晴れの日のマルは、とてもいい匂いがします。
干したてのふとんに少し甘さを足したような匂いです。
このいい匂いは、毎日体を陽に当てているからだと思います。
最近は寒くなってきたので、陽射しを求めて移動し、体全体を陽に当てて眠っています。
真夏の暑い時期は、全身は暑いから、お尻だけとか鼻先だけとか体の一部を陽に当てています。
陽射しの中にいるマルにそっと触れると、ふっくら暖かく、パンが焼けていくような幸せな気持ちになります。
ただ、焦げ目みたいな茶色のぶちが年々増えているのが気になっています。
そのうち茶色の犬になってしまうのではないかと心配です。
鈴の音のような陽がふる木々の間にねむった犬をふっくらと抱く 坂井ユリ『京大短歌20号』