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2F/当番ノート

CDの売れない時代にCDを作ろうと思った理由。

当番ノート 第32期

恐らくどんな人だって気づいている

” CDが売れない時代 ”
 
理由はたくさんあるだろうし、”時代の流れ”ていうくらいの必然性があったのかもしれない。
でも、そんな世の流れに反して私は今、新しいCDを作ろうとしている。

それは何故か。

前回、初めてのCDを作った話をしましたが、この秋再びCDをリリースする為にいよいよ動き始めた。とは言え、昨年末からライブ活動のお休みに入ったりしていたので、その辺りから構想はねっていたし楽曲制作も進めていた。
テーマを決めてそれぞれの曲のイメージを広げてわくわくする中で、ふと冒頭の疑問について考えてみた事があった。むしろ、きっとそう疑問に思う人も沢山いるだろうと思い、自分なりの答えを見つけてみた。
 

こんなCDの売れない時代にCDを作る理由。それは、CDが私の「名刺代り」であるから。
 
何だか初めましての方が多いのに前回は彼氏にフラれた話なんかを壮大につらつらと書いたりして、自身の活動についてあまり紹介せずここまで書いてきてしまったけど、粟生田水葉という人間は現在関東を中心にフリーで活動するシンガーソングライター。肩書きをつけると何だかカッコいいけど、全くと言っていいほど無名である。いわずもがな。納得。
態度と名前の風格だけは一人前なのですが、そんなアワウダも世に出ればただの小娘(若干アラサー)。故、「歌を歌っています」とどんなに大声を張り上げたって相手にしてもらえないことが多い。

そこで大事なのがこれ → 「名刺」=「CD」なんです。

皆様もきっとお仕事されている方が多いからお分かりかと思う。名刺に「株式会社○○ ■■部」とか、はたまた「部長」なんて肩書きが書いてある名刺を渡されれば相手の大体のあれやこれやが想像出来ちゃうでしょう。(会社における立場、仕事っぷり、年収…?)フリーのミュージシャンにとって、これが「CD」にあたるわけです。

残念ながら部長になれる器はありませんが、CDを持っていることでどれだけの活動をしていて、どんな音楽をやっていて、いわばどれくらいの気持ちでやっているのかが目に見えるのです。
よく言うじゃないですか「名刺代りになる1枚が出来ました」って(最近言わないね)。まさにあれ、です。

特にフリーでの活動をする上でCDを作っていると作っていないでは、結構な差になると私自身活動の中でひしひしと感じている。しかもこれが全国流通にのっていれば話はもっと広がって、インストアでライブが出来たり(地方にもっと行ける!)もっと身近な事を言えば、直接的でなくともアワウダという存在を伝える手段が出来るんです。(amazonでポチっ、です)
だからこそ、私にとってこれから更に活動を広める上でCD制作は欠かせない大事な要素の一つだと考えている訳です。

 
と、ここまでは音楽の活動という面での”CDを作る理由”でしたが、もちろん他にも理由はあって。

あえて書かせて頂くと、新しい音源を待ってくれている方々がいてくれているという事。悔しいほどに有難い。2015年に粟生田水葉名義でのCDをフルバンドで出して、あっという間に2年経ってしまった。待って下さっている方々にはやはり自分の手を通して渡したいていう欲がある。それは配信とかでは出来なくて、CDというモノにして対面で握手をして「ぜひ聴いてやって下さい」て言いたい。それは私のただのエゴではなく、人から人へ届けるという形としてとっても大事だと思うし大事にしたい。人と人の繋がりの体温が、そこにはしっかりとあるから。

あと、よく「作品を生む」て言うように、子孫と同じで、自分が死んだ後にも残る自分の跡を作りたいと思うようになった。ごく最近やっと、ほんの少しだけれど。死んだ後のことなんて自身は分からないのに。一種の未練なのかもしれない。我ながらとっても未練たらしい。でも折角ならアワウダの音楽が最後に残る場所が、山積みの在庫ではなく、多くの皆様の手元であるといいなぁと、そう願うばかりです。

だからもうちょっと、あとちょっと。頑張って生きていこうと思います。

活動のことばっかりで、自分の音楽についてまだ書いていないことに2回目を書き切ってから気づく。次回こそは。

(アワウダの音楽を少しでも気になってくれた方は、右の[movie]をぽちって見てください。ぜひ◎)

粟生田水葉

粟生田水葉

粟生田水葉(アワウダミズハ)

1987年生まれ。東京都出身。

うたを作って歌っています。
たまにちょっと踊ります。
美味しいものと人が大好きです。

Reviewed by
猫田 耳子

“モノ”よりも“コト”の時代だとはいうけれど、モノがあるからコトが生まれるわけでもあって
わたしが死んだ跡にも遺るものは、“コト”ではなく“モノ”なのであって

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