-
当番ノート 第6期
「君の言葉は知らず知らずのうちにでも人を傷つける」 それはもしかしたら「人を」ではなく、「僕を」と言いたかったのかもしれない。と気づくのには時間が必要だった。 とてもとても長い時間。a long time ago. むかしむかしのものがたりと言えるくらい。 殴られて育った子は、子を殴る親になる、と聞いたことがある。 私はずっと自分の子どもを産むのが怖かった。 私は子を殴らないでいられるだろうか――…
-
当番ノート 第6期
先日、友愛精神に富む友人から「使ってみたらとてもよかった。みんなで若返ろう!」と高価なアンチエイジニングクリームを大変安く譲っていただきました。 誰かにプレゼントするか自分で使うか迷ったあげく、好奇心を抑えきれずに自分で使ってみました。すると30分後やはりモリモリに蕁麻疹が出てしまったので、使用をあきらめることにいたしました。私の肌は何がなんでもエイジングしたがっており、全力でアンチエイジングを拒…
-
当番ノート 第6期
日常。ふとした瞬間。誰かの何気ない一言が、 自分の考え方や生き方が変わるきっかけになったりします。 — 数年前の私はなかなか派手に遊んでいたように思います。毎週のように人がたくさん集まるところに行きました。たくさんの人と会ってお酒飲んでワイワイして。私がその中で仲良くなれたのなんてほんの数人で・・・その人たちは今でも大切な友達ですけど。 そんな生活は今思えば、正直、そんなに楽しくなかっ…
-
当番ノート 第6期
とうとう最終回です。なので出血大サービスということで、今回は二話掲載しました。 しかも、過去の作品ばかりには頼ってはいけないと思い、一念発起して、新作の漫画を描きおろしました。 久々に漫画を描いたら、体がバッキバキになりましたよ。 さて二か月続けて来た、このアパートメントでの連載皆さんどうでしたでしょうか? 面白かったでしょうか? 漫画を描くというのはとても草臥れます。 その努力に見合ったものを得…
-
当番ノート 第6期
本のある風景が好きだ。 背の焼けた本のたたずまいが好きだ。 勢いよく閉じた時のパンッという頑丈な音が好きだ。 時に自分の間違いみたいなものに気付かせてくれるその厳しさが好きだ。 わたしの一生を費やしたところで全部は手に取れないその夥しさが好きだ。 ---------- 本のことを書こうと思うと、 どうしても言葉がまとまんないな。 (これからちょっとうっとうしいほどの本の話をします。) ------…
-
当番ノート 第6期
-
当番ノート 第6期
簡素な一人暮らしに冷蔵庫も洗濯機も無駄なスペースもいらないかなと思って、引越しすることにした。そして思う自分の結論。それはリアル店舗の不動産仲介業者っていらないなーってこと。これは自分の安物件ケースに限ってかもしれないけれど。ネットで調べ済みのことを、目の前であらためてオーナーに確認されても苛立だしいし。かといってネット調べ以上の良物件なんてでてこないし、それで管理会社と客の間に挟まって手数料もら…
-
当番ノート 第6期
春みたいな海だった。 「どうなったら『復興』なんだろうね。」 「あそこに“お父さん”の家があったんだ。」 エリという名前と教えてもらった。顔を埋めたら懐かしい匂いがした。 海と空が溶けていた。 大阪から12時間。初めて郡山行きではなくいわき行きの深夜バスに乗った。 バスの予約サイトには赤文字で『当面の間「広野インター~浪江駅」間を休止し、「いわき駅」までの運行となります。』と注意書きが入っている。…
-
当番ノート 第6期
私と弟が子どもの頃受けた音楽教育(ピアノ・ヴァイオリン)で学んだことは以下です。 1.夏みかん・はっさくを食べた後でヴァイオリンを弾くと歯が浮いていてもたってもいられないほど気持ち悪い。なるべく松ヤニを弓にたっぷり塗るが、それでも気持ち悪い。 2.ピアノを弾きながら読書する方法 3.ブラウン管テレビをつけたあと画面の表面の静電気で今まで見ていたことがばれるが、静電気を手でさーっととれば、ばれない …
