米という、種のこと。

第15期(2014年6月-7月)

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お米農家のやまざきです。
今、この文字を打っているのは、農家に嫁いで10年のヨメです。

旦那といっしょに、農薬に頼らず、お米を育てています。
こどもも、ふたり、育てています。

茨城県の南西部、常総市というところで、無農薬・減農薬の米づくりをしてきました。
今まで、胸を張って、無農薬です。と言えていたものが、原発の事故によって、変わってしまいました。
収穫のたびに、念入りな検査を受けて「定量下限値1Bq/kg以下でも放射性物質は検出せず」との
証明書が出ていますが、目に見えないものに対する警戒心は解けません。

農家として、幼い子を育てる母として…思うことは、山のようにあります。

その話は おいおいするとして、まずは お米の話をしたいと思います。
あなたは、今日食べたお米が どんな風に育ったか、御存じでしょうか?

冬がすぎて、春になると、農家はソワソワします。
田植えのための籾蒔きや、野菜の種蒔きなどにむけて、農民の本能が騒ぎだす感じです。

籾蒔きって言っても、なんのことやら、ですよね。
昨年の秋、実って、収穫したお米を、籾のまま 蔵に寝かせておき、
春になると、そのお米を、種として芽吹かせるのです。

四月、その籾を温度管理した水に浸す。

水に触れた瞬間、籾種たちは目覚める。
それから数日すると、ぷっくり、籾が膨らんで、発芽する。

籾種の状態を見定めて、籾を蒔き、籾が安眠するための あたたかい布団になるように、土をかぶせる。

布団の中で、すやすや眠ってる間に、1mmだった芽が 2mm、3mmと成長する。
5日ほどして、土の間をかき分けて、ニョキニョキと芽が出てくる。

それから20日間位、朝に夕に、苗に水をまき、
暑さで枯れないよう、寒さで凍えないように温度をみる。
鳥や鼠に 盗み食いされぬよう、病気にならぬように、苗のお世話をします。
白っぽい新芽が、日ごと 驚くほどに、ぐんぐん育って、15cmほどの青々した苗になる。

食べ物だと思っていた 一粒のお米(籾)から、新しい芽が出る不思議。

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こうして、手の中にある、一本の苗をじっとみてみると、お米の生命力がよくわかる。

籾から下には、土中の栄養を吸い上げるため、白い根っこを張り、
籾から上には、太陽の光を受けるため、緑の葉を広げる、苗。

この一粒から、秋には、千粒のお米が実る。

自然の中で、命は循環している。

そう、それだけの栄養と希望を蓄えたものを、わたしたちは、毎日、いただいているのです。
それが、お米。