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2F/当番ノート

米という、種のこと。

当番ノート 第15期

早苗 0549 900

お米農家のやまざきです。
今、この文字を打っているのは、農家に嫁いで10年のヨメです。

旦那といっしょに、農薬に頼らず、お米を育てています。
こどもも、ふたり、育てています。

茨城県の南西部、常総市というところで、無農薬・減農薬の米づくりをしてきました。
今まで、胸を張って、無農薬です。と言えていたものが、原発の事故によって、変わってしまいました。
収穫のたびに、念入りな検査を受けて「定量下限値1Bq/kg以下でも放射性物質は検出せず」との
証明書が出ていますが、目に見えないものに対する警戒心は解けません。

農家として、幼い子を育てる母として…思うことは、山のようにあります。

その話は おいおいするとして、まずは お米の話をしたいと思います。
あなたは、今日食べたお米が どんな風に育ったか、御存じでしょうか?

冬がすぎて、春になると、農家はソワソワします。
田植えのための籾蒔きや、野菜の種蒔きなどにむけて、農民の本能が騒ぎだす感じです。

籾蒔きって言っても、なんのことやら、ですよね。
昨年の秋、実って、収穫したお米を、籾のまま 蔵に寝かせておき、
春になると、そのお米を、種として芽吹かせるのです。

四月、その籾を温度管理した水に浸す。

水に触れた瞬間、籾種たちは目覚める。
それから数日すると、ぷっくり、籾が膨らんで、発芽する。

籾種の状態を見定めて、籾を蒔き、籾が安眠するための あたたかい布団になるように、土をかぶせる。

布団の中で、すやすや眠ってる間に、1mmだった芽が 2mm、3mmと成長する。
5日ほどして、土の間をかき分けて、ニョキニョキと芽が出てくる。

それから20日間位、朝に夕に、苗に水をまき、
暑さで枯れないよう、寒さで凍えないように温度をみる。
鳥や鼠に 盗み食いされぬよう、病気にならぬように、苗のお世話をします。
白っぽい新芽が、日ごと 驚くほどに、ぐんぐん育って、15cmほどの青々した苗になる。

食べ物だと思っていた 一粒のお米(籾)から、新しい芽が出る不思議。

早苗 0806 900
こうして、手の中にある、一本の苗をじっとみてみると、お米の生命力がよくわかる。

籾から下には、土中の栄養を吸い上げるため、白い根っこを張り、
籾から上には、太陽の光を受けるため、緑の葉を広げる、苗。

この一粒から、秋には、千粒のお米が実る。

自然の中で、命は循環している。

そう、それだけの栄養と希望を蓄えたものを、わたしたちは、毎日、いただいているのです。
それが、お米。

お米農家 やまざき

お米農家 やまざき

8/3(日)「はけのおいしい朝市」に出店します。
http://hakeichi.exblog.jp/20025683/

8/9・10(土・日)
「お米農家、お米道具」
maach ecute神田万世橋にて
炊飯ワークショップあり。
作家さんのワークショップもあり〼
http://n3331.com/news/000043.html

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