はじまりのおわり おわりのはじまり

第7期(2013年2月-3月)

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日日すうすうとあふれてはこぼれ落ちる ことばのかずかず
ふつふつと現れてははじけて散っていく つぶやきのひびき

生まれてはいつのまにか消えていく 
忘れてしまう まぼろしだったかのように

それが 生きているっていうことなのかもしれないけれど

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それは違うとおもう 
やっぱりそれはちがうとおもう

でもきっとわからない
 
じゃあそれは
それで正しかったっていうこと

それが ただしかった っていうこと

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〈1/2〉
傷を受けたのは自分だけではなく
苦しみは必要で
怒りは長く続くものではないけれど
悲しみを忘れることはない。

不条理で身勝手で
捨てたり無くしたり失ったりしながら選び続け
幾ばくかの希望で心を支える。
しかしまたそれも永遠ではなく。

頭の中で反芻を続けた言葉はやがて自分を縛り付け
放出すればたちまち砕かれるだろう。

憤りを押し潰して沈黙を守り続けることが出来れば
頭上にうねる雲は
雷でこれ以上身を裂く事はしないけれど
それが正しいとは限らない。

私が思う朱色とは群青の事だとしたら
世の中の昼夜は逆転していて
夕暮れは清清しく朝日は切なく
私の思考の全てはひっくり返っている。

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〈2/2〉
それでも
またたきのあちら側では

花が咲き
子供が笑い
大道芸人が駒を回し
大人が宴に興じる傍らで
猫達は午睡し
川は変わらず流れ続けて
その全てを見下ろしながら
飛行船は時を止めて静かに横切る。

喜びが確かにそこに在ることを留め確かめるように。

心を揺り動かされる事はそこいら中に溢れていて
思っているよりもずっと世界は輝いて眩しく美しい。

相反するものは共に存在しなければ
お互いの意義を失うように
喜びの下で苦しみはそれを支えている。
恐れず流されず抗わず漂うようにして
水面下では行き先を見定め
必死に水掻きでもってかき続けるんだ。

いつかその波紋が広がり
あたたかいものを伝える大きな波に変わることを信じて。

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しあわせなゆめをみたあとは
なんだかほんのちょっぴり
さみしくなりますな

私のまわりををひゅるりひゅるりとまわっていたけど 
春のつむじ風に つつまれて
またたきする間に 去っていったよ
あれは なんだったんだろ

ナマエ、なんて野暮なものを知りたいのではなく
ただ感じることが出来ていればいいの、ね

またね

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古林
希望

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冬のおわりから春のはじまりまでお世話になりました。

アパートメント管理者のみなさん、滞在者のみなさん、
そして読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。