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絵を見るとき何かを読み取っているという風に前回書いたのですが、
作品と人との間にはコミュニケーションが生まれています。
その伝達事項の中の一つが既視感です。
物心つく前の子どもが描いたように見える。
ロンドンの壁に描かれたストリートアートに見える。
80年代のヘタウマな日本のイラストレーションに見える。
図鑑の中の精密な図解のように見える。
〜のように見えるという風に、見る側の持っているいずれかの原風景と
コミュニケーションを取ることで作品は共感されるのかなと。
色んなことが起こっているだろうけれど、
ぼくはそんなテレパシーのようなものを感じています。
共感できる部分がある中で、これは知らないぞという
コミュニケーションがとれない部分(「ん?」部分とぼくは呼んでいる)があることも
見る人と作品が長い対話をしていく秘訣なのかもしれません。