青と蒼と碧

第31期(2017年2月-3月)

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中学から社会人3年目になるまで住んだ地元に、ずっと仲のよかった近所同士の友人が二人いた。
中学は三人とも同じだったけど、その後、進んだ高校も大学も別々になり、
もちろん専攻や生業も全く違ったものにそれぞれ進んだ。

この年頃の男友達同士の常で、学校帰りなんかに、まあ色々と屈託の無い話を三人でしていたのだけど、
今でもよく憶えいているやりとりがある。

自分の思考や志向や嗜好のパターンを考えた時に三人それぞれがどう違うのだろうか、
という話になった時に、
本人と他二人での主観、客観での分析がほぼズレなく一致したのだ。
それは、三人それぞれの「色選び」についての例え話だった。

ある一人は、
無色の白い状態のものを手に入れて、好きな色に染めて行くタイプ。
経過や結果は分からないけど、始まりは白からにしたいのだと。

もう一人は、
色んな色から、その日の気分で日々異なる色を選ぶタイプ。
常にたくさんの色から選べる状態が理想なのだと。

そしてフナハシについては、
青が好きで、とにかく、日々青ばかりを見たり選んだり作ったりしながら
理想の青を探し求め続けるタイプなのだと。

確かにそうだよな、三人それぞれで違っていて、案外バランス良いのかもな、
と納得し合ったのだった。

こんな話をしていた頃から随分と経ってしまっていて、三人それぞれの居場所も別々になり、
現在では関わりもすっかりなくなってしまったのだけど、
このやり取りの記憶は今でも頭の隅にずっとあって、自分というのがずっと相変わらずなのだと思い返す。

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実際、今に至っても、身に纏う服は青ばかりを選んでしまうことが多いし、
街で青ばかりのコーディネートが上手い人を見かけると否応無しに目で追い続けてしまう。

この性分は「色」が他の何かに差し換わっても同様で、
写真を撮るとなると、実に些細なレベルでの差異を見つけては、似た様な印象の写真を日々撮り続ける、
楽器に触れば、音色を研ぎ続けるような音の出し方に執心してしまう、
料理は似た様なレシピを飽きもせず作っては食べている。

そんな風に、僕のやっている様々は傍から見ると、
何かしら「ずっと同じ」印象なものなんだと思う。

それでも僕の中では、青と蒼と碧の様に、それぞれ異なるものなのだ。
そして、青に触れ続ける事で蒼や碧を手繰れる様になるものだと思っている。
これまでも、これからも。

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はじめまして、舩橋陽と申します。
2ヶ月間、こちらで当番ノートを担当させていただきます。
サキソフォンを演奏したり、音楽を作ったりしながら、
音の出る美術作品や写真を展覧会等の場を通じて発表しています。

自分でも明解に括ることのできない様々を世に問うていますが、
こちらで、日々色々と作りながら想う事を、お伝えして行ければと思っています。
どうぞよろしくお願いします。