fail, fail again, fail better

第36期(2017年12月-2018年1月)

(Photo: In Studio By Naomi Horiike "スタジオにて”)

(Photo: In Studio By Naomi Horiike “スタジオにて”)

タイトルの
“fail, fail again, fail better”
はサミュエル・ベケットさんという劇作家・小説家の言葉。

最近読んだ本の中で心に残った言葉です。

世の中には、こんな風にしたら成功するよとか、もっと早くできるよという元気いっぱいの本も沢山出回っていますが
この本はその方向ではなくて。

生きていると悲しみや失望、挫折が次から次に形を変えてやってくることもある。

いろいろ思うようにいかないことも起きる現実の生活=LIFE の中で主に気づき、瞑想、そしてユーモアを携え、自分の内側に知的に働きかけることで、どうやったらより翻弄されなくなるか、少しずつ前よりうまく”失敗する”ことができるようになるかやさしく教えてくれるものです。

年をとるに従って、生き方が顔に滲み出てくるもの。

自分に与えられたLIFE、授かった才能=GIFTを少しずつ上手く失敗しながら生きていけるようになるのっていいことだなぁ、と思います。皆が自分が持っているGIFTを与えあって共に生きることが出来たなら・・・私はそういう世界が見たい。

植物の根っこに水をあげたり、ほど良く日光に当てたり、温度管理をするようなベーシックな行為の積み重ねで花がきれいに咲いたり、いい香りを広げてくれるように、植物の持っている本来の可能性が現れやすくなることを望んで、手をかけてあげることと同じように。

自分を大切にすることが、もっと大手を振るって毎日のように広まれば良いのにと思います。
(巷でよく広告コピーとして見られる「がんばった自分へのご褒美」的な条件付けとも少し違うのですけど。)

自分を大切にするって、とてもベーシックなことだけど現代社会では「他の人も頑張ってるから」と自分のことを後回しにしても、表情がくすむまでエネルギーを消耗している人もいて。

本当に疲れてる時は、運動をしたり、身体に良い食べ物をとったり、早く寝たりするような自分を大切にすることを自分には出来ないと思い込んでる。ファンシーなことを色々やるのも楽しいけど、身体を元気に保ってくれてる根っこの生命エネルギーがきちんと働けるように基本を守ること。

ネットもままならない状況の場所から日本に帰ってくると、すぐPCで調べたりスマホをいじったり、買い物に行ったり、友人と会ったりして飽きる暇もないくらいに過ごしています。

隔離された環境ではそういうことも出来ず。
「ネットに繋がらないのは良いことよね」と、リトリートでお肌がつるつるになったスイス人のチベット仏教徒と話していたけど、日本に帰ったらメイクをしてお洒落をして食事に行って・・・あぁ、お蕎麦とお寿司が食べたいわって呟きながら何度も蚊帳の中で寝返りをうっていた。

それで、しばらく日本にいたら、また「飽きた!旅に出たい!」って思う。
ほんとうに心って勝手・・・。

甘いもののことをマドゥーラと言うと今回の旅で学びました。
『甘 塩 酸 辛 苦 渋』の6つの味の中で一番大きな割合を占めるべき味。

甘いといっても砂糖やチョコのことではなくて、米やパン、牛乳や果物など天然の甘みを指すらしいのですが、
味と感情は深い関係があって「甘い生活」とか「甘酸っぱい」とか、甘いという味は特に形容詞としても使われるくらいだけど、甘いものを、それが悪影響を及ぼす位まで食べ過ぎてしまう場合、それは寂しかったり不安だったりして。
人生の中での甘さ、充足感を求めての代替行為のことが多いと。

じゃあ、食べ物以外で甘い気にさせてくれるものって何かな。
恋愛は当たり前だけど、楽しいことをし終わった後、何だかお腹いっぱいな気分になる。小さい子供とぎゅーーっと頬ずりしたり、ハグしたり、マッサージなども。

久しぶりに入ったスタジオでは、冬の空気に包まれて冷たくなった画材たちが私を待っていた。
近所に足りない画材を買いに行って、パンを買った時にカウンターに作りたてのお菓子が並べられていたので、おじさんに「きれいだから写真を撮ってもよい?」ってお願いをして写真を撮ったら、無料でひとついただきました。

とっても嬉しかったけど、お腹がいっぱいだったので隣に並んでいた子どもにあげたら喜ばれた。ありがとう!とにっこり笑いながらキラキラ輝く瞳を見たら、私のお腹も心もたっくさんのスイートで満たされた。そんな冬の日。

in Sweet.
Naomi.