当番ノート 第42期
この記事のタイトルは最初「フィンランド人とお酒」だったが、気づいたら、ここに書いてあることにはむしろ、「私とお酒」もしくは「国を問わず、お酒の話あれこれ」のようなタイトルの方が合っている気がしてきたので、結局「キッピス」にした。「キッピス」はフィンランド語で「乾杯」という意味だ。 日本留学の大分前に、どこかの日本文化についての講座で、日本人は普段言えない本音を言わせてもらうためにお酒を飲むと聞いた…
当番ノート 第42期
飛行機の窓から外を眺めると、遠くの遠くまで連なる山々がみえた。山がただただあるだけで、そこに国境という線はみえない。 数年前、イタリアからドイツに列車で移動したときのことだ。窓の外に広がる清々しい山景色。地球の美しい顔にすっかりみとれてしまった私はのほほん気分で列車に揺られていた。同じ車両には、荷物をたくさん抱えた黒人ママと二人の子供が乗っている。引っ越しでもするのだろうか、スーツケース2つに大…
当番ノート 第42期
・・・ こんばんは。当番ノート42期のヨシモトモモエです。 毎週火曜は私のお部屋で、のんびりしていきませんか。 27歳・実家暮らし。 会社勤めを楽しくしながら、家業を手伝い、踊りなどもしています。「踊れる・食卓」では日々のくだらなくて、けどすこしくだるなぁ、と感じたことをゆるっと書いていきます。 ・・・ 第五回:ユニバーサルおせち この年末、我が家の台所に隕石のようなものが落ちていた。 隕石、とい…
長期滞在者
毎年12月は、その年のまとめのような記事を書いてきた。今年、わたしの人生は、「自己肯定感」と「病気」を軸にして、目が回るほど様々なことが起きた。「自己肯定感」については、山ほど書きたいことがあって、到底一つの記事には書ききれない。だから、今日はつい最近考えたことについて書きたいと思う。 つい先日まで、アパートメントのリニューアルのためのクラウドファンディングが行われていた。多くの方のご支援のおかけ…
当番ノート 第42期
今年も残すところあと僅かになった。12月23日、北フィンランドの田舎にある実家へ帰って来た。寝不足で気分がやや悪かったが、オウル行きの電車の窓から見えた景色は綺麗だった。畑の上に雪が積もっており、地平線下に没した太陽は空の一部をピンク色に染めた。 実家へ着いたら、家のあらゆる隅にクリスマス飾りが付いてあり、トイレにさえプチクリスマスツリーが置いてあった。カレンダーだけは、12月ではなく、既に1月の…
長期滞在者
今年11月、東京からオランダはアムステルダムに移住をした。 計画を立てたのは今からちょうど1年前のこと。妻と2人で、リビングのテーブルで将来設計を話し合った。彼女はイギリスで幼少期を過ごし、オーストラリアの大学を出て、東京の大学院に入るために帰国してから早15年以上が経っていた。彼女の周りは多国籍であることはさることながら、誰も彼も1か所に定住することなく、一定の時間が経てば次の場所へと移り、新し…
長期滞在者
花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(河出書房新社) 店に行けば真っ先に小説・エッセイのコーナーをチェックする。そんな人で、この表紙に見覚えがない人はきっといないだろう。 花田菜々子さんの『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』、通称『であすす』。発売されたのは2018年4月のことだけど、…
当番ノート 第42期
先日、はじめてのアパート友達ができた。 彼女の姿を初めて見たのは、アパートの階段をあがっていた時だった。玄関の鍵を閉めている彼女とばったり遭遇したのだ。めったに人に遭遇しないアパートなので、嬉しくなってしまった私は「あの、こんにちは!隣の隣の部屋に住んでいる者です!」と速攻で声をかけていた。不審者扱いされてもおかしくない状況だったが、彼女の方も「このアパートで友達ができるなんて嬉しい~」と言ってく…
当番ノート 第42期
・・・ こんばんは。当番ノート42期のヨシモトモモエです。 毎週火曜は私のお部屋で、のんびりしていきませんか。 27歳・実家暮らし。 会社勤めを楽しくしながら、家業を手伝い、踊りなどもしています。「踊れる・食卓」では日々のくだらなくて、けどすこしくだるなぁ、と感じたことをゆるっと書いていきます。 ・・・ 第四回:餅つきのステップ 世の中には2種類の家庭があると思っていて、それは餅つきをする家庭と餅…
当番ノート 第42期
最近朝家を出ると、外は暗い。夕方帰ってくると、外は暗い。11月から2月まで、殆どその繰り返し。私は暗いのはそんなに構わないが、本当に寒い日は、家を出たくない。家もオフィスも暖かいので、寒さを感じるのは外だけだが、バスを待っている約5分の間、居住するのに適さない太陽系外惑星に飛ばされたような気がする。 私はみんなムーミンのように冬眠すればいいと思うが、フィンランドは気温がたとえマイナス30度まで下が…
ギャラリー・カラバコ
どこからかの帰り道なんかにふと視線を感じて見上げると、そこには月があがっている。 もうすぐ満月が近いのだなと思うとどきりとする。 また、あの場所に行けるんだろうか。 その心配も他所に、ポケットにはきちきちに冷えた鍵が沈んでいる。 考えたらわたしは、いちどもこのギャラリーに友達を誘ったことがない。 ひとりで訪れることしか、考えたことがなかった。 鍵を差し込む前に、ノックをしてみる。 ととと。 ととと…
長期滞在者
もうりひとみさんを撮っていたら、いつのまにかもうりさんに描かれていました。 写真もクロッキーも目の前のものを盗みとるようなものだから、この二人はお互い同意の上で、何を盗みあっているのかしら。 (もうりひとみ・画家/絵本作家 https://apartment-home.net/author/hitomi0apartment/) ・・・・・・ [ 告知 ] ここ(アパートメント)に書かせていただい…