長期滞在者
はじめにー いつも、ひどく個人的なことばかり書いているけれど、今回はさらに個人的なことを書かせてください。他のことが考えられないくらい、7月は自分の体と向き合う時期だったので。それに、これ以外に書くことが思いつかないのと、これを書かずには次に進めないというか。他人の体調のことなんてどうでもいいと思うけれど、暖かい気持ちで読んでいただけたらと思います。 ことのはじまりー 実は、7月24日から29日ま…
当番ノート 第33期
僕にとっての珈琲は、 朝自分を目覚めさせる1杯だったり、好きな音楽によく合う香りだったり、それがふわりと優しい空気作ったり、大切な人に気持ちを伝えるためだったり。 二ヵ月頭の中でぐるぐると考えていてもはっきりとした答えは出なかったけれど、 でもいつも、1杯の珈琲は僕と誰かを繋いでくれるものでした。 ここで文章を書いてるのもきっかけは1杯の珈琲だったし、仕事、ワークショップやイベント出店のきっかけも…
当番ノート 第33期
あの日、スコットランドのエジンバラでストーリーテラーを目指してからずっと、自分のストーリーテリングを模索し続けてきた。 そんな中、このアパートメントの住人、礼子さんと出会い、コラムを書かせていただくこととなったのだ。 毎回のステキなレビューは、読み聞かせ、語りをされるふきさんが担当してくださった。今回が最終コラム。 右往左往しながらも、どうにか2か月書き続けることができたのも、このアパートメントに…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 01 桟橋 02 物差し 03 帯 04 時化 05 吃り 06 影絵 07 隠者 08 ウミネコ 09 うぶすな 第10回は「蟹」 このギャラリーにあ…
当番ノート 第33期
モ・クシュラからの第一弾『世界は小さな祝祭であふれている』の著者でアムステルダム在住の写真家・小野博さんに初めて会ったのは、小野さんの個展がひらかれていた九段下のビルでだった。知人を介して紹介してもらったとき、小野さんの傍らには大きなスーツケースがあって、数時間後にはアムステルダムの家に帰るフライトだと言う。 そのときに交わした名刺が頼りとなり、小野さんとメールやスカイプで雑談することが多くなった…
当番ノート 第33期
嘘を書かない、それが難しかった。 9回にわたって、中学と高校時代を過ごした下宿のことについて書いた。本当に居た人たちのこと、本当にあったことを、本当にあのころ感じていた通りに。それが、連載を始めるときに決めたことだった。 卒業して8年経ったのだ。いま下宿について書くということは、以後それが、私にとっての下宿の記憶になっていくということだ。書くならば、書いてしまうならばできうる限り、どんどん弱ってい…
長期滞在者
テレビドラマを、というかテレビを見る習慣が小さいころから本当になかったので、坂元裕二という脚本家のことはつい最近まで知らなかった。きっかけは今年の冬に放送されていた「カルテット」という作品だったけど、それは昨年の暮れに「逃げるは恥だが役に立つ」を見て、毎週一度の放送を待つわくわくとか、映画とはまた違ったテレビドラマの面白さを知り、その後番組だったから見てみた、という感じで、1話は家事をしながら見て…
当番ノート 第33期
卍第8章 ありがとうございました!!!大感謝卍 大学のサークルの先輩、理さん(イケメン)に紹介していただき、6月から連載させていただいたウェブマガジン、アパートメントの水曜日の当番ノート。 この章で最後となりました。さみしいねぇ。 最後の章、何を伝えたいかなぁー・・・って思った時に出てきたのは、1番に出てきたのは「皆さんへの感謝の気持ち」です。 まず皆さん、最後までお付き合いいただき、心からありが…
当番ノート 第33期
僕は嘘つきだ。 大層な嘘ではなく、しょうもないことを小さな嘘で繕ってしまう癖は昔からあって、そいつは痛いほどに自覚している。 もしかしたら多かれ少なかれそういう部分はみんな持っているのかもしれないけれど、僕はそれがすごく嫌いだ。 冷静に考えれば、嘘をついてしまったことにメリットは勿論なく、後々に対するマイナスの要素しか持っていない。 今ここに文章を認めている冷静な僕から言わせれば完全なる愚行に他な…
当番ノート 第33期
四条下がった河原町通り沿いのセブンでプレモル買って鴨川行って、北に歩いて三条大橋下に着く頃にはみんなもう呑み終えているから、階段上がったとこのローソンでまたお酒を買って呑む、京都の夜は最高です。 iPhoneで適当な音楽かけて、ハワイアナスの偽物みたいな安いビーサンで、蚊に刺されながらみんなで入る鴨川が僕の大嫌いな夏の一番の楽しみなのです。 幸せを感じるレベルは人それぞれですが、僕にとっての幸せは…
当番ノート 第33期
ストーリテラーのほかに、木工トレイ制作も私のお仕事です。 おはなしを覚えるときに欠かせないのは手仕事。手を動かしながらおはなしを覚える。 何度も何度もおはなしを繰り返しながら、木を切ったり釘を打ったり、ペイントしたり。 ストーリーテリングと木工は、切り離せないものとなっている。 ************************************* トレイを作る。 トレイの一つ一つに物語をつけ…
当番ノート 第33期
横浜は関内にある古ビルをリノベーションし、 今月7月より、古市久美子建築設計事務所と共同オフィスを持ちました。 事務所は、エレベーターのない3階。 本日、在庫の数千冊の本をようやく移動しました。 夏の炎天下、引っ越し業者の屈強なお兄さんふたりが、 弊社の「世界は小さな祝祭であふれている」と「表現のたね」が詰められた、 鉛のように重いダンボール箱を、ものすごい形相で運んでくれました。 本って本当に重…