passenger されどどうにもちどりあし

第1期(2012年2月-3月)

目覚ましいテクノロジーの進歩はいつしか我々をも進化させうるだろうか?
僕の幼い頃は携帯電話なんてなかった。
パソコンも一家に一台普及していなかったし、CDよりもカセットテープが普及していた。
こんな事を書いていると途端に自分が随分と年老いてしまったように感じる。
まだ若いがそれでも多少年を取った。
少なくとも人生を悲観しながらぼんやりお酒を飲めるぐらいには。
だがこの明け方の浦島太郎のような心持は本当に年齢の問題だけで片づいてしまうような簡単なものなのだろうか?
そんなはずはない。
テクノロジーの進歩が年々早くなっているのは火を見るより明らか。
今更説明やら注釈をいれるまでもない事象だと言えるだろう。
今や進歩は人が年を取るよりもずっと早いのかもしれない。

ここ最近は仕事を終え家に帰るともっぱらパソコンのモニターと向き合う日々が続いている。
別にMIXIやTWITTERを眺めているわけではない。
どちらかと言えば僕はネット上の人間関係は希薄な方だ。
では夜な夜な明け方まで一人でパソコンで何をしているかと言えば作曲である。
そう、今やパソコンと編集ソフトさえあれば誰でも気軽に作曲ができてしまうのだ。
楽器を使わずともタイピングとクリック操作だけで楽曲が完成していってしまうのだからいやはや恐ろしい時代である。
実際楽器を弾いてる時間よりパソコンの画面上での作業の時間の方がよっぽど長い。
そして大枚をはたいて楽器を揃えずとも、ドラムからキーボードまでなんでも演奏できるし、ギターのエフェクト一つとっても使い切れないほど入っているのだ。
楽器屋の店員もスタジオミュージシャンも需要が減り、大幅におはらいばこになる日もそう遠くはないのかもしれない。

ただどれほど作業工程が気楽になったとはいえ、それで名曲ができる訳ではない。
結局どこまでいっても最終的には物を発想するのは人なのだから。
数人のミュージシャンの名前をタイピングしてウィキペディアを調べてみればいい。
作曲の工程で苦労していない人など居ないのが解る。
ならばこの酔いどれの作曲作業など順風満帆な訳がなく、夜な夜な悪戦苦闘を続けている。
おかげでもう寝なくてはならない時間なのに、大慌てでこの日記をタイピングしている。
すこぶる眠い・・・。

さて目覚ましいテクノロジーの進歩はいつしか我々をも進化させるかどうか?
少なくともこの先文明が人が人である根底を覆してしまうほどの進歩を遂げたなら、きっと進化なり退化を促す一因になりうるのかもしれない。
ただ創造するのもそれを使うのも人間なのだから、だとすれば結局当面はイマジネーションとのあくなき闘いの日々がつづくのだろう。
願わくば僕は今すぐ早急に、進歩したい。
とりあえず十分な睡眠時間が確保できるぐらいには。
そもそもこんなSF映画や小説で何万回も取り上げられているような事を今更考えた所でそれがいったいなんだというんだ?
バカバカしい。
もう外の方からで学校へ向かう子供達の笑い声が聞こえはじめた。
いい加減に眠るとしよう。