今年の5月、個展をした。
真夜中に木を、林をたくさん撮った。
4月の終わり、まだずっと寒くキンと音が鳴りそうな空気だった。
自宅から少し歩いたところにある神社の裏に誰も入らない林がある。
杉の葉がたっぷり積もっていて歩くたびに
(カサッ、カサッ)
と軽く乾いた音がする。
風がまだ残る葉をざわめかせ、枝はしなると鳥の鳴き声のようにキィキィと鳴く。
知らない誰かに見られているような不安が襲ってくる。
僕はそこで夜を明かす。
カメラを三脚に載せ、シャッターを開く。
そのすぐ隣のふかふかな地面で空を見上げた。
明日死んでしまうとしても悪くない日だと思った。
——————————
最後なのでなにか特別なことをしよう、と思ったらこうなりました。
2ヶ月間全9回おつきあいいただきありがとうございました。
またどこかで会いましょう。
森勇馬
——————————
edit:YumaMori
song&all instruments:Genkihatsumi
lyric:MaiSenzaki
vocal:YumaMori