-
当番ノート 第6期
身内ウケが良かったネタをここでも出します。 今から3、4年前のこと。長年ショートヘアだった私は、ある日なんとなく髪を伸ばす決意をしました。 蒼井優ちゃんみたいなゆるふわ黒髪ロングヘアを目指し、伸ばし続けること約一年。髪の毛は鎖骨よりちょい下くらいまでの長さになりました。 小学生の時以来のロングヘア、憧れのロングヘア、蒼井優ちゃんみたいなロングヘア、は、非常に、面倒くさかった、です。 シャンプーとか…
-
当番ノート 第6期
さてラスト二本! 今回は、漫画をライブで配布しようと決めてから、一番初めに描いた漫画です。 この頃は、とても黒田硫黄に影響を受けていて、早速真似して筆ペンで描いたのですが、これが、難しいこと難しいこと。 しかも読み返してみて思ったのですが、このころの僕は、つげ義春病にかかっていますね。 絵がそこまで上手くない人が、漫画家を目指そうとするとなりがちな、詩的表現と、センスだけで勝負!と勘違いしてしまう…
-
当番ノート 第6期
その日はあめかぜの音で目が覚めた。 雨粒がガラスを打つ。 おなかが重くって体がだるい。 どれだけ待ってもわたしの住む町に 雪は降りだしそうになかった。 手ざわりのない世界は一面の雪景色。 手ざわりのある世界に雪なんて一粒も降らない。 わたしはじぶんがどこにいるのか分からなくなってしまった。 雪の降る前の日の夜、生理がきた。 あたまを動かしたいのに からだを動かしたいのに 子宮はわたしのすべてに近い…
-
当番ノート 第6期
-
当番ノート 第6期
ロバート・アルトマンはまったく好きな監督でもなんでもないけれど、あの中二の真冬の町外れで観た”三人の女”の日のことは鮮明に憶えている。ずっと薄暗い室内に根暗そうな三姉妹。そして飲んだ牛乳が酸っぱくて吐き出す陰鬱さ。なんてロクでもない映画なんだろう。好き! 高校へはバスで通っていたから、まんまとそのまま寝過ごせば、スガイビルディングの元祖シネコン前に到着する。そこで数えきれな…
-
当番ノート 第6期
一度死んだことがある。 ブラックアウトもしくはホワイトアウト。 そこは「何も無かった」。 「入院しますか?」 その1週間前、私は先生に訊かれた。 「家族と相談してから決めます。」 そう答えて病院を後にした。 その病院には何日か後に救急車で運ばれることになる。 やけに音がうるさくて落ち着かないのです。―――それがその時先生に相談した内容だったと思う。 その時私に与えられていた病名は「うつ状態・解離性…
-
当番ノート 第6期
マルセイユは、女子どもは日が暮れたら男の同伴なしには外を出歩けないマッチョ都市です。 地下鉄や市電は市の一部にしか通っていません。 バスなんか路線によっては夜8時ぐらいでなくなってしまったりします。 タクシーに関しては、「マルセイユのタクシーは運転手のマイルールで運行される」というのは、映画『タクシー』でも世界的にも有名になった事実で、サッカーの試合があると、TGVが乗り入れるサン・シャルル駅では…
-
当番ノート 第6期
腕時計が好きです。 現在のマキヲコレクションは全部で3つ。(少) そのうち2つは時刻が非常に見辛く、時計としての機能をはたしておりません。 さらにその2つのうち1つは針がすぐ止まるポンコツで使えないし、お気に入りだったもう1つは、最近母が洋服と一緒に洗ってしまって壊れてしまいました。 酔っぱらって一緒にお風呂入っちゃった時も壊れなかった頑丈な子だったのに・・・。無念。 しかし全裸に腕時計だけ、って…
-
当番ノート 第6期
