Do farmers in the dark
まえがき〜 今回はすでに色んな人がとても多くの場所で書いたりしている、意識というテーマについて、より退屈でつまらなくした話を載せます。ではよろしくお願いします! ↑最近アジフライがとても食べたいです do farmers in the dark 第2話 意識を持った猿のおもちゃの電源を切った日 妻にミニバンを運転してもらい、僕は後部座席で意識を持った猿のおもちゃと戯れている。猿のおも…
当番ノート 第39期
タンゴのレッスンに通うようになって3ヶ月ほどが経つ。 まだ3ヶ月なのに、もうタンゴ無しの生活が考えられない。家でも毎日のように練習しているし、音楽も聴き続けている。最近レッスン仲間もできて、教室に行くのが毎回楽しい。本当に、道中スキップしてしまいそうに楽しい。なのに教室のあるビルに入るその瞬間には、まるで面接を受けるときのように緊張して憂鬱にもなる。先生に姿勢を注意されてはうなだれ、褒められて…
長期滞在者
私はすぐに疲れる。大声を出す人間、人のことを平気で悪く言う人間、刺激的な音や色や情報、そういったものに触れるとげっそりしてしまう。 だからこの家の住人の親切心と自立具合、静かに営まれる生活に私はとても助けられていると思う。 誰かが私と同じように日々を生きている。その息遣いを感じるだけで、私はほっとする。 6月1日(金) そろそろ日付が変わる頃。家にいるのは今井君と昴君と私だけ。 今井君はかれこれ2…
当番ノート 第39期
多分、世界は美しいもので満ち満ちている。 それは心地よいものだけじゃなく、目を背けたくなるようなものも含めて。 それを絶えず見つけ続けること、そして人に伝わる形で残していくこと。 そのために自分と世界をむすぶフィルターをしっかりと保つこと。 18歳の時に自分とした約束だ。 写真の面白いところは、見返すたびに新しい気づきがあること。 撮った時の新鮮な感覚や記憶は徐々に失われていく。その分、撮った直後…
お直しカフェ
こんばんは。はじめましての人が大半だろうに、でも身近な人や、遠く離れた友人にも読んでほしいなと思って、それでどちらかというと近況報告のような心持ちでこの連載を再びはじめます。毎月7日の更新。07でお直しの日だよと、恥ずかしげもなく意気込んでいます。 暮らしお直しの真っ最中です 昨年の当番ノートの終わりに宣言したとおり、年末に会社をやめて、家にいる時間や、福島で過ごす時間、遠くに出かける時間が増えま…
当番ノート 第39期
いま私は、生涯でいちばん頻繁に男性と抱き合っている。 ふとそう思いついたのは、5回めか6回めのレッスンを受けたあたりのことだっただろうか。 その発見に、夕暮れ近づく大通りを歩きながら吹き出してしまった。 毎週、何人もの男性とかわるがわる抱きしめあっている自分……。 こんな自分の姿は、今まで一度も想像したことがなかった。 改めて引いた目で見てみると、やっぱりちょっとおもしろい。 *…
長期滞在者
さて、そろそろ夏である。 夏であるからにはもうすぐ休みを取り海に行くであろう。 おそらくそれは南仏あたりであったら素晴らしいであろう。 そして海パン一丁で海辺に寝そべったり、 そこに大きなタオルを羽織ったくらいの格好で海岸を徘徊したりするであろう。 今ちょうどそのための旅行計画などを立てているところなのだが、 特にそういったビーチ関連の状況を想定するたびに 前回取り上げた問題が心に引っかかるように…
当番ノート 第39期
早いものでこの連載も折り返しを過ぎました。 徐々に温めていくということがなく、初めからアクセル全開だったので、続けて読んでくださっている方は少し息切れがしてくる頃かもしれません。今回と次回は少し気分を変えて、「写真」について扱ってみようと思います。 どんなことを書こうか、ずいぶん悩みました。 でも、なるべく先入観をなくして見てもらいたいと思うので、今回は写真をメインにして、文章はあんまり書かないで…
日本のヤバい女の子
【7月のヤバい女の子/「あげまん」とヤバい女の子】 ● 炭焼長者の妻 ――――― 《炭焼長者(再婚型)》 東の長者と西の長者は仲が良かった。 長者の妻が揃って妊娠していたある日、二人は待ち合わせして馴染みの釣り場へ出かけていった。 流木を枕にして休憩しているうちに東の長者は眠り込んでしまう。西の長者が一人で起きて潮の様子を見ていると、どこからかボソボソと話し合う声が聞こえてきた。 見ると、自分たち…
当番ノート 第39期
ハロー。 今はもう夜中の2時。部屋の明かりを落として、小さな音でFMをかけながらこの手紙を書いています。僕の住んでいるところは夜がふけるにつれて周りの音がしんとして、こうして夜中まで起きていると、僕とこのラジオのパーソナリティだけが存在しているような、そんな気持ちになる。近くに大きな川があり、緑に囲まれた渓谷もあって、自然に囲まれている。とても満足しているよ。君の住むところもとてもいいところだよね…
長期滞在者
4月、わたしは小さな選択をした。ずっとやりたいと思ったことに、挑戦しないという選択だ。 挑戦をしないというのは、諦めのようでもあるし、成長を拒むような行為に思えるだろう。だけど、自分ときちんと向き合ったときに、今が挑戦のタイミングではないことは、自分自身がなによりも理解していた。今のわたしに必要なのは、新しい挑戦でなくて、今の自分の置かれている状況で、いかに健やかに生きていくかということだ。 わた…
ギャラリー・カラバコ
ある時ポストにこの部屋の地図と鍵が入っていた。 メッセージはなし。 ただ、「ギャラリー・カラバコ」 と。 宛名間違いだろうか? と封筒をじっと見てみたけれど、そこには確かにわたしの名前がある。 差出人の名前はなし。 ただのいたずらかもしれないけれど面白そう。 絵を見るのは嫌いじゃないし。 そう思って地図を辿ってみた。 とあるアパートの一角にそのギャラリーはあった。 鍵を開けると、ギャラリーらしい真…