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2F/当番ノート

ヘタクソ

第31期(2017年2月-3月)

awkward
僕は、色んなところがヘタクソだ。

感情を表に出すのも、本当に聞きたい事を人に聞く事も、自分が言いたいことを口に出すことも。
嬉しいとか悲しいとか怒りとか甘えたりとか、そういったものを人に表現するのが。
周りの目を気にして、余裕があるように見せて、本当は辛かったり大変だったりすることもなるべく外には見せない。
妙なプライドや自己意識が邪魔をする。

それでいて、内弁慶だから尚のことだ。

色んな場所へ出かけることが多いと思われがちだが、家で過ごすこともそれなりに多い。
そのくせ、一人でいることが長くなると誰かに会いたくなって喋りたくなる。
でも、自分から誰かをご飯に誘うことは滅多にない。
断られたらどうしようとか、押しつけがましくないか、迷惑じゃないかとか、そもそも僕と飲みに行きたいのか、とか。
そんなことを考えると、連絡しようと手にした携帯電話をそっと元に戻す。

ほら、面倒臭い。

自分が会いたくないときに人に会っても、心からその人と会話することなんてできないと思うし、
適当に話を会わせて、その場を凌いでしまうことがきっと多くなる。
相手に心を許すまで時間がかかるし、歩み寄るペースに相手との差を感じると一気に引いてしまう。
あからさまには見せないけど、そっと扉を閉じてしまいたくなる。
本当に思っていることを相手に伝えたとき、相手がどう思うかどう感じるかをすごく考える。
それを考えすぎて、結局言えなかったりする。

ヘタクソか。

自意識とか自己意識とか劣等感とか優越感とか、全て人と比較することから始まる。
どうしたって人は、他人から認められたいし誉められたいし良く見られたい。
自分で自分のことを誉められるほど、自分を肯定できていない、これは僕の話。
大学院生の頃、自分の状況と周りとを比較しすぎて自信を無くしていた時期があった。
そのとき、高校時代から付き合いのある友人に言われたのがこの言葉だ。

「今の自分に自信が持てなくても、今までやってきたことに対して自信を持てばいい」

人と比べ始めたらきりがない。と、分かっていても、ふとしたときに比べてしまう。
その度に思い出して、自分に言い聞かすようにしている。

荻野 瞬

荻野 瞬

旅するデザイナー/旅する観光案内人

会社員時代から日本全国を車で旅し、様々な土地で出会った人々や物に魅力を感じるようになる。
退職後はフリーランスのデザイナーとして、ロゴマークや印刷物などのグラフィックデザインを中心に活動。

2014年には、鹿児島に移住する際に東京からの3週間の車の旅を「オギーソニック」と称し、キャラバンを敢行。
それ以降様々な場所を訪れながら活動し、各地で出会った人や見つけた物などの情報を発信している。

ただいま東京での拠点となる物件を探し中。

Reviewed by
熊野 英信

だれも期待していないところを期待通りに振る舞おうとして、
結局だれにも何とも思われていないことに気付いて卑屈になったり、
自分というのはとてもめんどくさい。
今の自分、というのはそんなことの繰り返しで、
いつまでたっても結局、まだまだだなあと思う。
だけどこれまでの自分のしてきたことにまでそんなこと思ってても、キリがないし、
そんなこれまでのことのなかには自分がしてきたことで
誰かの何かに、ほんの些細であっても影響してしまっていることもたくさんあるだろうと思う。
自分を否定してしまうというのは、そこにとりまくみんなを否定してしまうことにもなってしまうと思う。
自信と尊大は違うことですよね。謙虚なのと卑屈なのも違う。


ぼくはポジティブなところばかりのひとが苦手です。
はっきりいって嘘っぱちだとすら思ってしまいます。
とても怖いのです、支えが崩れたときに、このひとどうなっちゃうんだろうと思うと。
いろんなひとと話をしたり、いろんな場所に行ったりすることは、
どちらかというと前向きな印象をもたれがちだけど、
当の本人は自分からの逃避だったりもするんですよね。
ひきこもることも同じような逃避のひとつですよね。
逃げまくって逃げまくって、なんかこんなことしかできないや、ということをやり続けていると、
やっぱりまだまだだなあと、思ってしまうけれど、
逃げまくって手に残っているすべては、やっぱり大切にしたいんだと思うんです。
できないということに謙虚に、できることには自信を持っていたいと思います。

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