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2F/当番ノート

犬と短歌4(穴を掘る儀式)

当番ノート 第17期

inutotanka_4
木漏れ日揺らす土煙り
お庭や掘ったその犬は
ローマを目指しトンネルへ
見よ、穴深く消え失せて

こもれひゆらすつちけむり
おにわやほったそのいぬは
ろーまをめさしとんねるへ
みよあなふかくきえうせて

コジヤジコ       

うちのマルはときどき穴掘りをします。
まるで秘密の儀式みたいに穴掘りはいつも静かに開始されます。
コジヤジコさんのこの口語いろは歌のように、土が舞いはじめてる!と思って様子をうかがうと、
もう前足が深く深く穴の中に入っています。

一度掘り出し始めると、満足のいく穴が出来上がるまで掘り続けます。
邪魔をすると怒るので、穴の完成までじっと待ちます。
穴が完成すると見てほしいようで、必ず呼びに来るのです。
穴の完成を確認すると、私が穴を埋めて、マルの穴掘りの儀式は終了です。

でも実際にはなかなかすぐには終わりません。
埋めようとするととても怒るため、穴に近づくこともできずに一日終わることがほとんどです。
もう何度も掘って埋めるをくり返しているので、たまには何か良いものが出てきてくれないだろうかと毎回思います。

土を掘るポチの目つきがいつもとは違う 石油が湧き出る予感     じゃこ『うたつかい2014年4月号』

※いろは歌は、47字のかなをすべて1度ずつ使ってつくられる七五調の歌ですが
口語いろは歌は歌人の千葉聡さんが考案された新仮名48文字いろは歌です。
詳しくは→IRH48とkiz48

安福 望

安福 望

一日に一首と一枚、好きな短歌で絵を描いています。

Reviewed by
安福 望

穴を掘る犬の話とじゃこさんの短歌、コジヤジコさんのいろは歌を紹介しています

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