まだまだ寒い今日この頃、皆さん元気でしょうか? さてさてこの連載も七回となりました! 2013年始まったばかり!張り切っていきましょう! ということで今回は、完全なる持論を漫画にした作品。 そんなわけねぇよという気持ちで読んでくれたあなた。それで正解です。 こういうのって結局人によるもんだし。 この考えは、高校の授業中あまりにも退屈で、いろんな妄想していたらなんかたどり着いた持論で、当時はこれはす…
-
当番ノート 第6期
「みおのなまえは青森のおじいちゃんが かしこくて誰からもあいされる うつくしい人になりますようにと 願って、つけてくれたんだよ。」 小学生のころ、こんな宿題があった。 自分のなまえの由来を両親に聞いて それについて作文をする。 最後にクラスメイトの前で発表するというもの。 生まれたあとすぐに撮られた8mmビデオ 産婦人科のベビーベッド 大きくかけられたわたしのなまえ 続々とお母さんのもとにや…
-
当番ノート 第6期
むかしフィリップKディックとモンキーパンチとチャールズブコウスキーをミックスしたようなSFハードボイルドを書いて名だたるSF文学賞に応募したことがある。結果は落選だった。タイトルは”ディックマンブルース” いまでは不毛に時間を費やしてしまったなとちょっとした人生の汚点だか、当時はイケると思っていたから仕方が無い。長編だからここに掲載する訳にもいけれど、ざっと要約すると、、、…
-
当番ノート 第6期
東の魔女と西の魔女。バハムートとリヴァイアサン。夫の人が私とかおりさんを評してそう言った。 おこがましい。並べられるようなものなど、ないよ。とも思うし面白いとも思う。 (魔女は南の島にもいるのだけど、それはまた別の話) かおりさんと最初すれ違った頃、私たちは違う名前だった。 その場所で私たちは一度も会話をしなかった気がする。 顔の見えない場所で、名前と言葉だけ何度も見かける。 すれ違う70億人の中…
-
当番ノート 第6期
今日はスケートの話をしようと思います。 子がやりたいというので、私も子ども時代以来ひさびさにスケートをやってみました。 私はスポーツの中ではスケートだけが好きです。 というよりスケートは私にとってはスポーツでないというほうが正確なのかもしれません。 -とくに着替えなくて良い(靴だけスケート靴にかえればよい) -汗をかかない(かく人もいるらしいけど私はかかないし、汗かくほど激しく滑らなくても良い) …
-
当番ノート 第6期
あけましておめでとうございます。 皆様よいお正月休みを過ごしておりますか? わたくしはお餅を食べたり寝たりお餅を食べたり寝たりしてお正月をエンジョイしております。 しかし残念ながら明日は月曜日でございます。大多数の方が仕事始めになるのではないでしょうか。 やだね。超やだ。すっげーやだ。 何故みんな嫌だ嫌だと思いながらも毎日仕事などしなければいけないのか。 何故一週間は7日間もあるのに、5日間も仕事…
-
当番ノート 第6期
あけましておめでとうございます! みなさんお正月はどうでしたでしょうか? 僕は、毎年恒例のだらだらごろごろ、そして録画しておいた、ガキの使いあらへんで!を見ながら、おやつを食べまくるという生活を送りました。 僕は、とてもお正月が好きです。なぜなら、どんなにだらだらしていても、怒られないからです。 ああ、一か月に一度お正月が来ないかなあ。 話は変わりまして、今回は、とてもシンプルな、いわゆるワンアイ…
-
当番ノート 第6期
わたしの妹は天文学者になりたい。 わたしの知る限りで文系脳な妹は 苦手科目であるはずの数学や物理を ぐずり、と涙をながしながら解いている。 『たかが1問』に、ものすごいエネルギーを使って。 それがすべてのような立ち向かい方をして。 星や宇宙に好奇心をそそいでは なにかを見出そうとしている。 結果を欲しがっている。 「まっくらな夜道を手がかり、 足がかりなしに進んでるみたい。」 欠かさず一緒に入る…
-
当番ノート 第6期
