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2F/当番ノート

Letters #4

当番ノート 第29期

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2010年4月4日からの手紙

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自分自身の心の在り方を表すすべとして、「表現」というものがあって
同時にそれが社会とつながるすべとして成立するものであればと願う。
社会の中で社会人らしくあることで、
自分が「ある」ことを実感できればそれで良いのだけど、
たとえば感受性の強さが自分自身の特性だと感じるのであれば
それを生かせる場を望むのはきっと自然なこと。

表現するために己の感受性を研ぎすませ高めようとすればするほど
一般的な「社会」との乖離は強く起こる。
「社会生活を営むわたし」と、
「表現するわたし」を
簡単に切り替える術があるのなら、どんなにかいいだろう。

強い感受性は、時に自身の生活をおびやかす。
だけど、感受性を含めた自分が自分だと感じていて、
それを何かに託して表現しようとするかぎり、
そのあやうさを受け入れてゆくしかないのかもしれない。

社会生活において必ずしも必要ではなく、
持つことで葛藤を生むようなもの。
効率的でないもの。
合理的でないもの。
夢見がちと言われるようなもの。

そういうたぐいのもので、
わたしにとって必要だと思えることはいくつもある。
そう思うかぎり。
自分の腕でしっかり抱いていかなくては。

ふたつに引き裂かれていくわたしには今、自分自身をつかまえて話をする必要がある、と思う。

Letter from 4 Apr.2010 to 26 Oct.2016

柊 有花

柊 有花

幼児向けの学習教材制作・書籍編集職として8年間勤務ののち、
イラストレーターとして独立。
いまは女性向けのイラストを主に描く。

2017年4月、吉祥寺百年にて個展開催予定。

Reviewed by
ハヤシマドカ

子どもだった時間は、どんどん昔になっていくけれど、今よりずっと気持ちが揺れ動いていた。合理性と無関係なことをたくさんやる。やらなければならない。ほとんど気分でやる。惜しみなくやる。宝物を入れるクッキーの空き缶には、宝石と石っころがごちゃごちゃに詰まっていた。どちらも大切。大人になると、なかなかその頃のように、瞬間瞬間生きている無防備でたのしい時間へ戻れない。戻るのが難しくなる。有花さんの、日々の戦い、そしてルーツの再確認。

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