犬と短歌2(鳴き声のうるさいマル)

第17期(2014年10月-11月)

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鳴き声のうるさき犬であったなあ庭にゆすらの赤き実たわわ     久野はすみ『シネマ・ルナティック』

うちのマルは、よく吠えます。
遊んでほしいと吠え、おやつがほしいと吠え、トイレシートをかえてほしいと吠え、ちょっとこっちきてくださいと吠え、
要望が通るまで、できるだけ吠えます。たぶん近所で一番無駄吠えが多い犬です。

前にいた犬はこんなに吠えなかったのになぁ、ちゃんとしつけなければいけないなぁ。と思いつつ、5年が経ちました。
5年ずっと鳴き声を聞いていると、それが日常になってしまい、鳴かないと心配になったりします。

久野はすみさんのこの短歌を読むと、何年後かの自分の姿を見ているような気になります。
短歌が詠まれたのは過去のことだし、この短歌の中の出来事も過去のことなのだけれど
私にとっては未来を予言する言葉に思えました。

マルはきっとあと10年くらいは生きるだろうけれど、20年後にはさすがにいなくて、
未来の私は、いなくなったマルとこの短歌を一緒に思い出すのだろうなぁと今から考えています。