今まで沢山の引越しをした。でも今思えばそんな引越しせずにいれたらよかったのにと思う。これというのも意味のわからないものをそうやすやすと受け入れられない性分だからだ。”更新料” いまだに意味がわからない。まあ確かにそれが書かれた契約書に合意をしたのは自分だ。そしてまた引越しを繰り返す。今回の引越しは、いつ会社を辞めてもいいように、自営運営資金貯蓄目的の格下げ引越しだが、だから…
-
当番ノート 第6期
「玄関から草どころか木が生えていて」 「じゃあ下の方はもう誰もおらんのやな」 初めてこの島に来た時、夜の暗さにびっくりした。 方向は道の灯りではなく、音で判別するものと初めて知ったのだった。 波の音が聴こえる方が海、風の音が聴こえる方が山。 自分と闇の境目は今にも溶けそうで、私は自分の肩を自分でぎゅっと抱いた。 夫の人が生まれ育ったこの島は今はもう190人しか住んでいない。 公式での記録がそうなだ…
-
当番ノート 第6期
今日は、突然ですがクラヴサン(イタリア語ではチェンバロ、英語ではハープシコード)の話にしようと思います。 私の趣味は、クラヴサンをもっている人の家に留守中、押し入り、調律がバロック風でない場合、バロック風に調律しなおしてしまうことです。 持ち主がバカンスから帰ってきてクラヴサンを弾いてみたら、なんだかいつもより違う気がする…。でもおかしいところはないし、響きはより深い感じになったのでそのまま弾いて…
-
当番ノート 第6期
だいっキライ なのに 愛してる 川本真琴がそんな歌、歌っていたなぁ。 私は自分の外見と内面に自信がないし、好きじゃない。 自分の描く絵もあまり好きではない。 はじめましての自己紹介で、自分のことをクズだと言う様な女が自身を好きなはずがないのですが。 だけど、私は自分の外見も内面も好きだし、自分の描いた絵が大好きです。 こいつは何を言ってるんだ。意味が分からん。とっとと実家の火星に帰れ。 そう思…
-
当番ノート 第6期
もうあっという間に年の瀬です。 今年最後の更新ということで、今回は、ギャグでもなく、かといってシリアスでもない、それでいて壮大な。 よくわからないところに着地した漫画をチョイスしました。 コンセプトとしては、恐怖漫画を描きたかったんですが、画力やページの都合であまり怖くならなかったのですが、一部にはすごく評価された作品です。 この話は、宇宙の誕生の謎が解かれていて、それがとても身近で、しかも人類よ…
-
当番ノート 第6期
なんとなくずうっと想いや気持ち、言葉にしないままでいた。 幾らかのでこぼこのない毎日でも、続けていれば様々なことがある。 こころ揺らぐような大事件なんてない。 わたしの毎日はたおやか。なのに。 そんなわたしですらいろいろを感じて、くるくると表情を変えている。 そういうことを言葉にせずにいました。 やんなきゃいけないことじゃなかった。 したいことでも、したくないことでもなかった。 だからなんにもしな…
-
当番ノート 第6期
突然メロンパンが食べたくなり、すれ違った少年に「このへんでメロンパンを売ってるところってない?」と訊いてみた。少年はあそこのパン屋に売ってるよ(このアホンダラ)と言って通り向こうを指差した。おれはありがとうと言ってそのパン屋に向ってみるが、メロンパンは売ってなかった。 「メロンパンはないの?」とおれ。 「当店ではメロンパンは取り扱っていません」と女。冷たくも優しくもない声。 そのパン屋にはメロンパ…
-
当番ノート 第6期
2012年4月2日から4月8日の1週間、Acruさんで個展をさせて頂いた。 色んなものが始まって色んなものが終わった1週間だった。 壊れた傘のようにチャンネルが開きっぱなしの一週間。 個展の後、シャッターは切っていても撮っていない。 カメラを抱えて泣いてばかり、の日が少しあった。 逃げずに向き合わなければ2012年は終わらないような気がして。 あれはあの場所にあの時間に、したかった事だったのでどこ…
