掻くことを許す。
積み上げた空虚を螺旋状に崩す。
そして、 補償するカタチ。

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響動めき
軋み
叫び
喘ぎ
引摺
うねり
息吹き
繰り込み

失った言葉達は記憶に救われた。
抜け落ちる意識ははみ出すことを気遣い、何も語らない。
聞くことを恐れた耳。
見ることに専念する眼。
放棄された手と足は衝動的にコントロールされる。

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張り裂けそうな自我を確と押さえて、無表情さを保するように、ただただ生存する。
非我の変化を捉えた瞬間、<私>は賽子を振る。
そして、0.3mm外側の<私>は手を振る。
静かに私。

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