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2F/当番ノート

tab el 生命を巡る食の旅 番外編⑦「環境を食べる」

第18期(2014年12月-2015年1月)

旅に出た時、お水や空気の美味しさに気付く時があります。
北海道の空港から出た瞬間の、ミントのような空気は記憶に鮮烈でしたし、
熊本市内の水道は、どれをひねっても阿蘇山麓の湧き水が出て、
「住みたい!!!!」と感動したものです。

旅先で食べて美味しかったものが、家では同じように感動しないのも、
2度目で慣れた…こともありますが、空気や水が違いも大きいと思います。

大阪で人気のイタリアン「ポンテベッキオ」の料理人も、お肉に合わせる塩は海塩よりも岩塩を…
そして産地もお肉の産地と近い塩…ないし食材と合わせると、深く調和をするのだ…と、
お料理の説明をしてくれました。

食材が育つ土地の土、水、空気から、料理は始まっているんだと思うと、
環境問題や、排水•ゴミの行方も考えざるを得ません。
普段の生活は、物の始まりと終わりが見えにくいですが、
間違いなく関係者になるので、何を選ぶかをもう少し注意深く行ないたいと気が引き締まります。

0106-10

去年から取材や農家の友人の畑に遊びに行くことも増え、
農家さんがどれだけ土を作ることに心を砕いているかを知りました。
土の状態が、味も形も…育つ食材の完成形に直結しているのです。

土のコンディションを確かめるために、土を食べてみる方もいます。
土を味わうという概念がそれまで無かったので驚きましたが、
それをレストランで実践している料理人がいました。
東京に「NARISAWA」を構える、成澤由浩シェフです。

食べられなかったものを食べるのが、料理。
こうして驚きの挑戦から食べられる物が増えて行くのですね。
https://www.finedininglovers.com/recipes/first-course/soil-soup-recipe-narisawa/
(ご参考までに、土のスープのレシピをリンクしておきます。)

私たちも、いつかは土と水に還ります。
母なる大地に想いを馳せ、向き合いたいと、
我が家も、庭の枯れ葉を腐葉土にしています。
熱をはらみ、水蒸気を上げ、枯れ葉がじっくり土になっていく様子は、
まるで静かなお産を見ているようです。

万物は常に変化しているけれど、
土と、空気と、水と、光は色んな生命体の中を通り抜けながら、ずっと本質を保っている…
普遍的なそれらに、刹那を生きる私はどこか敬愛を抱いています。

Lyie Nitta

Lyie Nitta

食卓研究家。
管理栄養士、中医国際薬膳調理師という新古東西の視点から食をとらえ、料理とその周りにある関係や文化も一緒に提案する。

レシピ開発やスタイリング、ライティングも手がけ、薬膳や調理•ローカルの商品開発レクチャーも行なう。

2014年、国産の植物をもっと活用できないかと国内リサーチをはじめ、薬草茶のブランド「tabel(タベル)」を設立。
同年12月に、ローカルの現在や薬草図鑑のウェブサイトも公開し、薬草のある暮らしや文化をつむぐコミュニティを育んでいる。

http://tab-el.com/

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