-
当番ノート 第6期
マルセイユは老人天国です。 マルセイユの旧宗主国フランスのフランス人は太陽が好きです。 年をとって年金生活に入ると太陽を求めてぞろぞろと南下してきます。 今の老人達は、若い頃は働きたいと思えば誰でも仕事があり、一生働けた世代の人たちですので、労働者階級の人たちでも、満額の年金生活をエンジョイしており、そういう方々がうちの近所にはたくさん住んでいます。 みなさんとっても楽しそうです。 ご老人たちを見…
-
当番ノート 第6期
セクシーなタイトルでごめんあそばせ。 しかし内容は至って普通ですのでご安心あれ。 エロ話かと思って期待に胸と股間を膨らませていた純粋な青少年たちごめんなさい。パンツ脱いでおく必要はありません。 今日はクリスマスイヴイヴですね。 街はクリスマスムード一色で、そこら中でうかれた若人がキャッキャウフフしていることでしょう。 私の今までのクリスマスといえば、イチャつくカップルの間をゴールテープを切るマラソ…
-
当番ノート 第6期
こんにちは!中村むつおです。 連載も速いものでもう四回となりました。 このWEBマガジンを連載することになってからというもの、一週間が速い速い。 漫画は描き溜めているものがあるからいいものの、もしこれを、毎週一から描いていると考えると、ゾッとします。 改めて、漫画家さんたちの凄さに、驚き、尊敬せずにはいられません。 さて今回の漫画の解説ですが、今回のコンセプトはズバリ『ベタ×ベタ』! 思いっきりベ…
-
当番ノート 第6期
「なんも聞こえないよー」 そこに立って何か聞こえるみたいにしてみて、とわたしはカメラを構える。 12月の最初の土曜日、とても風のつよい日だった。 3時過ぎ、片瀬江ノ島駅のホーム。日はもう傾き始めている。 そう、なにも聞こえるわけがない。 たとえば きこえないものがきこえるかもと思ったら 小さな耳はたちまちうさぎの耳になる。 たとえば みえないものがみえたような気がしたら キセキでも、こわくても、不…
-
当番ノート 第6期
Henning Schmiedt が好きだ。 初めて聞いたのは、今年の初め。2月の11日のことだ。 東京池袋の自由学園明日館講堂で行われたJapanツアー2012のライブに行った。 東日本大震災から、丁度11ヶ月の日である。 震災から一年が経ったその日は(今でもそうだが)消えない不安感というか、 緊張感というか、震災前の自分を忘れてしまったかのような落ち着かない気持ちでいた。 Henning さん…
-
当番ノート 第6期
アルモドバルの”神経衰弱ぎりぎりの女”を渋谷シネマライズで観たのは今から20数年も前のこと。 この映画に関しては絶叫も嘔吐も感涙もしなかったが大好きな1本だった。 それからは多分恐らく、アルモドバルの映画は全部みている。 特にフェイバリットなのは”ライブ・フレッシュ” “バッド・エデュケーション” “ボルベール…
-
当番ノート 第6期
私が住むマンションには、ゲイのカップルが住んでいる。 私は2人が好きだ。 名字が違う、でも少し似た雰囲気を持つ二人はいつも控えめに過ごしているように見える。 フレンチブルドッグを一匹飼っていて、夕方もしくはたまに朝に2人でその一匹と散歩に出る。 私もライカという名前のダックスフンドと散歩に出ると時々2人と会って、少したわいもない立ち話をする。 穏やかな話し方をする2人は、程好い距離を持ってこのマン…
-
当番ノート 第6期
マルセイユ市内バス車内ポスター これは真冬のマルセイユのバス車内に下がっている啓蒙ポスターです。 「ビーチでは水着を、バスではT-シャツを!」 マルセイユを知らない人には一瞬意味がわからないかもしれません。 マルセイユでは道行く人は老若男女ハダカです。このことは常に私はインターネットを通し世界に訴え続けているのですが、なかなかみなさん信じてくれず、誰も助けにも来てくれません。そこで今回このような証…
