いいか。よく聞け。
そんなふうに不安だらけになったところで、実のところ世界は何も変わっちゃいない。
君の頭の中から覗く世界が、君の思い込みで急に恐ろしいものになっただけだ。
世の中は君のこといちいち相手するほどヒマじゃないんだ。
君は一匹の猫でありそれ以上でもそれ以下でもない。
君が自分と比べているどこかの誰かだって、ただの一匹の猫なんだよ。
そんなちっぽけなものにできることなんてたかが知れているだろ?
君とその誰かを比べてみたところで実はほとんど差はないし、実際世界にとって君なんてどうでもいい。
君や僕が全力で世界に体当たりしたところで、やんわりと押し返されるだけなんだ。
分かるだろ?
そう、分かってるんだ全部。君が訳もなく不安だと泣くその気持ちも、
そしてその不安には答えがなくて、何を言われても頷けないことだって。
全部分かってるからどうしようもないんだ。どうしようもないことだらけだ世界は。
絶望も希望もあたりまえに転がってる、おそらくみんな同じ数配られて。
だからこれ以上何を言ったってあまり意味がないんだ。うん、たぶん、あんまり意味がない。
けどこれだけは言っておくよ、泣いてたって一円にもなりゃしないんだ。
不安になったら泣けばいいけど
結局自分を助けるのは自分なんだ。
今の君を誰よりも支えてきたのは、きっと過去の自分だろ?
そして今の君の役割ってのは、未来の自分を助けることなんだよ。
泣いてていいのか?誰も助けてくれやしないよ
わかったらさっさと涙を拭くがいいよ。
(うん。分かったよ。もう泣くのはこれくらいにしとく)
(そしてもうひとつ、そんなことわざわざ僕に言ってくる君はとても優しい)