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2F/当番ノート

卍第六章 北限の海女について その2卍

第33期(2017年6月-7月)

卍第6章 北限の海女について その2卍

では、まだ時系列を戻して去年のお話から。

[2016年7月]

なかなか海に潜っていくことが出来なかった私は、身体に重りをつけてみることにしました。

元々寒さ対策のために、絣半纏の下にウエットスーツ素材の薄いインナーを着ていたのですが、インナー自体がそもそも沈みにくいので2キロの重りをつけるようにしました。

重りを付け始めるとだんだん潜れるようになってきて、とても嬉しかったのを覚えています。

でも、今度は重りをつけると腰に痛みを感じるようになりました。(そりゃそうだよね。体に負荷をかけているのだから)

だから8月からは重りを外すことを決め、絣の下に着るものも某ユ○クロの○-トテックを着ることにしました。

(綿素材だと水を吸うため、着衣水泳には向いていないのです。)

久慈市内にはユ○クロが無いため、車で1時間の青森県八戸市まで行きました。

真夏に○ートテックを求めて、車を走らせる自分・・・。なんだかちょっと笑いました。

それから寒さ対策&けが防止(岩などに脚をぶつけることがある)のため、白い短パンの下には肌色のストッキング・・・いや、もはやタイツを履きます。

去年の1年は本当に様々なブランドや厚さの肌色タイツを買って試しましたね。

おかげで我が家にはいっぱい肌色タイツがあります。

それがこちらです。

2017taitu

(たたみ方が汚いのはご愛嬌で!てへ笑 この時、何枚か洗濯しているのでまだまだあります~。)

個人的には福助さんの満足30デニール(これ履き心地抜群なので、普通に履くのにお勧めです!)の上に120デニールがベストだな!と研究の末、たどり着きました。

現代には、ウエットスーツというとても便利なものがあるにも関わらず、伝統の絣半纏を着て、潜り続ける。

これもなんと凄いことかと思います。

因みに絣半纏は様々な柄があって可愛いんですよ~!

私は梅の花とさくらんぼ柄の絣半纏を持っています。

是非、海女さんの着ている絣半纏にも注目してみてください。

2017年の今年も潜ってみて思ったことですが、やっぱり潜るのは最高に楽しくてやめられないな!ということです。最高です!!!

海の中はとても幻想的でワクワクが止まりません!

ウニはもちろん、アブラメ(アブラメはウニのカスを食べているため、実演中ちょろちょろ泳いでいます)、ヒトデ、ウミウシ(地元の人はハマネズミって呼びます)、ナマコ、ツブ、鮭の稚魚の大群、色んな生き物が海の中で生息していて、幻想的で、潜っていて本当に楽しいですね。

沢山の人とこの気持ちを共有できたら・・・と思います。

だから、今の私のもう1つの夢は海と潜水の楽しさ、素晴らしさ、魅力を伝えていく人になりたいと強く思っています。

でも不思議だなぁと思うのは、海の中に入っていく瞬間は本当に冷たくて冷たくて辛いのに、潜り始めるとだんだん普通になっていくこと。

まさに人体の不思議です。

そして、強い冷たさに辛さを感じるとともに、北限の海女の歴史の凄さを同時に感じます。

こんなに海が冷たいのに、先輩たちはよく潜ろう、潜り続けようと思ったよなぁ・・・と。

だから、自分も未来の後輩達に海女の伝統と文化をバトンタッチしていけるよう、頑張ろうと思います。

2年目になって、寒さには随分強くなりましたが、もちろんまだまだです!

観光海女というお客様に見られるお仕事なので、脚をまっすぐにして綺麗に潜っていかなくてはならないのですが、私はまだまだ苦手です。

今年の3か月で完璧マスターできるようになりたいなぁ・・・。頑張ろう。

そして、潜っているときの自分は、陸にいる時と違います。

陸にいる時の自分はかなりぽわーんとしているけれど、潜り始めると、もうひとりの自分がいるなぁと思います。

野生に返った自分というか・・・前田比奈という1人の人格を飛び越えて、ただの血や肉になった気持ちです。

この感覚がたまりません。

人生は2通りあると思います。

それは潜る人生か、潜らない人生か・・・。(笑)

だったら、私は潜る人生を選びます。

私はこれからもずっとずっと潜り続けます。

潜るのが本当に本当に大好きだから。

潜るのだけはやめたくないです。

おばあちゃんになっても、潜り続けたいです。

皆さんには人生をかけてもいいって思えることがありますか?

前田 比奈

前田 比奈

北限の海女に憧れて、地元千葉県から岩手県久慈市に移住してきました。海女さん2年生/岩手県久慈市地域おこし協力隊/アイドルグループWHiTEBEACH元メンバー/海女と海とおしゃれとブログが大好きです。

Reviewed by
喜屋武 悠生

『皆さんには人生をかけてもいいって思えることがありますか?』

胸を張って「はい」とは言えない。「そんなもん簡単に見つかったら苦労しないよ」なんて思ったりもする。でも、日々の暮らしにあくせくしながらも、本当はみんなそういうものを求めてるんだと思う。僕だってきっとそうだ。

ひなちゃんが海の中で出会ったもう一人の自分と、そこで過ごすかけがえのない時間。
文章を通して、彼女が見つけた世界の魅力が、今感じているワクワクが、どんどん伝わってくる。

人生をかけてもいい「何か」に出会えない人生が、不幸だとは決して思わないけれど、ずっと好きでいられるものがあるのは、やっぱりうれしい。ひなちゃんを見てると、そんなあたりまえのことを思い出させてくれるし、「自分も一歩踏み出してみよっかな」って気にさせてくれる。

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