-
当番ノート 第6期
この赤ちゃん猫の名前はピー助。通称ピーちゃんです。 ピーちゃんの写真は私のiPhoneに入っている数枚しかありません。 死んでしまうなんて夢にも思っていなかったからです。 出だしから暗くって申し訳ないのですが、今回はこのピーちゃんの話をさせて下さい。 妹が帰り道でピーちゃんを拾って来たのが、今から3ヶ月程前の9月20日。 帰宅途中に子猫の鳴き声に気づいて、よく見てみるとそこには目も開いていないへそ…
-
当番ノート 第6期
こんにちは!中村むつおです! 今回はすごくくだらないです。でもそこがかなり気に入っています。特に、ラストのブレイクビーツからの黒人のアップになるところが気に入っています。 この一コマの間にかなりの時間が経過しているということを、驚きと説明を交えて表現できたと思います。 ちなみにこの黒人の方は、インターネットで「黒人 ラッパー」で検索したところ、NASという人がヒットしたので、適当にトレースして描き…
-
当番ノート 第6期
にげられないきせつがくる きせつはずれの台風のまんなか たんたんと過ぎ去ってくことから 投げかけられるわたしの視線から きみはきっとのがれられない だるくなった脳みそ ゾウの目のおくに わたしの知らぬふかい海 きみのあやつる まあたらしい呪術的なことば そのことばはせかいじゅうの どんなことばよりもたのもしい きみのからだ 1000年前から続く、意味ある光を溜め込んだ大木。 わたしのからだ 気…
-
当番ノート 第6期
学生時代、バンドを組んでいた。大学3年の頭から大学4年の秋までの間、活動していた。 名前は「MONTRA」という。 僕は美術大学に通っていたのだが、メンバーは同級生の8人。 皆それぞれに普段から表現したり作ったりしていた。 僕 たちは『blue』という決まった一曲しか演奏しないバンドだった。決まったフレーズを皆で共有し、抑揚をつけて毎回曲を作っていくのだけれど、毎回の国…
-
当番ノート 第6期
突然クスクスが食べたくなったこと。 そして意識は頭上5センチあたりを彷徨う。 クスクスに想いを馳せて頭上5センチあたりに手のひらを翳してみたが、想い虚しくそこにクスクスはなかった。 やっぱりクスクスはあんなに粒々なくせしてちゃんとした実体なんだな、と自分の想いの足らなさを宥めた。 というのも抽象こそがリアルで、世界のあらゆる物体は実は概念的な何かでしかないんじゃないか、 という無根拠な想定が近頃こ…
-
当番ノート 第6期
あの日もとても寒かった。春の欠片も見えず。 3月で卒業する生徒さんはもう課題に入っていて。 私はその時間がとても好きだった。教えたことをそれぞれが消化して形にしていく時間。 Webデザインを教えているその教室はパソコンと人がぎゅぅと詰め込まれていて。 排気熱と体温で本当はそんなに寒くないはずだった。 なのにあの日は足先が凍りそうなくらい寒かった。 考えてみるとあの日のことを誰にも話したことが無い。…
-
当番ノート 第6期
前回、文章を締めるために何か書かなくてはという義務感に駆られてうっかり「マルセイユはいいところです」とくくってしまったのですが、それはあくまでもゴミを捨てる側の観点のみから語った場合であってやっぱり全然いいところではありません。 とりわけ治安の悪さにおいては北アフリカで右に並ぶ地区はなく、治安取り組み優先地区にも指定されています。警察などあってなきがごとし。麻薬マフィアのほうが武装資金も上でどうみ…
-
当番ノート 第6期
それは数年前の穏やかな休日の午後。 私は母と仲良くテレビを見ていました。 最近恋も髪の毛もダメージ受けまくりぃ〜 きっとそんなたわいもない会話が繰り広げられていた事だと思います。 ふとテーブルを見ると、そこには一匹の蜘蛛が。 私はすぐさま母に蜘蛛がいることを告げました。 ・・・が、いない。 いないのです。 母が蜘蛛に目を向けようとしたその一瞬の隙に、蜘蛛はどこかへ隠れてしまったのです。 ホシはまだ…
