僕はそれを映画のジャイアンと呼ぶ

第32期(2017年4月-5月)

unnamed (1)

みなとみらいに株式会社リビタさん運営のBUKATSUDOという施設があります。
僕達WATもコーヒースタンド運営で関わらせて頂いています。

OPENから間もなく3年、シェアスペースと聞いてナンジャラホイ?という時代からスタートし、今では横浜のコミュニティの1つを形成する素晴らしい場所になっています。

BUKATSUDOのグランドオープン時期に開催された「場をつくる選曲講座」。
第一回講義のサブタイトルが「なぜ、和風創作料理の店ではジャズが流れるのか」でした。
講師 はBEAMS RECORDSの青野さん。

今でもこの時の講義の内容メモを見てはそういう意味だったのか!と思わされる、未熟者の僕にとっては先の先の先を行っている内容でしたし、空間を捉える、という事については音楽に限らず内装、家具、メニュー、などお店づくり全てに活かせる内容でした。

ーーーーーー

僕が大学生の時(15年前くらい)、「音楽好き」というとバンドのライブorクラブに行くかのどっちかが主流派。
ロックかヒップホップのどっちかに入門するのが通例です。(僕の偏見です汗)

 ①ロックバンド→ライブに行く→ロック聞きまくる→気がおかしくなる
 ②ヒップホップ→クラブ→多くの音楽に触れる→DJに憧れるorDJに抱かれる

僕は①に流れたのですが、当時は「青春パンク」というジャンルがCD棚に並び、バンドマン達が日本語で青春を掻き鳴らす姿に若者たちは大変共感を得てブームになっていました。
後にロキノン系とカテゴライズされるバンド群です。

ライブは正に狂気。
ケンシロウの戦いのキズと同じ意味でライブでついたアザの数が誇りだったのでした。

さて、普段おとなしいあの子ですら汗まみれでぐっちゃぐっちゃになるほど自分を開放できる場であった青春パンクバンドのライブ。
冒頭の青野さんの講義においても、CDの売上に反して、フェスやライブの動員数は年々増えている。
一過性の体験が出来る事に価値がある、といった趣旨の話に触れておりました。
シェアやクラウドが身近になり、聞きたい音楽が聞きたい時にすぐに聞ける時代においてリアルな場に人が出向くのは何故なのかと、場づくり・店づくりをする立場であれば問答しなくてはならない問題のように思うのです。

ライブ前セットリストを妄想してワクワクする感じや、ライブ後いつも聞いていたCDが今まで聞いていたCDじゃないように感じられる高揚感。
その時、その場所でしか分からない何かを求めて。
そんな欲求を世の中に感じるのです。

ーーーーーー

弊社のスタッフで、声のか細い女性スタッフがおります。
打合せしてても声が僕の手前で落ちてしまうのです。
実は彼女、学生時代に剣道部だったというのです。
え、大声で、めーん!どーう!と叫ぶあの剣道部?と思わず疑ったのですが、面をかぶると人が変わるんです、とのこと。

確かに思い返せば部活の時だけ人が変わるような人がいました。
大人になってからも、酒を飲んだらこの人キャラ設定変えもいいと思ってるよな、という人に出会うような事があるのでは無いでしょうか。

その時だけは、おれはこのスタンスで行く!というスイッチ、まさにドラえもん映画の中のジャイアンのスタンス。
心の友よ!という言葉の意味が普段のアニメと映画でまるで違うのです。

場づくり、店づくりにおいて大事なのはまさに映画のジャイアンスイッチ機能を果たす事なのではないかと考えられる訳です。
WATのカフェに来る方で自分へのご褒美といってパンケーキを頬張るお客様がいます。
いつもはしないけど、昼からワイン飲んじゃおう、というような気持ちになるお客様もいます。

会社にいる時とは違う、家で過ごす時とは違う、だけど、この時、この場所では自分はこうなれる、でもなんか許されていてその体験がかけがえのないものになっていく、そんなスイッチが入る場づくり、店づくりが出来ればその人にとって必要な場所になっていくのではないでしょうか。
その舞台を作り彩るために、コンセプト、マーケティング、店名、メニュー、サービス、内装、家具、音楽、スタッフ、などの全てがあるべきなのかもしれません。

そんな事をTheピーズと銀杏BOYZの武道館ライブチケット購入画面を見ながら思うのでした(誰か一緒に行ってください)。