「 トリチェリのトランペット: Torricelli’s trumpet 」
トリチェリのトランペットは、無限の表面積を持つ図形です。
この立体は、y=1/xのグラフをx軸に沿って回転させる事で作ることができます。
グラフの範囲を(1≦x<∞)に限定すると、トランペット状の図形が現れます。
トリチェリのトランペットが特殊な図形なのは、無限の表面積を持つにもかかわらず、体積は有限だという点です。図形の表面積が無限大であれば、体積もまた無限大になるだろうと素朴に考えられていた当時、この発見は衝撃的でした。しかもトリチェリがこの立体を発見したのは、微積分の発明以前の17世紀のことだったのです。
この無限の概念、つまり神と結びつくという現象から、この不思議な立体は、最後の審判のラッパを吹くという大天使ガブリエルになぞらえて、「ガブリエルのラッパ」とも呼ばれています。