-
当番ノート 第6期
土曜の夕暮れ時みなさんいかがお過ごしかな? 中村むつおです。 僕は現在大阪にいる予定です。なぜ予定かというと、この記事は、前もって書いているものだからです。 つまり、過去の僕が、未来のみなさんや、未来の自分に対して、語りかけているというわけですね。 やがてこの記事も過去になり、どんどん古くなっていくわけですな。 前置きはこんなところにしておいて、今回の漫画です。 今回の漫画は、とても女子受けが悪か…
-
当番ノート 第6期
あこがれているものがある。 きっとこれからもずっと変わらないもの。 信じつづけているものがある。 ときどきわたしを悲しくさせるもの。 水をたっぷりと含んだ空気の手ざわり。 土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。 きのうの雨は晴れた空をいいなとかんじるためのヒント。 「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、 わたしがほしいものになんだかよく似ていました。 ( すこしだけ、わたし…
-
当番ノート 第6期
-
当番ノート 第6期
タカヒロさんからご紹介いただきまして、ちょっとこちらに文章をということとなりました。 短い間ですがよろしくお願いいたします。 あまり気にならないことについて。 過去、未来、現在、記憶力、宇宙の力みたいなもの。 自分は記憶力が非常にない方で、しょっちゅう目的を見失い、道に迷う。 そんな自分が書く昔ばなしだから当然正確さを欠く訳だけど、 特に誰かにその間違いを指摘される訳でもないだろうから、記憶のまま…
-
当番ノート 第6期
はじめておつきあいした人の名前は富永くんという。 私の生まれ育った場所は福島県郡山市というところだ。 誰が言い出したかわからないけれど、東北のシカゴとも東北のウィーンとも呼ばれていたその街は活気のある街だった。 私はそこに「そぐわなかった」。 可愛げのない子供だったと思う。 幼稚園でも小学校でも教室の片隅で本ばかり読んでいた。 友達は少なかった。頭でっかちな子供で世を斜めに見ていた。 自分なりの正…
-
当番ノート 第6期
こんにちは。 このたび、日本のゴミ分別の煩わしさと憂鬱を逃れるために北アフリカの都市マルセイユに住むことにしました。 この「アパートメント」には、マルセイユ国立バレエ団のダンサー木下氏からご紹介いただきました。 この街に来ると、まず目につくのは、ミストラル(季節を問わず吹く南仏特有の冷たい強風で赤城おろしや六甲おろしのようなもの)に巻き上げられて空中を浮遊したりふわふわと道を転がっていったりするス…
-
当番ノート 第6期
はじめまして、こんにちは。 イワオ君の紹介により、こちらのアパートメントに2ヶ月程滞在することになりました、マキヲという者です。 「君、やりたまえよ」とイワオ君に言われ「へ、へい!」と割と軽い気持ちで入居してしまいましたが、ふと見渡せば、周りは素晴らしい人ばかり。 なんの肩書きもないハイパー一般人である私は恐縮しっぱなしでございます。 この文章を打っている今現在も、極度の緊張で心臓バクバク手足はブ…
-
当番ノート 第6期
みなさん初めまして! 僕は東京で活躍中のインディーズバンドテングインベーダーズの中村むつおというものです。 今回、僕がコツコツ描き溜めた漫画をWEB上で公開するという形で参加させてもらいます! 今回は、第一回目ということで、中でも比較的よくできたものを掲載します。 コンセプトとしては、架空の芸術家のインタビューというものです。 芸術ってなかなか興味ない人には、理解し難い部分があるじゃないですか? …